国政に対する思いというより、日常的なところでよく起きている問題ですが、こちらのニュースの中にある「現場の声」で身につまされるものが有ったので、記事にします。
当事者じゃない人間ほど「ドヤ顔」でモノを言う
10万円の給付金に関し、「支出を決めた」国と、「実務化する自治体」の当事者意識の違いが露わになっています。
こちらのニュースの中でも私の目を捉えて離さないのが、高松市の現場の声です。
「実施主体が市区町村である以上、支給開始時期について、政府が希望的観測で広報すべきものではない。住民に対し、安易に期待を抱かせるような周知は行わないこと」
実に重い言葉です。
丸投げしたヤツは【無能者リスト】へ ⇒ 常連トップはアワードで表彰
よく「国はハコものばかり作って運営は丸投げだ」と揶揄されます。
丸投げされるのは自治体が多いですが、省内の出先機関も「被丸投げ」の対象になりやすい。
だから気持ちがよくわかる。
本省の課長あたりが得意げに記者会見で
「日本初となる○○センター発足にあたり、私はあんな困難やこんな障壁の中でけんな挫折やふんな逆風に苛まれながらも、でんな創意やゐんな工夫、そしてなによりゑんな理念により・・・」
と演説し、会見場を後にすると「じゃ、そういうことで」と発し、事務次官ポスト争奪戦のポイントになりそうな次の手柄を探し始める印象は、内部にいるほど肌で感じます。
ちなみに私が好まない「じゃ、そういうことで」の記事はこちらです
勘違い? 政策はアイデアコンテストじゃないんだけど?
まあキャリア官僚の出世競争は勝手にやってればいい。
ここで問題なのは、頭でっかちな理屈だけで作られているシナリオを自画自賛して、そのまま現場に投げてくる無神経さです。
こういうのを「頭のいいバカ」というのかな?
しかし、本当に頭がいいのなら「クリティカルパス」という言葉やその意味も知っているだろうにとも思う。
現場で下々の作業をしている頭の悪い連中(つまり私のような)が、思いもよらぬ細部にまで行き届いたクリティカルパスをベースに、大抵のハプニングに対応して一定ルートで業務が行われる仕組みを作るために、上層の階級にいるのじゃないだろうか?
ここで必要になるのは想像力ですが、それは決して「説明を成立させるための想像力」ではない。
証明問題を解いているのとはワケが違うからです。
生きとし生けるものが存在する生活の場で行われ、そこには気象や自然災害、不慮の事故や事件も発生する以上、理論ありきの想像力ではなく、当事者たちを思いやるための想像力が必要になるはずです。
国政の中心にいる人が「ただの勉強頭」とバカにされぬよう、高松市に学んでください
当事者たちを思いやるための想像力は、IQとEQの関係でいえば、完全にEQの領域で、本来政治や行政にこそ、EQの高いエリートが集まってもよさそうなものですね。
しかし残念ながら、EQは民間で「売れる○○」など貢献力の高い商品やサービスの開発などに生きていることが多い。
それから、ニュースから引用した高松市のように、住民との距離が近く、真の意味で世間に対する理解度の高い行政の方々もまた、高いEQを持っていると言えるでしょう。
現政権は「経済」が大好物であるそうですが、その礎となるヒット商品を生み出す高いEQを持った人は、総理の周辺にはいなさそうですね。
民間世論や大衆の気分を上手につかめる人は、ヒット商品だけでなく「ヒット政策」も生み出す能力が高そうですよ。
政権がバズるような働きが期待できます。