これは必ずしも、モラハラ野郎に「やり返す」ための方法ではありません。
もちろん、やり返せる状況にあるならばそうしても構いませんが、ほとんどの場合、あなたと相手の関係は、それが許されない形でつながっているはず。
そして、モラハラ野郎は、意図的かそうであるかは別として、必ずあなたに”ある勘違い”をさせようとしてくる。
そして残念なことに、あなたの側もほぼ無意識に、それを受け入れている。
不快感をおぼえる程度の自我は持てたとしても、連中が仕掛けてくる”劣等者のレッテル貼り”を跳ね返す(あるいは拭い去る)までには至らない。
「気が弱い」「気が小さい」という表現を使い、『だから、原因はそんなボク(アタシ)にあるので、この性格を”直したい”』などと、あたかもあなたの欠点であるかのような錯覚を起こす。
そうなるように仕向けているモラハラタイプの人間に、操られてはいけない。
あなたの人生の主人公は、あなた自身です。
- 直さなきゃならないのは、あなたの性格じゃないです
- 戦術には戦術で応対すべし
- 弱者を踏み台にする強さなんて、ホントの強さじゃない
- 分断を招く政策は、知識モラハラと犠牲者を生んでしまう土壌
- 知識モラハラを仕掛けてくるヤツは意外にチョロイ
- ではどうするか?
直さなきゃならないのは、あなたの性格じゃないです
モラハラを仕掛けてくる相手の手の内を知り、その際のタクティクス(戦術)をわきまえ、それを使って叩き潰すか、使わないで穏便に済ませるかのイニシアティブは、あくまでも”仕掛けられた側”のあなたにあることを知るのが最も大事なことです。
しかし、そういうシーンは、日常の小さな一コマとして無数にある。
無数にあるので枝葉を追っていてはキリが無いからと、早々に「私の気が弱い」という幹の部分を改善しようと焦ってしまうのは禁物です。
結局は自分の首を絞めることになります。
あえて枝葉の一つひとつを細かに見る方法
嫌な思いをさせられ、傷つくことがパターン化している。
「嫌がっていることを、繰返しする」のがハラスメントの典型ですから、あなたとモラハラ相手との関係では、すでに数え切れないほど嫌がらせを受けているはず。
表層的な部分だけでよいので、そのトピックのひとつから毎回の傾向が見えてくると、わざわざあなたの性格にメスを入れたりしなくても、戦術だけでさばける部分があること浮き上がってくると思います。
戦術には戦術で応対すべし
そもそも、モラハラ実行者が毎回仕掛けてくるのは戦術(繰り返し作業)です。
連中の「戦略」や、戦略展開するための「仕組」といったものは、その戦術の奥にあります。
なのに、無数に仕掛けられる戦術レベルのことに、あなたはいきなり戦略レベルのものをあてがってしまう。
「性格」や「人生観」は”戦術”じゃない
日常の中のやり取りが舞台であるにもかかわらず、あなたは一足飛びに「性格」とか「人生観」といったものにスポットを当て、それでカタを付けようと頑張ってしまう。
たしかに、あなたが振る舞うときの言動や行動(戦術)は、その奥にある「性格」や「人生観」(戦略)によって決まってくるのが普通です。
だからといって、相手が戦術レベルの小手先で仕掛けている程度なのに、そこに直接戦略をあてがうというのは、バランスが取れません。けた違いにあなたが不利です。
そんな方法で対応しようとしたら、振り回されて人生がメチャクチャになりかねません。
敵の「戦術」には「戦術」で応対し、あなたの資源の枯渇を避けるためには、「ただ耐えて傷つく」式の受け身一辺倒とか、「性格の改良・人生観の再構築」といった困難なやり方は得策ではなく、適切な戦術で応酬したほうがよい。
そのために、枝葉のひとつを例にとって、双方の手の内を記述してみます。
弱者を踏み台にする強さなんて、ホントの強さじゃない
モラハラは、解釈の仕方の違いにもよりますが、かなり広範囲にわたって色々なところに潜んでいると思います。
明らかに精神的な攻撃を受けたと感じるものから、小さな不快感を積み上げて大きなダメージにしてしまうものまで様々なものがあります。
では、枚挙にいとまがないモラハラ現場ですので、その中から1つのトピックに絞ってみます。
マイナンバーカードをめぐるやり取りを例にします。
大事なポイントは「気が小さいことと、頭の良し悪しはまったく別」ということです。
これはいかなるときでも、絶対に忘れないでください。
「オマエは考えが浅い」「知識が無い」「情弱だ」という決めつけは正しいか?
