インフルエンザや重い風邪などで、39度や40度の熱が出た経験のある方は、結構いるのではないかと思います。
「39」とか「40度以上」といった数字のインパクトが強いので、何かとその記憶が残ることが多いでしょうし、人に話をするときのトピックとしても使いやすい。
こうして『高熱が出て大変だった』という経験談は、”体温”に象徴されがちだと思います。
感冒での高熱は『急激な体温上昇中』がいちばんつらい
・途切れない頭痛と全身の節々の痛み
・厚い布団を被ってもガタガタと震えが止まらない悪寒
高熱を伴う風邪やインフルエンザが本格的に発症したときは、たいがい一気に体温がピークに達すると思います。
3〜4日かけて徐々に40度になった、なんて話は聞きません。
私がこれまで経験した高熱でも、せいぜい3〜4時間、長くても5〜6時間のうちには体温は上がりきっています。
脳への急激な刺激に伴うリアクション
体温がピークに達するまでの間は、上に挙げたような痛みや悪寒が猛威をふるいます。
しかし、『痛み』に隠れて目立ちませんが、もうひとつ『猛烈な頭部不快感』があると思う。
これは考えてみれば当然で、本来ならあまり高熱になるのがよろしくない脳が、発汗などの対抗策を十分に講じ得ない状態で、急速に熱されている。
これも考えてみれば当然で、ウイルスへの対処として体温を上昇させる命令を出しているのが脳自身なので、体温上昇に見合った冷却をしたら、わざわざ無理に上げている意味がない。
脳に危険が迫ったときの防御反応は、他のどこよりも強力だとどこかで読んだことがあります。
この自らが演じた焦土作戦によって危機を迎えた脳は、痛みだけでは耐えてしまう場合があることを見越してか、激しい不快感によって、その異常さを我々に伝えてくるかのようです。
思わず出る「うめき声」は『脳の悲鳴』の代弁?
コロナではなく、もっと昔にひいた風邪などの経験ですが、急激な体温上昇時に思わずうめき声を上げてしまったことがあります。
”痛み”が原因ではありません。
頭も身体も痛いことは痛いが、”激痛”と言うほどではない。
悪寒は、ようするに「寒い」ので、冬などで寒さを感じたときに肘を曲げ、体を抱くような格好で両腕をさすりつつ、前歯を軽く合わせて「スーッ」と息を吸うようなリアクションがある程度で、”うめく”なんてことはありません。
うめき声を上げる一番の要因は『頭部不快感』
”脳の悲鳴”に耐えかねて、だと思う。
そして、これが『熱が下がった後』に起きたのが、今回の感染体験の中で最も大きな出来事でした。
実のところ、これが原因で命の危険を感じるところまで追い込まれました。
これについてはちょっと今すぐ書ける状態ではないので先送りしますが、今回のコロナ感染では、この頭部不快感が最も猛威をふるい、今もなおその余波を私の体に与え続けています。
消化器が衰弱して食べられないのではなく、「頭が気持ち悪い」
ちなみに・・
「ムカムカして、食べ物を見ると堪らなく不快感が増し、考えただけでも『ウゲッ』となる」
という症状がずっと続きましたが、その間、胃や腸などの消化器官系は、不快感に関する自己主張は一切していない。
また、私の場合は「眠れないほど止めどもない咳」や「肺部の痛み」、「呼吸が苦しい」などの激しい呼吸器系の症状はなく、咳が続いた期間もさほど長くはありません。
(ただし、咳が続く期間は会話がつらい程度の状態にはなりました)
基本的には、とにかく頭部不快感の一党独裁という感じで、それ以外の症状は野党的存在でした。
多少興味深かったのは、この頭部不快感を抱えたまま会話をする際に、「どんな会話が、より症状に響くか?」がかなりハッキリと感じられたことです。
これについても、別の機会に書いてみたいと思います。