【Cocoonマニュアル】と銘打っておきながら、マニュアルのコンテンツにまったく触れずに終わった前回記事
独学で、しかも無料で学ぼうとするときに「マニュアル」という言葉に過度な幻想を抱き、それがゆえに失敗することの無いよう、気を引き締めたのはよいのですが、Cocoonそのものから離れてしまいました。
しかも、考えたことを書き切れなかったので、もう少し続けてみます。
「マニュアルを学ぶ」というのは新人にとって当たり前と言える事柄だけれども、マニュアルよりもシビアな不文律というもうひとつの篩(ふるい)があるからです。
採用面接ですべて出し切り勝ち取った採用。だから今後も「安泰」だなんて誰に聞かされた?
面接官との関係よりも、採用されてから長い時を過ごす職務現場での人間関係は、ある意味で面接よりも重要です。
端的に言えば、人事の採用担当者と仲が良くても、配属先の人たちとの関係が悪くなってしまったら、とたんに働き続けるのが苦痛になってくる。
あるいは・・
面接官として目の前にいた配属先の幹部との関係が良くても、めったに会わない幹部より、毎日を共にする同僚とのコミュニケーションをしくじったら、やはりそこで働き続けるのはツラい。
日々を過ごす現場でこそ、円満で快適な日常を送りたい。
たとえ「円満・快適」が難しくても、せめてうまく立ち回り、勤め続けたい。
そうでなくてはせっかく採用された意味がなくなってしまいます。
面接時は「会社を評価する」。雇用後は「配属先を評価する」
就職指導の時によく言われるのが
「会社は求職者を評価するが、あなたは一方的に評価されるだけでなく、あなたも会社を評価する対等の関係だと思いなさい」です。
これは、採用された後にも同じことが続きます。
新配属先で、新人は直属上司や先輩、同僚たちから評価をされますが、こちらも充分に先人たちを観察したほうがよい。
しかもこれは採用面接と違って長期にわたる。
それに「入社させるかさせないか?」という一点集中型の評価ではないし、評価者たちの価値観も様々なので、一定の評価基準というものはありません。
さらに、それらの評価は『人間関係』というスタイルを取ることが多いのが一大特徴です。
一回限りの試験や、時間をかけて準備した材料で乗り切るタイプの短期決戦ではないので、採用試験だけをターゲットに好結果を出した人が、採用後に急速にしぼんでしまうケースがあったとすれば、それは当然ともいえる。
マニュアルからの情報収集だけでは、現場を渡っていけない
「新人でも、マニュアルが整っていればなんとかなる」
というのは幻想だと私は思っています。
マニュアルの裏にある不文律の篩にかけられる、生々しい現場の実態を把握していればいるほど、マニュアル至上主義にはならないと思う。
マニュアルの前にある「仕組み」を完璧に調えているならともかく、その点をサボっている管理職が唱える「マニュアルへの幻想」は、全くあてにならない。
唐突にCocoonマニュアルに戻る
【Cocoonマニュアル】には、たしかに「マニュアル」という文字が表記されている。
でもこれを、「初心者でもこれさえ見れば大丈夫」という意味合いで捉えることは間違いだなという気がしています。
そして今回もまた【Cocoonマニュアル】そのものについて一切触れていないことに気づく・・