【感情会計】善意と悪意のバランスシート

善と悪の差し引き感情=幸福度

(6)頭脳と活動時間の相関関係

続いて、知能指数とエネルギーについて考えてみましょう。

ウルトラマンの知能指数は1万だそうです。

 

 

よくわからない「知能指数設定」

一体知能指数とは何なのか?

定義がよくわからない単語です。

 

私も幼稚園の頃に受けたことがありますが、問題文を読んで答えを出すテストのようなものだった記憶があります。

 

どうやらその結果から一定の正解率を計るもののようなので、視覚情報重視の受験問題みたいなものでしょうか(どうも漠然としています)。

 

もしも知能指数というものが、概ね以下のとおりであるならば、ウルトラマンのそれが高いのは必然といえるでしょう。

 

とりあえずなんとなく定義してみよう

まず「初見の状態において」が前提とします。そのなかで、

  1. 示された情報の中から、必要な要素と不要な要素を見極める
  2. 必要な要素だけを抽出し、判断材料として認識する
  3. 示されていない、隠れた重要情報を見出す
  4. それらを総合して予測または計算を行う
  5. 最終判断を行い、次の行動を決定する

ウルトラマンの場合、たとえばベムラーみたいに「護送中に逃げられた」という状況ならば、以前から知ってるヤツが相手です。


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改めてベムラーと戦うことになっても、大きさ・形状・硬度・速度・技などの情報は、すでにある程度は認識しています。

 

このため、技を出す際の予備動作やクセなど、元々得ている知識を軸に、体さばき中心で戦ってもさほどの遜色はないでしょう。

 

実際にこの闘いはほぼ肉弾戦でカタがついており、湖に投げ飛ばされたベムラーは完全に闘争心を失っている。

水中で球体になって逃げ出そうとしたところにとどめを刺されています。

 

元々この二人は球体になって移動中だったわけで、つまり「戦うことにメリットはない」と理解させてやれば、元どおりの護送ミッションに戻れたことがうかがえます。

 

この説得プロセスに必要なエネルギーを、地球支店の上部組織たる【株式会社M78】の本社がケチるので、やれ「3分間しか戦えない」とか「光線技や飛行速度の過剰スペック」など、やりくりに極端な偏りが出るのですが、それらの苦しいエネルギー配分に「異常に高い知能指数」もまた、大いに関係しそうです。

 

「初見の孔明さん」に対応する能力

たまたまベムラーとは旧知の仲なので、このバトル時に高度な頭脳判断は不要でしたが、これが初見の相手だったらどうか?

 

ここで、先程述べた ”私なりの知能指数の定義” を当てはめると、ウルトラマンに求められる知能指数の高さが浮き彫りになってきます。

 

失礼しました。タイプミスで「ウキゴリ」と入れたら召喚されてしまいました。

小学生の時にペットショップで買ったことがあります。ハゼっぽくて好きでした。

ネーミングのインパクトも抜群で「クチボソ」と双璧をなしており、どっちもお気に入りでした。タナゴも大好きだったけど。

 

話がそれました。

ウルトラマンが未知の相手と出くわし、そいつとの闘いが避けられない場合、見た目や音、匂いや体温など、必要な情報とそうでない情報、そして隠された情報を総合し、どうすればよいかを一瞬で決定して、しかも即座に行動しなければなりません。

 

その時には頭脳の働きがモノを言います。

 

背後関係まで見破る想像力も必須

さらに言えば、眼前の怪獣はオトリにすぎず、背後で操っている宇宙人が居るかもしれないので、そのことも考え合わせなければならない。

 

ガッツ星人が操ったアロン、ゼラン星人が操ったプルーマなどが好例です。


セブン暗殺計画(前編)

 


悪魔と天使の間に…

 

ということは、周囲の機器や生物を通じてデータが取られていないか探索する必要もありますし、怪獣の動きの「操作されてる感」から見破る場合もあるでしょう。

 

