「選挙買収?」
そう思った人が大多数であると信じたい。
そうでないなら……日本は危険だ。
幸い、さすがにこのあからさまな集票行為は反発を呼んだ。
となれば、当然改まると思った。しかし・・
与党から ”噴出した疑問” の内容に目を疑う。
「低すぎる。1万円は必要だ」
そんな理由で異議を唱えたかと思うと
「5000円だけとは、うちをばかにしているのか?」
と憤った人間までいるという。
約2年前にひと騒動あった話題を思い起こさせる。
このときも大いに呆れた。
今回の5千円騒動が、2年前の状況にそのまま当てはまりそうだ。
「お肉券だけでは不十分だ」
「お魚券が無いなんて、うちをばかにしているのか?」
と言ってるかのように感じられる。
この現実感覚の無さは何なのか?
思い当たるのは、日本の与党は独裁政権というに値する状態になっていることだ。
長年、安定多数が続いて政権交代の危機感が無い状態でいると、与党の中には感覚が麻痺して現実感覚から離脱し、色々な物差しが狂ってしまう人間が増えてくる。
「低すぎる。1万円は必要だ」
と、正気を疑わざるを得ない発言をしたのは、自民党の閣僚経験者とのこと。
「うちをばかにしているのか?」
と、それこそばか丸出しの発言をしたのは、公明党関係者。
いずれも与党。
外野みたいな立ち位置にいた輩ではなく、長期にわたって政治の中枢にいた人間ということだ。
なのに、なんだこれは?
この連中の経済感覚、金銭に対する感度は、最近接したある報道に似ている。
手前勝手な理屈が、外界に通用すると思っているからこその意思表明。
お肉券やお魚券が通用すると考えるのと、本質的に同じではないか。
「日本も他人事じゃない」
という言葉を最近よく目にするが、たしかに他人事じゃない気がして、そっちの意味でも怖い。