本編のカテゴリに「賃金戦略と給料戦略」を加え、1個目の記事をアップしました。
それにちなんで、このブログのほうでも宣伝がてら、少し前提を書いてみたいと思います。
意外にも「戦略」は中間管理職程度の重みだった
収入を増やしたい!
副収入を作るのも考慮したいが、まずは本業の給料をアップさせたい!
そのために、働きを認められて出世する!
これが自分の『給料戦略』だ
・・・と、あなたがこう考えたとします。
中途半端に副収入獲得へ食指を伸ばす前に、生計を支える最も太いパイプである本業に重点を置く堅実なあなたは、一念発起します。
さて、ではさっそく明日会社へ行って何をすべきか?
いや、明日まで待つこともない。自己研鑽は今すぐにでも始められる。
さしあたって何をすべきか?
あなたの給料戦略の第一歩とは、何をすることでしょうか?
分かっているようで実は曖昧な“戦略”と“戦術”
戦略と戦術という言葉はいたるところで使われます。
この二つは、意味を切り分けていなくてもニュアンスだけで通じてしまうことが多いので、正確な定義を知らなくても会話が成立してしまう便利な言葉です。
私はランチェスター経営の竹田陽一先生の話で、この二つを区別して使うようになりましたが、竹田先生自身は、源田実という人の文章がわかり易いと言っておられます。
どうやら戦略と戦術という概念にはかなりの奥行きがあるようで、我々が会話などで何気なく発するときに、ここまでを意識できていれば、聞いた側の理解が深まるだろうと感じさせられます。
役職で言えば「課長さん」程度にすぎない『戦略』
竹田先生が解説した戦略の立て付けは、概ね以下のとおりです。
願望(何としても成し遂げたい)
目的(何のためにするのか)
目標(目的を達するにあたり、とりあえず何を目指せばよいか)
戦略(目標を効果的に達成する全体的な方法とは何か)
仕組(戦略を各種の行動に移す際の準備とは何か)
戦術(仕組に沿って、ここに必要な事柄を、素早く正確に繰り返す)
竹田先生曰く、このほかに「情報」や「革新」といった要素もあるようなのですが、ここまででも充分有り難い解説でした。
つまり、我々が何気なく「戦略」と口にしたとき、あたかもそれは作戦の最上位にあることのように思ってしまいがちですが、実際には下から3番目にすぎないということです。
役職にたとえれば一番下から、ヒラ - 係長 - 課長で、まあ中間管理職程度といったところでしょうか。
願望なき戦略は薄っぺらで、求心力もない
それから、本来戦略とはそんな無機質なものではないということでもあります。
戦略のすぐ上の源泉である「目標」は、比較的単純な数値で表すことが可能ですが、その上の「目的」や、さらにその奥にある「願望」は至って定性的な、心の通ったものとなるでしょう。
そこまで揃えたうえでないと本格的な戦略とはならず、もしそれが調わないような戦略なら、それは単に計算で出ただけの、求心力も持たないスローガンに堕してしまう気がします。
つまり、「戦略」をゴールに自己研鑽してしまうと、意に反して頭脳では活躍できないことになるかもしれません。
何のための戦略であるかを常に意識すると、会社の中で並行して企画されている他の戦略が見分けられるようになり、他部署との接し方もそれまでより高度なものに変革することができるでしょう。