データベースの文系的活用手法の普及を求めてやまない私が、自身の経験をデフォルメして占いの小説まで書いていたという話を前回書きました。
ちなみに、私が「セミナーを開催しよう」と思い立ち、さしたる気負いも無く不特定多数に向けた告知をやってしまえるのは、10代の頃から占いという形で相談受付の場数を踏んできた経験に支えられています。
もちろん、相談受付とセミナーでは、人と接する際のシチュエーションはかなり違ったものになりますが、「初対面やそれに近い相手へのパフォーマンス」という点では似ています。
そういう意味で鑑定とは、簡単なトークで互いの距離感を詰め、ゼロベースのところから悩みを聞き取り、即座にある種の結論を出してその場をまとめるという流れを、小さな舞台でやっているようなものです。
セミナーでは相手が複数なので少し異なる点もありますが、鑑定に2人でやってくる依頼人もいたので、複数相手が完全にダメというわけでもない。
なお、現在は当時より視力が落ちて精度が落ちるため、占いはやっていません。
内容的にも、完全に経営寄りの問題に特化しているため、占い目的の悩み相談は受け付けておりませんのでご了承ください。
この『手のひらのDB』という小説は、企業を【法人】という存在に擬人化し、依頼人の手相鑑定を行うことで、事実上のコンサルテーションを施すという、面白くもなんともない物語です。
ただ、データベースを文系的に扱うのが『データベースのトリセツ』の主旨なので、それを実践するときの思考過程までを如実に表現するとこんな感じ、という紹介をするつもりで書いています。
それゆえ『データベースのトリセツ~実践編』というサブタイトルを付けました。
さて、この小説を書くにあたって苦労する主な点を3つ書こうと考え、最初は普通に並べたのですが、せっかくなので「ベスト(ワースト?)3」的に、逆順で並べていこうと思います。
3位【個人 ⇒ 法人への鑑定要素の置き換え】
手相の法則を【法人】に転用するため、各種の線や丘などが持つ意味を、それぞれ適宜に作り直す必要があります。
たとえば「生命線」は「売上仕入線」とし、さらに右手は売上、左手は仕入を表すものとし、他にも「感情線」は「社員線」、「太陽線」は「市場(マーケット)線」にし、それぞれ出方や角度、支線の有無などにより独自の意味を持たせました。
でもこれらは1度設定すると使い回しが利くので、ストーリーの展開上で新たな設定が必要になってウンウン唸ることはあっても、その後は良い具合に役立ってくれます。
2位【相談者の来歴設定】
起きている問題(主人公の元を訪れた理由)は何か? は必須ですが、わざわざ人間に姿を変えてやってくるからには、それ相応の理由がなければならず、そこまでの時間経過もあるでしょう。
大抵は企業体質と合致しない何事かが行われ続けた結果の「体調不良」であり、そうなると【法人】の歴史に触れざるを得ない。
創立の原点、発展のきっかけやその後の飛躍に至るまで、読者と共に辿る造りになっていないと、肝心のデータベースの活用シーンが活きてこない。
全部頭の中で想像し、書き起こす必要があります。
このあたりが、この小説がやたらと冗長になる理由のひとつと思います。
1位【鑑定シーンはほぼ全カット】
「ここをカットしてどうするんだ!?」という感じですが、ここは極めて描写がしづらい。
これについては、次回じっくりと書きたいと思います。