先週末、しばらくぶりに安めぐみさんのラジオ番組を聴きました。
ゲストが“お友達系YouTuber”の「そわんわん」という21歳の女の子だったため、話はコンテンツ配信に関する内容が主で、興味深く聴かせてもらいました。
twitter.com
彼女は「動画を上げずにいられる日は3日が限度」と、配信頻度の重要性を語っていましたが、たしかにこれは人気ユーチューバ―といえども苦労のタネなのだなと思わざるを得ない。
というかむしろ、人気が出て来るほど悩まされるプレッシャーではないかと思います。
SNS全盛の現代では、YouTubeであれTwitterであれブログであれ、人気が出るとユーザーの反応がわかり易く数字に表れるのが常識ですが、さらにメディアがコンシュームするので、あっという間に有名人になることがあり、世間に印象づけられてしまった自分の姿に戸惑うこともあるのではないかと思います。
一度世間で「○○で話題沸騰!」といった形で有名になってしまうと、その後は質も量も落としづらくなり、取り上げられて喜んでばかりはいられない状況に陥る人も随分いるのではないでしょうか。
私のように、YouTubeで登録者ゼロなだけでなく、1度も視聴されていない動画を並べている状態なら「視聴者離れ」など痛くも痒くもありませんが、一旦人気が出てしまったら、それは喜びと同時に強烈な縛りにもなり得るということですね。
コンスタントに配信コンテンツを準備することが、比較的簡単にできる人もいれば、段々「自分の切り売り」の状態になってしまう人もいます。
後者はツライですね。
特に若い人は、自分自身が経験した人生の時間が絶対的に短いので、切り売りをやればやるほど痩せていくコンテンツに焦りを感じることもあるのではないかなと思うことがあります。
そんなときにふと考えてしまうのが、エリエス・ブック・コンサルティングの代表・土井英司さんの言葉です。
「ブランドは『強み』と『らしさ』を掛けたものだと思うんです」
土井さんが仰るには、強みだけで勝負するとネタ切れを起こすというのです。
どういうことかというと、たとえば会計士の人が本を4冊書くとする。
自身の強みを生かし「初心者向け」「経理担当者向け」「税理士向け」「IR担当者向け」で本を出版するとしたら、その実力は凄いのですが、毎回ターゲットが変わってしまう。
すると、マーケティングのかけ直しになって、大変なムダになるだけでなく、強みを求めてくれる相手の数も限定されるため、それ以上本が売れなくなる。
本を売ろうと考えなくても充分に食っていける人なら、それでも良いと思います。
むしろ、本を出したことで自分に箔をつけ、営業の時の名刺代わりに本を置いてくれば、競合とのアピール合戦ではかなり有利になるでしょう。
FineGraphicsさんによる写真ACからの写真
しかし、何らかの事情で本を売らなければ成り立たない人は、そうはいきません。
YouTube配信で稼ぐこと、人との関係を作ることにドップリ漬かってしまった人も、やはり大衆にリーチしないといけない状況でしょうから、視聴者離れのリスクを抱えている可能性はある。
更新間隔が開くとファンが去ると言いますが、ネタ切れしてマンネリ化すると「つまらない」という反応が拡散されるリスクもある。
「最後には自分の切り売りだ」と覚悟したときには既に遅く、「最後には~」と考える前に視聴者からはオワコン扱いされていることもありそう…。
“強み”は、その言葉どおり強い。
しかし、特化したコンテンツを持つ人ほど、そればかりに頼りすぎると強みに泣かされる危険もあるというのが、土井さんが言いたいことだったのではないかと、私は思っています。
では、その弱点をカバーし、ブランド化してしまうもうひとつの要素“らしさ”とは何か?
次回はそれについて、やはり土井さんの言葉を元に書いてみたいと思います。