「ボク(あるいは『あたし』)、マイナンバー作る気ないんだ。
だって、個人情報の漏えいとかになりそうで不安だから」
あなたが会話の中で何の気なしに、そんなことを口にしたとします。
そうしたら、こういうことを言われたとしましょう。
「マイナンバーカードを否定するやつは馬鹿だ。番号の情報なんて、もともと国が持っている。
デジタル化に対し脊髄反射みたいに否定的な反応をする人間は、物が見えていないバカなんだ。
オマエってほんと、どうしようもない情弱だよな」
このとき、この発言者がマイナンバー肯定派であること自体は問題がありません。
情報を掌握したほうが管理がし易いのは当然で、施策にも好都合なことが多いでしょう。
しかし、自分と同じように考えない相手(それも弱者)に対し、人格攻撃をするのは明らかに問題がある。
「ふと感じたこと」を口に出せない拷問
ちなみに、私もマイナンバーカードを作る意思はありません。
理由はあなたと同じ「情報漏えいが心配」だからです。
過去にその事故があったかどうかは問わず、まずあなたがふと「不安だな」と感じたなら、そう感じたこと自体は真実です。
私たちは小さいころから、ふと思ったことや感じたことを口にして、それに同意を得られる経験の繰り返しの中で育ってきていると思います。
中にはむやみと否定され、精神的・肉体的にダメージを受けながら成長してしまう被虐待児童がいて、これは明らかな社会問題になっています。
自分が感じたことを、めったやたらに否定され続けたら、人生全般に悪影響が出るのは、成育過程はもちろんですが、大人になってからだって同じことが言える。
分断を招く政策は、知識モラハラと犠牲者を生んでしまう土壌
『マイナンバーは情報漏えいが不安』
『マイナンバーは、もともと国は知っている。情報漏えいとか言ってる奴は情弱だ』
どちらも考え方としては、それなりの理屈を持って存在します。
ちなみに上に書いたように、私は情報漏えいが不安な考えのほうです。
すでに情報は渡してあり、現時点で自分は被害を受けている事実はない。だから信用できる(マイナンバーカードを作るべき)。
という考え方がある一方で、政府の情報管理がずさんであるという事件や事故のニュースが存在するのも事実です。
それから、空前絶後のレベルで浪費した年金問題をはじめ、国民の財産を預かった際の取り扱いが尊大・稚拙である事実などを併せて考えれば、マイナンバーカードに不安を感じるのもごく自然な感情といえるでしょう。
どっちも「そう感じること」自体は真実です。
【気の小さい人へ】 否定されることは、べつに悪事じゃないッス
日常生活の中の些細なやり取りで、ちょっと否定されたくらいならば、ムッとするくらいで済むかもしれません。
でも人によっては【否定される = 悪いことをした】という解釈になる場合もあります。
実は、モラハラへの対応術は「やり返すこと」よりも、思考をすっ飛ばして上記の解釈へつなげてしまうクセに気づくことだと思っています。
いずれにせよ、何かにつけて否定され続けていることは、精神衛生に良くありません。
その精神衛生に良くないことを、周囲の弱者に繰り返して行うのがモラハラとするならば、会話の中でやたらとマウントを取ろうとして知識をひけらかしたり、相手の言うことを否定したりする行為を続けることは、立派なモラハラになります 。
知識モラハラを仕掛けてくるヤツは意外にチョロイ
いい負けて悔しいことってありますよね。
それも「知識の量」などというペラペラの価値(と私は思っています)でマウントを取られるなんてどうも釈然としない。
それも、ただ読んだだけ・聞いただけの知識なんて、砂上の楼閣みたいなもので、そんなものを振りかざしている人間は「威張らないと強さをアピールできない弱者」です。