これを見事に見破るとかっこいい。

 

HUNTER×HUNTERの22巻で、幻影旅団のシャルナークが自分と同じ操作系能力者のペルとボキを倒した戦いは見ごたえがありましたね。

 

危地に陥りながらも終始冷静な、いかにもシャルらしさ満点なワンシーンで、これぞ知力型の面目躍如といったところです。


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あれと同じように、ウルトラマンは激しい戦闘の中、頭脳もフル回転させなければなりません。

 

ライアーゲームの三段論法的セリフを平然と読み飛ばしている私では、とうていラチがあかないのです。

 

自身が行動しながらその問題解決をしなければならない状況において、しかも「肉弾戦をしながら」というのは、頭だけを使っているよりもはるかにハードなはず。

 

シカマルを見習え

人間の姿の時も優秀そうだったハヤタやダンは、変身前に情報を集めておきやすかった気がします。

 

ダンなどはさらにカプセル怪獣を使って、逆に相手を小手調べしておくことすらありました。

「セブンに変身できないときに呼び出す」というのがカプセル怪獣登場の建前ですが、相手の予備知識を得る目的も当然あるでしょう。

 

ダンは情報収集にも余念がなかったはずです。

 

第一話でクール星人相手にウィンダムを出し、その後変身した戦いでは等身大だったこともあって円盤内の探索時間もタップリ確保でき、星人相手にもノーダメージで完勝しています。

 

しかし第三話のエレキング戦となると、事前にミクラスが喰らった電気攻撃を自らも受けてしまうなど締まらない戦いをしており、クール星人戦がフロックだった疑いが晴れないことから、人間体のときの情報収集力はさほどでもないといえるでしょう。

 

もしも変身前の知能指数も1万だというなら、人間体のままで得られた情報により決定した戦闘プランを、変身の後で機械的に進行させていくだけでよく、いわゆる「〜するだけの簡単なお仕事です」になってくるでしょう。

 

そうなればエネルギーを消費する「知能指数が1万」の設定は要りません。

 

絵に書いたような「勝ってから戦う」という理想的な戦闘を、少ないエネルギーで完遂できる。

 

だから本社はケチな緊縮ばかり考えず、リソースの展開方法を変更すれば良いのですが、きっとそういうことは出世の評価基準にないのでやらんのでしょう。

 

『透視能力』とか会議の場で聞こえの良い単体スキルを小出しに補助するのではなく、広範な ”頭脳の開放” こそ最も実効ある手段なのですが、それをやると他にも『テレパシー』とか『念力』など各種スキルを担当する本社の幹部たちが自分の権利を主張してやまないので最良の効率化には目をつぶり、とにかくツケは末端の現場職員に負わせる弊習がはびこることになります。

 

結局のところ、ウルトラマンが持つ異常に高い能力は「変身アイテムから付与されたエネルギーの配分」という、本社のエネルギー付与権者の利権のタネになるので連中は手放さない。

だから人間体のときには無い能力とします。

 

(ちなみに「エネルギーは変身道具から」という設定は『決定版ウルトラ兄弟』で読んだ記憶があります。「それじゃあ道具を使わずに変身する新マンはどうなのか?」ということになりますが、それはなんて書いてあったかなぁ・・)

 

比較的クレバーな先人(マン、セブン)の二人に比べ、新マンに変身する郷秀樹は調子に乗りやすく感情的、北斗星司は大ざっぱな豪快肌(と前々回推測)のエースに変身する男、そしてレオに変身するおおとりゲンに至っては、頭脳的とはとても言い難いタイプです。

 

ということは、ウルトラのバトルには絶対的に必要な「高い知能」は、どんな状況においてもエネルギーと引き換えに装備しなければならない。

 

変身後の「頭脳のハイスペック化」については、光線出力を省力化する案とは異なり、地球でのウルトラ活動においては避けがたい条件な気がします。本社のせいでね。