【感情会計】善意と悪意のバランスシート

善と悪の差し引き感情=幸福度

経済同友会って、日本経済復興を目指している組織らしい

しばらく前に、経済同友会という組織が「”骨太方針2022”に対する意見」というものを発表しました。まあ、政府に向けての提言なのでしょうね。

持続可能な財政構造の実現に向けて ――「骨太方針2022」に対する意見―― | 経済同友会

 

「経済同友会という組織」という書き方をしたのは、組織名はよく知っているが、どういう組織なのかという知識はなかったためです。

 

では、なぜさほど関心のない組織のことにわざわざ関心を持ったかというと、消費税に関して信じられない解釈をしていたからです。

 

世代によらず公平に負担する消費税を中心とした歳入構造への転換を図るべき

 

『経済同友会』ってなんなの?

 

 

消費税の捉え方に疑問

”消費税は公平だ” と主張する人は時々います。

 

しかし、可処分所得に対するパーセンテージで考えたら、あきらかに低所得者ほど負担感を増す。

 

この逆進性について、消費税公平論者は、計算はできても、低所得者層の人々が感じる生活の苦しさについては言及しないでしょう。

 

たとえ言及したとしても「稼いでる人は皆努力しているからだ」とか「稼ぐ能力を得るために努力しない人の責任」と、話をすり替えてしまうのではないかと思う。逆進性の話をしているのに。

 

では「貧困層は無精無能」が正論だとします(私は「運」によるだけと思っているが)。

そこで、「卓説は理解した。しかし、今すでに苦境に追い込まれている人が、努力してそこから脱却するとしても時間が無い。とりあえずは救済が必要だ」との擁護に対してさえ、「乞食」と蔑む人すらいるようです。

 

「まだ消費税率が足りていない」とする経済同友会、どんな発足理由で立ち上がった?

急激な物価上昇に対しても、消費税は満遍なく負荷額が増大することから、現在すでに実質増税とも言える状況ですが、それを中心とした歳入構造へ転換することを提唱する経済同友会とは何なのか?

 

しかも「諸外国と比べて負担が小さい」と言っているので、まだ税率が足りないようです。

 

戦後の経済復興目的

「若手経営者による経済職能人の集まり」というのが、当初の経済同友会の有りようだったらしいです。

 

敗戦後の日本を復興させるべく、有志が発足させたとのこと。

戦前にその力を誇った財閥は、戦後はGHQによって「軍国主義の経済的基盤となる」として解体されたので、経済復興を財閥に頼れなかったからこそ、若き経営者たちが立ち上がったのでしょう。

 

そして、実際にその後、日本は経済大国へ成長していった。

その過程で、経済同友会の働きは大きかったと思いたい。

 

何より、会員は個人であって企業そのものではないという点に「経済職能人の集まり」というポリシーを感じられます。

 

戦後に次々と立ち上がった沢山の起業家たち

敗戦後は、日本中に ”起業家” が満ち溢れたはずです。

 

ちょっとしたサービスやモノづくりを引き受けて、それを定型化させていった人の数が多かったでしょう。

 

それを『商売』という言葉で表現するかどうかはともかく、生業のような形にした人はたくさんいたと考えて間違いないし、その人に協力する人が集って組織っぽくなっていったことも想像に難くない。

 

戦後日本は中小、小規模事業者であふれかえったと考えてよいでしょう。

経済同友会は、日本がそのような姿だった頃に発足しています。

 

「参加人数」によるレベルアップ。「多様性」によるシナジー効果

では、日本はどうやって「モノづくり」で世界的な信用を得て経済大国になったか?

 

昨今言われる「日本は観光立国」という表現には大いに戸惑いますが、私が子供のころに学校で教わったのは「日本は工業国」という概念だったし、その実績として貿易黒字化による外国との軋轢などもありました。

 

日本の技術力が優れていたのは、日本人の優秀さが第一にあると信じていますが、もうひとつ大事な要素として「競技人口が増えるとレベルが上がる」という法則もあったのではないかと思います。

 

学業試験とかスポーツ、あるいはゲームなどでもそうですが、競争に参加する人数が増えるほどに、自ずと切磋琢磨が生まれてレベルアップするのは自然な姿です。

 

日本国内で多数・多様な事業者たちが相争っているうちに、いつの間にか世界レベルの実力になったといっても、あながち間違いではないでしょう。

 

