【感情会計】善意と悪意のバランスシート

善と悪の差し引き感情=幸福度

世相さん5(議員が読む原稿)

世相さんが昨日の動画で面白い発言をされていました。

「本当に菅さんの人気を取らせたいのであれば、読む原稿を用意する人は、原稿に空白を入れておいて『ここ、アドリブでお願いします』とかいうことまでしてあげないと」と…

 

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私が官僚時代、聞いた話があります。

ある若手のキャリア官僚が、総務課の国会担当からすごい剣幕で怒られていたというのです。

 

彼女は、想定問答の原稿の文案を提出した際、問答の中に出てくる用語解説を、参考として欄外に書いておいてあげたのですが、それを見たベテランの国会対応の担当者から叱責を受けたのです。

 

「ダメだよ! こんなこと原稿に書いちゃ!」

 

ちなみに、国会議員の読む想定問答の原稿というのは、かなり大きな字で縦書きに書かれます(私がいた当時なので、今は知りません)。

 

1枚の原稿に書かれる文字の数はそう多くないのですが、彼女はどうやら、その中に参考情報を書いて、議員があらかじめその用語の意味を理解して発言できるよう配慮してあげたようです。

 

しかし、ベテランの国会担当は、議員があらかじめ用語の意味を解するべく予習しておくなどあり得ないという現実を知り尽くしていて、彼女の今後の官僚としての立ち回りを勘案し、激しく叱責したのです。

 

「議員ってのはね、書いてあると何でもそのまま読んじゃうんだよ! 想定問の原稿に参考情報なんて書いちゃダメだよ!」

 

想定外の激しい叱責に言葉もなく固まってしまっている若い女性職員に対し、少し冷静さを取り戻した感じのそのベテランが、ややトーンを落として諭した内容は

 

「議員に渡す原稿はね、小学生が朗読する作文を書いてあげるつもりで書かないといけないんだ」

 

官僚は、ただ頭が回るだけではいけない。

 

小学生並みの処世で国政を司る老人たちの作文原稿を書いて、この国を造っていかないといけない大変さを受け入れ、それでいて彼らよりはるかに低い給与に甘んじなければならないのです。

 

だからあんまりいじめないでください。

身内びいきでなく、そう感じます。

 

菅 義偉くんのことを小学生並みの人として官僚は原稿を用意し、読ませています。

普通の大人が読める漢字にも、読み仮名を振っていると思ってください。

 

「原稿を読まずに自分の言葉で語る議員」という存在に私が感じている敬意は、そういった事情を知らずにいる人よりもはるかに大きい。

 

逆に「総理大臣だから」というだけの理由で、その発言を大なるものとして受け止めている思考停止の人に対するイライラも、それに比して大きい。

 

世相さんもその辺の事情はすべて承知の上で、冒頭の発言をしているとは思いますが、それゆえに余計な一言として、これを言いたかった。