【感情会計】善意と悪意のバランスシート

善と悪の差し引き感情=幸福度

カネで買う『相対強者』のポジション

金融所得増税について、一旦は形(なり)を潜めた首相が、またぞろ怪しげなことを言い始め、株式投資をしている層が警戒感や不満を表明しているようです。

 

 

すべては「弱いヤツが悪い」ってことに?

金融所得に対して一律増税されることに不満を持つ人は、多数居られると思います(ほとんどか・・)。

 

中でも「たまったものじゃない!」と、かなりひっ迫した怒りの持ち主は、なんとなくの予想ですが、こういう人が多いのではないかと思います。

 

「一生懸命働いて余剰資金を生み出し、ようやく投資効果が出始めた(これから出そうな)努力家」

 

どんなに逃げても追いすがってくる増税妖怪

  • 社会保険料の負担が増えているのに、年金はあてにならない。
  • 高齢者の医療費が引き上げられたように、今後3割負担さえもどうなるかわからない。
  • ちっとも ”暫定” じゃないガソリン課税は、頑なに解除しない。
  • 賃金は上がらない。
  • 海外物価から置いてけぼりを受けた、今後も恒常的に続くであろう物価高。
  • 控除額が引き下げになる一方で、増税が発動されるダブルパンチ。

etc.etc.  etc .……

 

上級国民はこれらの仕掛けで、むしろ資産は増えていく(でしょ?)。

しかし一般国民にとっては、これでは給料以外の収入源を必死に確保しなくては未来が無い。

 

だから、頭を使い、時間を捻出して金融投資の道へ分け入ったのに、ヤツはそこまで追っかけてくる。

 

目を合わさないようにしていても、横からヌッと顔を覗き込み

「ねえ、カネ出しなよ。儲かってるんでしょォォォ~?

『新しい時代を皆さんとともに』って、街のあちこちに貼ってあるの見たよね?

あの言葉どおり、新時代に参加させてあげるから、ホラ、出すんだよォォォ!」

としつこく絡み始めた……あのポスターの顔が。。

 

……と、そんなホラー&サイコなイメージが展開しているかどうかはともかく、とにかく金融所得に課税強化する姿勢は、必死の抵抗を生むのではないかと思われる。

 

まあ、当然でしょう。

 

恐怖と苦しさのあまり、弱者に八つ当たりする中間層

一方、金融所得課税強化に大反対する層の中には、その憤りを、より下の階層に向けて発散する人もいるようです。

 

そういう人は、財源不足解消のために、法人税を増税したらよいという説などを聞くと、カチンとくるのかもしれません。

 

企業の利益が減ることで、投資している自分の取り分も減ってしまうからでしょう。

 

そこで、一部の人は法人増税に流れることを不公平と見て、こんな意見も持つようです。

 

「上げるなら法人税じゃなくて消費税だろ。社会保障の恩恵を一番受けてるのは下の連中だ。税金をたくさん払ってる俺たちは恩恵を受けられないのだから、せめて受益者負担を応分にさせろ」

 

これは消費増税を意味しますが、そこそこ稼げる人にとっては、それでもいいから平等にしろという論調になるのかもしれない。

 

新自由主義の典型例というべきか……

「貧困層は能力が無いから貧しいのだ。そして能力が無いのは努力を怠るからだ。だから今の結果がある」

というロジックかな。。

 

『相対強者』は戦わないまま弱者への転落もあり得る

消費税は、価格に対して一律のパーセンテージだから、その点では平等。

しかし、各人の可処分所得に対するパーセンテージという点からは、完全なる逆進性。

 

可処分所得のキャパシティが小さいほど、税負担が重くのしかかる。

 

弱者にとって「社会保障の恩恵に応じた受益者負担」なのかもしれないけれど、これではより弱者になっていくばかりで、社会に負担を掛けなくするためには ”再生” ではなく ”死” しかない。

 

そこそこ稼げて税金を多く負担している割に見返りが少ない人の憤りは、たしかに御尤も。

 

しかしそれは「弱者には死を」も辞さないほどの勢いなのか?

