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孤独なグルメ『蘇る金狼』番外編(9)~熱々のおでんを、熱いまま食べる方法

物語の15日目 11月23日(水)勤労感謝の日 PM7:00頃

 

朝倉哲也がこの晩に食した『三百円分のオデン』は、およそ11人前と少し

 

前回、そのことが算出されました。

 

1回の食事量としては多すぎてリアリティを感じませんが、これはおでんの分量です。

 

普通の1食分に換算すれば、11÷2.63≒4.2人前となり、朝倉君が食らうとするなら充分に常識の範囲内と言えるでしょう。

 

(上記「2.63」は昭和41年当時の「ラーメン1人前」と「おでん1人前」の ”米ドルと豪ドル的換算” による指数です。詳しくは下の記事をご覧ください)

blog.dbmschool.net

っつってもなぁ~、大藪先生が最初から「11人前のオデン」て書いてくれてればなぁ~、前回記事要らなかったんだけどなぁ~。ホント苦労したぜェ・・

 

前回の こじつけ 検証をする間じゅう、私の頭には常に「遠足のおやつ」がチラついて、とにかく思考が妨げられて大変でした。

 

「三百円」とは、それほどインパクトのある言葉です。

そして、ワクワクする言葉です。

悟空さん、ひとことお願いします。

 

何だか知んねえけど数が出っちまえばオラのもんだ。

しかし、とにかく数値さえ出ればこちらのものです。

 

では、横須賀・三笠通りにある”大衆的なオデン屋”での、朝倉くんの動きを追っていきましょう。

 

ちなみにドラゴンボールで悟空は「ワクワクすっぞ!」って言ってないはずなんだけど(少なくともたぶん原作では)、これは野沢語? またはファンの集合無意識なのだろうか? どちらにせよ、これほど鮮やかに人口に膾炙する的確な語彙はめずらしい気がします。

上のコマのセリフも本当は「わくわくするぞ」だし・・

 

 

熱々のおでん頼んどいて、冷ましちゃうんだぜぇ~。ワイルドだろぉ~

魯山人の見解では『おでんは、出来たてを待っていて食うから美味い』

 

舌を焼くような出来たてのものだから美味いのであり、本来は粗末な安料理なのだ、とのことです。⇩⇩「第Ⅲ章 鍋料理と雑炊の話」より


魯山人の食卓 (グルメ文庫)

 

奇しくも安料理であることは、前回の記事で判明しました。

たしかにおでんは、一般的な食事と比較すると、財布に優しい傾向があります。

 

大藪先生が、オデンに限っては「××人前」と書けなかったのは、それだと数値がインフレになるからだったのではないでしょうか。

 

だから「三百円分」と、あくまでも金額での表記にこだわったのではないか?

そこには大藪先生の深謀遠慮が施されていたのかもしれません。

 

さすがに「オデンを11人前あまり食った」とは書きづらかったでしょう。

笑っちゃうし、ね。

少しずつ注文、冷めないうちに、熱々のヤツを!

私のイメージの中の「おでん屋」は、カウンター前に腰掛けた客の眼前に、小皿に乗った数点のタネが提供されるイメージです。

 

 

店のオヤジさんが適当に見繕うこともあれば、最初から特定のタネをオーダーする客もいるでしょうが、初めに盛られるおでん種の数は、多くてもせいぜい4個程度までが、見栄え的にも美味しそうです。

 

魯山人が主張する「舌を焼くような、熱くて美味いおでん」を味わいたいなら、そのくらいが適当でしょう。

 

たとえばドラマ「ワカコ酒 シーズン1」の「第9夜~焼き鳥」では、まさにそんなシーンが描かれています。

www.bs-tvtokyo.co.jp

 

焼鳥屋でテンションの上がったワカコが串をいっぺんに頼みすぎ、食べるのが追い付かず、中盤以降は冷めてしまって後悔します。

 

おでんも同じことですね。

熱々の、湯気が立ち上ってるタネを、かぶりついてホフホフしながら堪能したい。

酒呑みは特に注意したい「おでんオブジェ」

お酒を飲む人は、途中途中にゆっくりと日本酒を口に含んで舌の上で転がし、口中を洗いながら「食べ、且つ呑み」を繰り返すでしょうから、酒を飲まずに食べる私のような者とは、時間の流れが違うはず。

その日の気分次第で、いつもとはちょっと変わったおでん種を追加発注すると、オヤジさんが熱々のそれを、お皿に乗せてくれて気分が上がり、さらに酒もすすむ。

 

それゆえに、おでんを一気にたくさん注文してしまうと、せっかくの熱々を、冷めるまで待つワイルドな食べ方になってしまう。

 

眼前のおでん皿に、見るからに冷めたおでん種のオブジェを置いて飲むのは美的じゃないので、タネはちょっとずつ頼むのが通の飲み方、と・・

 

たぶんそういった感じなのでしょう。

いいですね、風情があって・・

 

ちなみに私の学生時代の女友達は日本酒好きで、屋台のおでんで酒ばかり頼んでいたら「それじゃ儲からないよ!」とオヤジさんに注意されたそうですので、風情も良いが、お店のためには積極的に食べていく姿勢も大事です。

 

そして、忘れてはなりません。

これは朝倉哲也の食事であることを。。

彼は11人前を食べるのです。

 

すき間時間で食べるなら、おでんは熱々のはずさ!

市販のおでん1人前には、タネが7〜8個入っていることは、前回の「番外編」で確認しました。(もっかいリンク張っときますね)

blog.dbmschool.net

 

朝倉は11人前あまり(正確には11.111…人前)を食しているので、彼が平らげたおでん種の数は80〜90個程度だとします。

 

食事に要した時間については描かれていないので、その辺はやや曖昧ですが、物語を読むと、食事の前後で彼は色々と行動しています。

 

休日にわざわざ横須賀まで出かけたのは、何かハードボイルド系の理由があるからです。

「おでんを食べに来た」と思っているのは、せいぜい私ぐらいでしょう。

 

それも、自分一人で済ませられる用事ではないようです。

 

その地区で営業する会社や、横須賀に居を構える相手の都合に合わせなければならない。

 

ということは、時間の自由はあまり利かなさそう・・。

 

いうなれば「合間にかっこんだ」とも言うべき食事であったことがうかがえます。

さあ大変だ!

 


第96話 まさか悟空!? クリリンの大作戦

 

<オッス!次回もみてくれよな!>

Next Mission「おでん鍋問題」をクリアせよ!!

乞うご期待!