思いもよらぬ伏線に後で気づき、大きな衝撃を受けることってありますよね。
ブルース・ウィリス主演の「フィフス・エレメント」では、空飛ぶ自動車が行き交う未来社会にもかかわらず、タバコにはマッチで火を付けるレトロなタクシー運転手が主人公です。
劇中では、残り数本となったマッチ箱を開いて1本使うたびに「後で手に入れよう」とつぶやくのですが、なかなかその機会がない。
減りゆくマッチ棒が伏線になり、作品にインパクトを与えています。
ミント食べたら『味変』するの?
たぶん学生時代だったと思いますが、友人女子の何気ない一言が、その後長い間記憶に残っていたことがあります。
「チョコミントアイス食べると味変わっちゃうから、先にこっちのお菓子食べとこ (o^―^o)」
今、十代の女の子がこんなこと言ってるのを聞いたら可愛らしくて記憶に残りますが、当時は自分も十代で、しかも友人の彼女だったから、この程度の発言は右から左へ受け流します。
まあ、「この人が言うことっぽいな」と思った程度だったのですが、なぜかこれが頭に引っかかった。
それから20年以上経過し、歯磨き粉とラウリル硫酸ナトリウムと味蕾細胞の関係を知ったときは、フィフス・エレメントのマッチ以上のインパクトが私を襲いました。
「味は、ミントで変わっているわけじゃない。たしかに大半の歯磨き粉はミント味だが、味変の真犯人はラウリル。コイツが味覚を破壊しているからだ!」
じっちゃんが代替わりするほどの時間をかけ、事件の謎は解かれた。
「ここに行き着くために、あの記憶は残ったままだったのか!?」
(結局、別の謎が生まれた・・)
味蕾細胞というのは元々短い周期で生まれ変わるものといわれます。
毎食後に歯を磨くことで破壊されても、皮膚とか骨がやられてしまうのとは事情が異なるらしい。
だから、口に入れるものにもかかわらず、界面活性剤が含まれた製品が出回っているのでしょうか。
たしかに、何十年と歯を磨いていて、明らかに「歯磨き粉が原因で起きる身体異常」というのは確認できないでしょう。
様々な食品に使われる「乳化剤」は、成分的には「界面活性剤」と同じといわれます(種類は色々ですが)ので、そもそも食べてしまうものにさえグレーな状態で使われている。
この本で明言されています(面白くて何度も読み返しました)。
「歯は ”身体” か ”道具” か?」の自問自答により、行為が『 ”手入れ” か ”洗濯” 』に分岐する
歯みがきも一種の『洗濯』。
だから界面活性剤を口に入れて洗浄効率をアップする。
そんなことを教えてくれる人には出会ったことがなかったから、考えたことがなかった。
ただ、改めて「それでよいか?」と問われたら「絶対嫌だ」と、私は思っています。
ラウリル硫酸ナトリウムと歯磨き粉のショック(というか友人女子の発言に起因する長年の伏線によるインパクト)を受けた上記の話はおよそ10年前。
私が歯磨き粉に気を付けるようになったのはこのときからでした。
天然成分の歯磨き粉は何種類もあります。
たしかにそれを使った場合「味が変わってしまう」なんてことは起こりません。
などはよく見かけるし、比較的リーズナブルなのでずっと使ってました。
は今使っているものですが、味覚が敏感になってくると、このくらい低刺激なもののほうが、使ったときの「無理やりの押し付けミント感」が無くてホッとします。
大量に出回っている市販の歯磨き粉は、味が(というか刺激が)強すぎて堪らない。
あれと「濃い味好き」の相関関係が気になるところです。
歯の手入れは”物理”を重視
とてつもない洗浄成分なんて必要がない。
歯垢を溶かすほどの強烈な薬品など無くても、歯垢は物理的に剥がし取ればよく、「薬品よりも道具と手数」で措置ができます。
何よりもまず「口腔環境の整備には、手間をかけるだけの重要性がある」というふうに、価値観を変えられるかどうかが問題になってくるでしょう。
どこまでの界面活性剤なら自分的にOKが出せるかは、その後で考えたらよいと思い、私は上記の歯磨き粉とフロスを併用しています。
歯間の汚れは、どうしてもブラッシングだけでは除去できないので、歯ブラシだけでは歯垢除去ができない。
フロスはたしかに有効なのですが、扱いが難しく、両手の指にグルリと巻き付けて使う時、手指の角度がイイ感じにならない。
不器用な私は無理に大口を開け、アゴが外れる危険を感じつつ様々に手を動かすのですが、満遍なく糸を這わせることができない。
歯垢除去にムラがあるだけでなく、無用に歯茎をこすることもあるので、何度も試みてはやがて諦めてしまいます。
取っ手付きの製品も数多く出ているのですが「掻き出す」という効果を得るためには、細い糸が1本という道具立てはどうしても弱い。
その試行錯誤の結果行き着いたのがこの製品です。
糸が幅広で、持ち手が付いていると、必要以上に歯茎を傷つけることなく済むし、アゴが外れそうなほど無理に口を開けなくとも、当てたい箇所に糸を添わせることができる。
その条件に照らしてみて、今のところこれが最も使いやすく、効果も高いと思い、最近はずっと愛用しています。
手先が不器用な私でも継続が苦にならないところが最大のポイントです。