【感情会計】善意と悪意のバランスシート

善と悪の差し引き感情=幸福度

「買い控え等による流通の混乱」が問題ではなく『重い税を課していないガソリンが販売されること』こそ問題だ(by財務省)でしょ?

1月25日の毎日新聞に、野党がトリガー条項の凍結解除を求めたことに関する記事がありました。

mainichi.jp

 

その後、経産相が凍結解除を匂わす発言をし、ガソリン価格値下げに期待を持たせるかのような記事が出ました。

しかし翌日には官房長官がそれを否定。

そして経産相も本日には言葉を変えて、凍結解除は考えないと述べた・・

 

スタグフレーションで消費活動が揺るがされる状況の中にしては、さんざんに人を振り回す質の悪い政治家の体たらくに思えるのですが、皆さんはいかがでしょうか。

 

 

2008年にガソリンに基本税率が適用(実質的なトリガー条項発動)された話

上の毎日新聞記事には次のような記述があります。

トリガー条項の凍結解除には法改正が必要な上、年間3兆2000億円程度あるガソリン税と軽油引取税の税収が減るため、政府は難色を示している。

さらに、総理発言として以下の記述もある。

岸田文雄首相は20日の国会答弁で「買い控えやその反動による流通の混乱があることから凍結解除は適当でない」

 

政府が警戒しているトリガー条項発動は、政治家同士が揉めただけで起きる茶番でもある

別の記事で書いてありましたが、上記の総理答弁中の『流通の混乱』とは、2008年の4月に暫定税率が適用されなかったときのことを指しているらしい。

bestcarweb.jp

 

「法改正が必要」という言葉を聞かされると「じゃ、難しいんだな」と納得してしまうかもしれませんが、2008年は法改正で暫定税率が適用されなかったわけではありません。

 

「トリガー情報解除には法改正が必要で、お前たち(国民)が簡単に言うほど容易くできるようなものじゃない。差し出がましい口をきくな!」

 

しかつめらしい顔で議員サマや官僚サマはそうおっしゃるかもしれませんが、はっきり言って2008年は ”法改正” どころの話じゃない。

 

与野党の意地の張り合いみたいな事情で、審議も不完全なままでした。

そのために基本税率が適用され、ガソリンは安くなりました。

 

立法機関がその総力を以て決めなくても、トリガー条項が発動されたのと同じことになった・・

 

憲法の規定による「みなし否決」

2008年に発生した、国会の機能不全による事実上のトリガー発動は、次の流れで起きたようです。

 

自公は租税特別措置法を国会に提出。

期限を迎える暫定税率を1年間延期する形で衆院は2月末に議決。


しかし参院は自公が過半数を持っておらず、たなざらしにされた。

衆院から参院に送られて60日以内に決議されなければ、参院は否決したとみなす(みなし否決)。

 

否決が確定して衆院に戻り、最終的に議決されるまでに1か月(4月)の空白があり、その間は基本税率が適用された。

 

法改正などしなくても、トリガー条項解除と同じことは可能

与野党が揉めたグダグダな流れの末に起きた暫定税率不適用(要するに基本税率)ゆえに、ガソリン需要を持つ消費者たちの間には混乱が起きた。

 

ここで「今給油するのは適切か? もう少し待ってみるか?」といった様子見が起きたことは確かでしょう。

 

息をつめて国会の動きをうかがったはずです。

 

『流通の混乱』は ”消費者” ではなく ”政治家” が引き起こした

参院が決議するか?しないか?の雲行きが怪しくなってきたころからガソリン消費を抑えようとする人がいてもおかしくないし、みなし否決後はさらにそんな消費者も増えたでしょう。

 

一方「ガソリンというものは、個人も事業者もライフラインにしている人がほとんどなので、買い控えなど起きない」とする意見もあります。

 

それはそのとおりなのですが、総理答弁中の『買い控えやその反動による流通の混乱』というのは、かなりミクロな末端消費者の行動にフォーカスした表現方法に思えます。

 

ガソリン給油という行為に関して言えば、20人が駆け込み需要をすれば、それだけで渋滞が起きてもおかしくない。

 

「たまにしかガソリンを給油しない」という程度の消費者はたくさんいるので、それらの人々が殺到すれば、ガソリンスタンドはたちまち行列状態になる。

 

『流通の混乱』とは、そういった人たちの影響で、買い控えなどする余地が無い人(又は事業者)までもが迷惑をこうむった事象を指しているように思えてならない。

 

結局、その大本になったのは「ひょっとして参院は今月中に決議しないんじゃないか?」「よし、もう少しだ。4月1日を待とう」という不確実な流れであり、その途上で起きた買い控えでしょう。

 

誰のせいだ?

国民が混乱を招いたみたいに言うなよな(てか、ポチにそんな答弁させるなよ、飼い主)

 

1か月の間に起きた暫定税率の混乱を引き合いに出すのは論外だ

ちなみに、総理答弁の中の『買い控えの反動』とは、2008年4月という極端に短いスパンの中で起こった暫定税率の「不適用/適用」という異常事態を指しています。

 

「よし!基本税率適用だ。ガス欠寸前まで耐えたから、月初に早速給油だ!

「暫定税率が適用される前のギリギリまで引っ張って、月末に給油しておこう

という焦りが、たった1か月の間に起きたことを意味しているのです。

 

もとはといえば、政治家が自分たちの思惑で決議をしなかった。

国民不在のふるまいをした結果で審議がなおざりになったためです。

 

そこを謝罪し、今度は計画的に暫定税率不適用を目指すのならば、結果は違ってくると思う。

 

それに、期間が短すぎたのも混乱した要因なので、たった1か月の間に始まって終わるようなことでは話にならない。

当然ある程度の期間を想定すべきだし、そうなればジェットコースターのような経済的インパクトは避けられるでしょう。

 

2008年の事象を引き合いに出すこと自体が間違っている。

 

”税率”ってのは、国民のために決められると思うのだが・・

いずれにせよ、法改正などせずとも、極論を言えば、現在提出されている法案のうち、たった一つを決議しなければトリガー条項が発動されたのと同じことになる。

 

「そんなことをしたら、他の税率法案に波及するじゃないか!」

いやいや、2008年はあなた方の身勝手で、法改正とは関係なく ”波及” させたじゃないか。

 

法案の可決よりも政争を重視していることは、みなし否決を招いたことからもよくわかる。

よしんば野党が「みなし否決」によってガソリンの暫定税率をやめさせようとしたとしても、自公は即座にそれを復活させた。

 

「あるべき税率の姿を取り戻すため、即座に議決した」とでも言いたいのだろうか?

そして、今回も暫定税率を通そうとするのでしょう。

 

なんなんだろうな、「あるべき税率」って。

誰にとっての「あるべき」?

少なくとも日本国民ではないよなぁ・・