机上の知識しか得られないほうがよほど『情弱』
単なる知識の量をひけらかしてくる奴の弱点というのは、一定の法則があると思っています。
連中が一番言われるときつい言葉は「知ってるよそんなことくらい」という一言。
そして、別の論理にすり替えられてしまうことです。
これは、連中の常套手段です。
ゆえに、逆に相手からそれをやられてしまうと最もダメージが大きい。
だから、それだけはされないように、日々戦々恐々としているので、容易にそこに付け込んできそうな相手は苦手です。
長い時間をかけて培ってきたスキルや体験型知識は、そうそう簡単に破られない一方、単に情報の入手プロセスを知っている程度の強みは、強みとは言えないほど頼りない。
もし相手がそれ以上に高度な知識を持ち、がっぷり四つに組んだら負けそうだという時は、急に論点を変えてすり抜ける。
情弱、つまり情報弱者という言葉を使い、他人を攻撃するタイプの人間や、たまたま先に情報を知ったからといって、他人をやりこめる機会を作り「自分のほうが上位者だ」という刷り込みをやる人間は、情報の使い方が浅い。
結局、ソイツが情弱である、といって過言ではないと思います。
ではどうするか?
今回の事例に使っている、マイナンバーのいざこざの話に戻ります。
「マイナンバーカードを否定するやつは馬鹿だ。番号の情報なんて、もともと国が持っている。
デジタル化に対し脊髄反射みたいに否定的な反応をする人間は、物が見えていないバカなんだ。
オマエってほんと、どうしようもない情弱だよな」
こう言われて引き下がることはありません。
しょせん相手は情弱です。
繰り返しますが、信念として持っているだけなら考え方は自由ですが、それを使って他者(弱者)を攻撃しようとするなら、そんなモラハラ野郎はこちらも遠慮なく情弱扱いして構わない。
モラハラ野郎を上回る想像力で「ふと感じる」ことができる
自分がマイナンバーに感じる不安を口にしただけなのに、人格否定までされた。
あなたは間違っているのか?
そうではない。
あなたは知っています。
マイナンバーに何となく感じる不安の正体を。
「猿のそばに棒切れを一本置いていても、甚大な被害が出るほどの脅威はない。
でも、猿のそばに核ミサイルの発射ボタンを置いたらとてつもなく危険。
それと似た脅威を感じて、そう口にしただけなのに。。
この人どうして、たかがその程度の想像力すら働かないのかな。
『知ってるだけ』の浅いレベルで知識を回して対人関係作ろうとするのって、ホントそれこそ情弱」
マイナンバーは、紙媒体とかスプレッドシートレベルで持っている程度なら、仮に漏えいしてもその速度や範囲は比較的抑えられる。
しかし「ビッグデータ」なんてものに乗っけられて、データベースを丸ごと利活用しやすい状態で持たせたら、その拡散速度はけた違いに早いし、拡散範囲は軽く世界中に及ぶ。
「猿のそばに核ミサイル発射ボタンを置く」ようなものに思えるのです。
実は「知ってますがそれが何か?」に弱い「言い負かしモラハラさん」
現政権に、低所得者層の生活レベルまで生きたお金を回す能力や、コロナ対策現場に立つ事業者の末端まで援護する能力はない。
能力がない人間にかぎって、より複雑化する仕組みを高らかに叫ぶ。
できもしないのに、気宇だけがデカい。迷惑だ。
そして「自分たちは優秀だ」という途方もない錯覚をしている。
「デジタル庁」なんて名ばかりの役所を作ろうとするわりに、情報管理能力が恥ずかしいほど低い。
すでに老境にある人物をIT担当大臣に据えたことは、散々問題になりました。
「それでやれる」という人選をする感性には恐怖すら感じる。
今だとちょうど「子ども庁」なんて、役人の書いた机上ビジョンに余計な労力を割こうと画策している。
