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(52)~柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

「後継者と側近がこれでは……」

自嘲の言葉と共に、武田への愛想が尽きたのではと心配する信繁ですが、御厨にとって武田家にはまだ尽きせぬ魅力があります。

 

歴史上、武田家にはこの後「長篠の合戦」があります。

実はこれこそ、逆撃シリーズの醍醐味でもある「本来の敗者を勝たせしめる」という展開が期待できる。

 

三方が原の戦いは、本来御厨がさほど関心を持たない“勝ち戦”でした。

 

しかしながら、信玄の死去を上手く扱い、失敗した上洛を成功させるという命題は、強いモチベーションを喚起させました。

御厨はそこに魅力を感じ、勝ち戦のプロセスに浜松城奪取という演出を加えようと挑戦しました。

 

そして今回は、かつて未来を舞台とした戦いで苦杯を喫した徳川家康と戦い、敵ながら盟友ともいえる本多忠勝と槍を合わせました。

 

長篠ではこの家康・忠勝主従だけでなく、徳川軍と連合する織田軍を率いる織田信長と、とうとう相まみえる期待が持てます。


逆撃 長篠合戦 (中公文庫)

 

歴史好き(御厨の場合は作家なので仕事でもありますが)にとって、これほど興味深い対決は無いでしょう。

しかも、彼は既に武田家においては雑兵までもが認めるれっきとした“軍師”です。

 

作業現場から役員会まで、どこへ行っても頼りにされる男・御厨太郎。

戦闘と戦闘指揮、教育、インフラ整備にいたるまで、とにかく戦闘に精通したプロフェッショナルです。

 

こういう人間が語る『歴史』は、単なる知識自慢ととられることはなく、興味深く、そして有難がって聞かれるでしょう。