【感情会計】善意と悪意のバランスシート

財務諸表から逆算で人心を読むテクニック

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軍師じゃなきゃ意味がない

(53)~柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

実はこの後【逆撃 長篠合戦】のことまで書こうと思っていたのですが、私の書くこの記事は、小説のあらすじを追うことが主題でないためここでやめておくことにします。 といって、逆撃シリーズにはまだ違った角度で「役立つ歴史」「活かせる歴史」の要素があ…

(52)~柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

「後継者と側近がこれでは……」 自嘲の言葉と共に、武田への愛想が尽きたのではと心配する信繁ですが、御厨にとって武田家にはまだ尽きせぬ魅力があります。 歴史上、武田家にはこの後「長篠の合戦」があります。 実はこれこそ、逆撃シリーズの醍醐味でもある…

(51)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

有害と知りつつも長坂長閑を排除できない武田家の勇将たち。 単独では武田家内に居場所が無いことを知り尽くした長坂長閑。 この組織内の戦いこそが、武田家の存続か敗亡を分ける乾坤一擲の大勝負となりました。 徳川家で「闇」部分を担当する服部半蔵が狙っ…

(50)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

前回は、現代へ視点を移し、私がかつて関わった企業で接触した恐るべき役員の方の戦術を語りました。 親会社の役員たちも匙を投げるほどの猛威を振るい、ある意味で伝説的な方だった。 私は役員からその方に対する愚痴を何度も聞いていますが、むろん、社員…

(49)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

私がかつて関わった企業で、社長に代わって采配をとるはずの役員(当時30代後半の方)が、恐るべき存在だったことがある。 奮わない業績を親会社の役員会で責められると泣きべそをかくという技(なのか天然なのか)を使う。 その技ひとつでも相当なものだが…

(48)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

武田四天王といわれる名将4人をはじめ、歴史的に見ても武田信玄が従えた人材の層の厚さは定評があります。 そんな中、主人公・御厨太郎はあっさりと彼らの信頼と尊敬を勝ち取ってしまう。 徹底した現場主義で戦時・平時を問わず前線に姿をさらし、軍師といっ…

(47)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

御厨太郎の成功は武田軍の成功と符号を合わせ、事態は良い方へ進んでゆく。 防戦一方の徳川家は、わずかに本多忠勝の読みが御厨に匹敵するものの、勝ち戦に乗じた武田勢の勢いゆえか常に初動に遅れが生じ、厳しい戦いを余儀なくされます。 直接の戦いと併用…

(46)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

徳川勢との読み合いに勝利し、家康に絶望感を味わわせる作戦を次々と成功させる御厨でしたが、彼が目指すのはあくまでも武田軍の上洛です。 信長を倒して武田の天下にしなければ、彼の宿願は果たされません。 何にしても、信玄の寿命がここ数か月しか持たな…

(45)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

逆撃 三方ケ原合戦 (C★NOVELS) 長坂長閑が有能であるかどうかではなく、有能な家臣から干された格好の自分にとって都合のよい存在であるかどうかが、武田勝頼には必要でした。 三方が原合戦の直前に彼が担当した二股城攻めの効率にケチがつけられ、三方が原…

(44)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

逆撃 三方ケ原合戦 (C★NOVELS) 能力と野心がそれほどでなければ、父親が築いたインフラの上に乗っかって、親父が育てて信任もされている部下たちの言うことを聞いていれば、それで世の中渡っていけるかもしれない。 でも、これはこれで難しい。 やはり一国を…

(43)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

ちょっと待て勝頼。 それはお前の思い過ごしだと思う。 たしかにお前の目には、箸の上げ下ろしを親父に叱られてるところを見ている連中が、『したり顔でニヤニヤ』に見えるかもしれない。 でもそれは (父君と若殿のこのご様子。若殿は相変わらずお可愛く、…

(42)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

さて、三方が原の戦い直前に御厨が勝頼に再開したときは、川中島から12年の歳月を経、嫡男の信義は既に廃嫡されています。 もはや己の頭上に覆いかぶさる存在が消えたという思いがあったのかもしれず、利かん気の強い地が出始めた彼は、古参の宿老たちの指導…

(41)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

武田勝頼は、逆撃・川中島の頃はまだ10代半ばほどの若武者です。 【中古】 逆撃 川中島合戦 中公文庫/柘植久慶(著者) 【中古】afb 実際には疎んじられていたとはいえ、血のつながりのない兄、武田義信がまだ武田の跡取りと目されていた頃ですから、四男の彼…

(40)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

死に臨んだ(浜松城入場時の武田信玄には、もう少し時間がありますが)総大将が、自分の死を前提に立てる自家の方策を話す孤独と苦悩。 遺言とも受け取れる言葉を聞かねばならぬ家臣の悲しみと不安が、信玄の言葉や気持ちとぶつかり合い、その会議は誰の心に…