 

少なくとも竹中平蔵は「弱者は生かしてさらに吸い取れ」のようだから、それとどっちが優しいのかわからぬが……。

 

次の”弱者”はキミだ! ~中間層へのアドバイス by困窮者

今でこそ「貧困層は努力が足りないからだ」など、弱者を下に見て「俺はあいつらと違って努力もしているし能力もある」と言っている人は、たしかにいるようです。

 

ただし、そういう人は、自分の強さが相対的であることを、どこまで自覚しているのだろうかという気になることがあります。

 

本当に実力がある人も、努力している「つもり」で実際は薄ボケている人も、せんじ詰めれば ”所有するカネの多寡” でしかない状況に陥っているというのが実態な気がする。

 

世界的有事・コロナ禍においても、銭ゲバでうまい汁を吸おうとしている政府筋や財界、医師会などが跳梁する。

 

そんな魑魅魍魎どもの跋扈はひとつの指標ですが、有事においても金権政治・拝金主義がはびこっている。

 

ということから察するに、どんなときでも ”所有するカネの多寡” がすべてを決めると言っても過言ではなさそう……。

 

努力して能力を磨き、頑張って金を得て、それをしない奴はダメな人間と強者ぶる人は、言い換えれば『自分よりも相対的な弱者(貧困層)がいるからこそ、強者でいられる』ともいえる。

 

富裕層から「ただの成金」と蔑まれるとき「あのころ貧困層にツラく当たって悪かったな」と思えるかも

今の弱者はこのまま進めば、ホームレス・生活保護・死者・犯罪者といった方向へ進み易くなるのはわかりきったことだし、現にすでにそうなっている。

 

強がる中間層は、それにより一層負担が増える羽目になったり、犯罪の被害者として地獄絵図の一風景になり果てることになるかもしれない。

 

さらにその先はといえば、今の弱者が足切りで一掃されたのち、次は富裕層との相対的関係により、現在の中間層が弱者の地位に落ちる

 

さんざん足蹴にしてきた弱者の立場に自分が立ち、今度は富裕層からの辛辣な批判が殺到する。

 

「あいつらは本物の才覚が無い。中途半端にしか稼げないただの成金連中だ」

金融所得課税は消費税と同じ逆進性がある

現在の貧困層を ”無能” ”怠惰” と決めつけて攻撃し、存在を消してしまおうとするのは、自分たちを崖に追い詰めていくのと同じなのだから、それなら攻撃などしないほうが身のためだ。

 

そもそも、今回の金融所得課税にしたって、投資などは及びもつかない貧困層は参加していないから、ちょっとばかりの収入がある人と、けた違いに収入が多い人というキャスティングになる。

 

両者の間には、埋められないほど大きな格差がある。

 

しかし、どちらにも税率は同じだけ課されている。

消費税と同じ逆進性が働くと言ってよい。

 

一律増税されると、運用収入から得られる可処分所得が小さい人ほどダメージが大きいので、起きていることは消費増税と同じことではないかと思う。

 

不足する生活費のあてにしている人は「さらに何かやって稼がないと」今のラインは保てず、生活レベルを下げざるを得ない。

 

また、リターンを再投資する ”振り子の振れ幅” にようやく手ごたえを感じ始めた人は、振り出しに戻されたような徒労感を味わうこともあるだろう。

「投資なんてやったって、稼げやしないのだ」と。。

 

「弱者」の地位に甘んじてくれる人の類まれなる価値

今回の記事の上のほうに挙げた「法人税を上げるくらいなら消費税を上げて、弱者にも応分に負担させろ」とした意見は、ヤフーコメントの中で見かけたものです。

 

総理(というか財務省)の言い分も、”応分負担” を軸にしている。

金融所得においても、得た収入には同じように課税するものだと言われてしまうと厳しい。

 

「そうじゃない。金融所得の場合は・・」と、長々と説明しても、政府は聞かない。

ヘタに ”応分負担” とかいう文言を発すると、必ずそちらを採り上げて持論を展開されるだけです。

 

「俺は稼いでいるから消費増税しても良い。それによって、ただ恩恵を受けるだけの奴も消費増税によって、社会保障という旨みの代金をきっちり払え!」という人は、【相対的強者】。

 

「ワタクシは投資で十分稼いでいるから、金融所得課税が増えても、資産は積み上がっていく。にわか成金でいい気になってる人たちのことはどうでもいいから、公共予算からの中抜きの仕掛けを、6月までにあと二つくらい追加して」などと要求できてしまう、【より強い相対強者】との勝負へ持ち込んではいけない。

 

中間層は、安易に弱者を排撃したりしないほうが安全です。

弱者を守りつつ、今得ている力で、下降していく経済(というか下降させている政府行政)を叩き直したほうが、遥かに建設的だと思う。

財務省の言いなりになっている連中は、全く使い物にならない。