競争力の本質を肌で感じていたと思われる経済同友会

経済同友会初期メンバーは、小規模事業から成長する自分たちの姿と国家の復興を重ね見ていたと思うし、何が経済に好影響を与え、経済に強い国家を作り得たのかという本質も知っていたと思う。

 

有事 ⇒ 経済破壊 ⇒ 経済復興 ⇒ 富国/豊かな庶民生活

という流れの中で「中小、個人事業」などの小規模事業が果たす役割は、「短期的に儲かる」という近視眼的な価値だけでなく「高い技術力の国内培養」が強かったと思う。

 

「高い技術を持った中小企業を買収して我が社の糧にしよう」と考えるのはまったくの短絡思考で、多数の小規模事業者自身による切磋琢磨は、日本人の実力発揮の土壌とみなすべきではないかと思われます。

 

挑戦を支える税制だったはずが、挑戦を罰するかのような税制へ変わっていく

消費税が施行された当初、免税事業者の規定が「3千万円以下」だったり、設立後数年間は免税とされたりした理由は、起業家を生み育てるためと言えるでしょう。

 

「意志のある奴は挑戦しよう」「挑戦する奴には力を貸そう」というのは、戦後復興を目指した経済同友会のポリシーに合っていると思う。

 

挑戦した結果、製品品質やサービス技術の差によって敗れ、廃業する『自然淘汰』は無数にあったでしょう。

 

しかしそれによってイノベーションが起こり、そのことが刺激となって新たな事業者が誕生するといった新陳代謝も活力となって、日本経済を支えてきたと思います。

 

それに対し、大企業優遇の裏で追い詰められての廃業や、買収により技術力だけ大企業に吸い取られるような人為的淘汰は「種モミを食らい尽くす」というに等しい、未来を塞ぐ行為と言ってよい気がする。

 

現在は、免税事業者枠は「3千万円」⇒「1千万円」と、3分の1に減額されている。

一方、その間に消費税率は3%⇒10%へと、3倍強の増大。

小規模事業者にとっては、10倍近い重石になっていると言ってよい。

 

3キログラムの鉄球を引きずりながら歩くことを強いられていた人が、30キログラムに増量されたら、歩くのをやめてしまうでしょう。

 

しかもインボイス制度によって、個人事業主などさらに小さな事業体にまで、「挑戦したことによる罰則」とでもいうべきことを成そうとしている。

 

私は個人的に、経済同友会はこの、復興への逆風に対してこそ抗うべきだと思うのですがいかがでしょう?

 

ちょっと期待できない、現在の経済同友会

消費税は

「世代によらず公平に」

ではなく

「見境なく容赦なしに」

になってしまっている。

 

産業を活性化させるためには、競技人口を増やして日本人の優秀さを大いに発揮すべく、復興のために発足した同会の主旨を、今こそ政府にぶち上げてほしい。

 

復興の妨げの大きな要因である消費税をはじめとした歳入構造のイノベーションこそ、「政府の骨太方針」に対し大いに提言してもらいたい。

 

ただ残念なのが、今や大企業と化した組織内での「出世の競争」に明け暮れてきたと思しき、そして ”若き” とは言えない経営者が庶民感覚の無い状態で切り回す団体になっている感のあることだ。

 

2年前の給付金の時、「電子マネーが望ましい」とした発言などは、”現実感覚の無い実業家” の発想をまざまざと庶民に見せつけてしまった。

(ちなみにこの桜田氏は”消費増税”、”矢野論文支持” など、「世事より数事(数字)」と言わぬばかりの方向性を有しているようだ)

www.sankei.com

 

さすがに、これに関してはツッコミどころも多くて、当時様々な反響があった。

www.bookservice.jp

www.sponichi.co.jp

www.youtube.com

 

大企業に成長して「国家よりも自社」に視野が狭まって、おまけに「人生逃げ切り」が見えてきた世代は、果たして経済同友会にふさわしいだろうか?

 

一般庶民の暮らしが眼中にない金持ちサロンになってしまっては、経済同友会の名が廃る。

 

30代、20代、いや、ITが幅を利かす早熟の時代においては、10代ですでに事業を起こして未来の姿を思い描く若者すらいるわけなので、かつて「有事からの経済復興」を目指した気高き経済同友会は、もはやその世代が担ってゆくべきでは?