(39)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

総大将の死を前提とした策など、家臣にはやりづらいことです。 だから総大将自身がそれを口にしなければならない。 より一層、トップの孤独感が身に染みる瞬間でしょう。 それを全身に受けつつ、それでも口にしなければならない。 必ず「そのような不吉なこ…

(38)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

ところで、この時の信玄は53歳。 すでに死病が進行して戦場の激務に耐えられる体ではない。 どこまでを“生前の仕事”とできるのか? 実際の生死を問わず『引退』を前にした経営者の大きな迷いに、信玄も遭遇しています。 後継者の勝頼に、何を残してやれるか…

(37)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

鮮やかな手腕を発揮した主人公・御厨太郎。 武田信玄は天守閣で宿将たちと共に御厨を称えています。 川中島ではあまり直接的な接触はなかったものの、御厨という男がただの物識りなだけでないことは知っていた。 とはいえ、目の前でこうも鮮やかに付け入りを…

(36)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

さて、浜松城奪取を申し出て自らが実行者となった主人公・御厨太郎は、徳川方の警戒を突破するために敗軍の部隊長を装ったり、それがバレそうになると襲撃者に豹変するなど、状況に応じて変幻自在な立ち回りを演じます。 帰城する徳川家康の命をも狙うのです…

(35)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

「浜松城は簡単に取れたんだよ」 歴史オジサンが口で言うのは簡単なことです。 「俺ならあそこで信玄に浜松城を攻めるように助言してやるんだがなぁ。そうすりゃ一発だよ」 言うだけなら極めて簡単なことです。 しかし、その程度の甘っちょろさで助言しても…

(34)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

三方が原の戦いは、信玄が家康の出撃を誘うための隙を見せ、兵数で劣る家康が「唯一このときに仕掛ければ勝つ」と判断を誤るように仕向けました。 すでに巧緻な大作戦が展開される計画が、十二分に準備され調っていたことになります。 現代のビジネスになぞ…

(33)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

周到な作戦が完成していれば、成功の確率は高くなる。 「物事は段取りが8分だ」なんていう言葉もよく聞かれますから、やはり準備が大切なのでしょう。 でもその一方「兵は拙速を尊ぶ」なんて逆の鉄則も存在するので「いったいどっちなんだ!」と言いたいこと…

(32)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

実行責任者を説得するためには、提案者の『当事者意識』は欠かせない。 もしも提案者が大前研一さんならともかく、通常社内で行われる提案や説得において実行者を納得させるには、はたからモノを言っているだけの人間ではパンチが弱くなるのは当然です(ちな…

(31)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

反信長同盟に御厨太郎が一枚加わると、確実性が増す。 前回最後で書いたように、同盟に参画する各勢力にとって、自軍以外の勢力の内情や国許の状況といった各種の情報は、ある程度知ることはできても万遍なくということは難しい。 しかも、敵方である織田家…

(30)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

要衝・浜松城を奪って武田家の拠点にする。 武田軍の上洛を目論む主人公・御厨太郎の戦略展開上、ここは外せない。 しかも、それは高い確率で実現する。 史実では三方が原で蹴散らした三河の若造(若き日の家康)は命からがら浜松城へ逃げ帰った。 そのとき…

(29)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

献血で腕に巻いた止血用ベルトを毎回会社へ持ってきて、捨てる代わりに部下に押し付ける上司の例を挙げ、価値無き物の押しつけの迷惑さは、ムダ知識の押しつけと同様だと述べました。 不完全でつまらない歴史話をまき散らす歴史オジサンといい勝負かもしれま…

(28)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

助言するということを「人に物をあげる」に例えてみましょう。 他人に何かをあげるときの動機や、その時の心の持ち方を考えてみてください。 私は二通りあると思っています。 1.自分が使ってみて価値を感じ、その得られる価値が、特にその相手にはマッチす…

(27)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

「オレのこの知識があれば、武田信玄だって言うこと聞いちゃうよ」 “奢ってやるから”なんて若い部下や後輩を居酒屋に連れていった、ただの歴史好きオジサンが得意になって語りそうな状況に、御厨太郎は立ち至っています。 ただ、御厨が単なる歴史好きオジサ…

(26)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

御厨が新たに手を加えた影武者作戦はより一層確実な成果を生む。 信玄の死後も、だ。 と、御厨はそこまで考えています。 むろん、武田家の家臣たちは信玄の寿命に不安を感じながらも、そうなってほしくないという願望が勝り、死後の作戦までを明快に考える者…

(25)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

今回の三方が原の戦いは、前回の第四次川中島から10年以上経過しています。 この間、御厨はいったん歴史の舞台を去って現代へ戻り、合戦に合わせて再び武田軍の中に現われます。 前回は面識ゼロからの、いわば新規客開拓的な立ち回りが必要でしたが、すでに…

(24)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

肩書は、消耗品だ。 役人時代に痛感した現実です。 総理府(現在の内閣府)からの出向で着任早々、現場事務所に対する居丈高な態度で忌み嫌われた係長がいました。 私にそれを教えてくれた後輩が言うには「相手がヒラだと知ると手のひら返すイヤなヤツ」だそ…