サルたちが、紙ファイルをバタバタさせて「マイナンバー! マイナンバー!」と叫んでいることぐらい、あなたは知っています。
だから、もし言えるようなら言ってやればいいのです。
「マイナンバーカードを否定するやつは馬鹿だ。番号の情報なんて、もともと国が持ってるんだよ!」
と言われたら
「知ってるよそんなこと。だから言ってんだよ」
これを、言葉づかいは丁寧に、理論は冷静に展開し、”言い返した印象”だけを残してサッと終わらせられる状況なら、やってみても良いと思います。
ひと口にモラハラといっても、予備群くらいのレベルなら、この程度のデモンストレーションも効果が高い。
私も、マイナンバーとは別のことですが過去に何度かこれをやって、相手の鼻っ柱をヘシ折ったことがあります。図に乗られると面倒なので。
今回はマイナンバーをめぐる諍いを例にとりましたが、別の事柄でも同様に考えてみてよいと思います。
(ですが、やり返すのが目的ではなく、あくまでもあなたの「ふとした感覚」を自分で否定してしまう癖を付けないことが第一ですので、みだりに反撃しないように気を付けてください)
番外「おススメはしないが、こんな実例もある」という程度にお読みください
ついでに、モラハラする連中はこういうフレーズに弱い傾向があるようです。
(決しておススメはしないので、太字にはしませんが)
「知ってるよそんなこと。だから言ってんだよ」
に続けて、
「聞いてんのかよ。テメーに言ってんだよ。人の話ちゃんと聞けよ、テメーだよ!」
耳元でそっと、響くように言うのが効果が高いのですが、これは当然リスクも高い。
私は以前、モラハラ幹部に対し、サイコ感の強い私の上司がこれに近いことをやり、おとなしくさせた現場に出くわしたことがある。
モラハラ野郎はモラハラフレーズをぶつけられると意外に脆い一面があり、一旦手を噛まれて痛い思いをすると、それ以降は危険を避けるケースもあるようです。
(繰り返しますが、必ずしもおススメはしません。報復行動に出るヤバいのもいますので)
マウントを取られると言葉にできないというだけで、あなたには鋭敏な感受性がある
マイナンバーに関する分断の話に戻ります。
紙媒体やスプレッドシートで個別に持っていても、それを広く大量に、そして一瞬のうちに拡散させる術は、特別なスキルがないとできない。
つまりバカは大規模漏えいさせる能力すら満足に持っていない。
だからこそゆるゆるの規制でも情報の漏洩は少なく済んでいる。
でも今の管理能力ままで、バカが使える仕組みを推進すると、それだけ情報漏洩の危険度が増す、という意味でマイナンバーカードに否定的である。
あなたは意識のどこかでそういった危険性を感じ取り、プロセスを文章化するまではしないが、結論だけは持っている。
つまり、あえて危険を冒して「やり返す」まではしないものの、あなたはそんな下らぬモラハラ野郎に弄ばれるほど情弱でもないし、考えも浅くない。
【否定された = ボク(アタシ)はいけない人間】という判定をしないようになることを、是非とも目指していただきたい。
それから「あのとき、こう言っとけばよかったのに! 悔しい! 自分はバカだ。頭が回らないんだ!」ということがあるかもしれませんが、それも違う。
萎縮させる戦術に気づいていないだけです。
萎縮してしまったら、どれだけ優秀な人でも頭脳は極度に回らなくなります。
感受性が強いほどそうなります。
想像の瞬発力と、広範囲性を持つほどそうなります。
必然的に「同時に色々な配慮が働く」からです。
それは「知識は得れば良い」のと同じく「訓練でどうにかなる」ものです。
モラハラ野郎に対して、必ずしもやり返す必要はありませんが、モラハラの戦術の存在に気づくことは、是非やってみて頂きたいです。