前回「ゲームのキャラクター設定」の話が出たので、ウルトラマンのキャラクター系統について少し考えてみましょう。
ウルトラマンはゲームキャラのタイプに例えると何型または何系か?
前回作ったレーダーチャートでは、「身長」という体格数値のほか「知能」「飛行速度」「光線出力」といった特殊能力で項目を構成しましたが、それだけでは各項目が「攻撃系」にも「防御系」にも有効です。
ただし、一般的印象からいえば「攻撃重視型」か「防御重視型」かといえば、攻撃が目立つのでやはり攻撃重視型なのでしょう。
能力は高いがスタミナがほぼほぼゼロな戦士の扱い方
パーティーにウルトラマン的なメンバーのいるRPGは見たことがありませんが、もしいたとしたら意外に使えないヤツではないでしょうか。
レーダーチャートのもう一つの項目「活動時間」がどうしてもネックになるのです。
株式会社M78地球支店の二代目支店長であるセブンは、肩のプロテクターで太陽光を受けて回復するシーンがありますが、初代支店長のウルトラマンには「補給」に相当する要素が見られない。
それでも「24時間」とかバブル期のサラリーマンみたいな設定ならば、短期決戦が得意なウルトラマンにはデメリットが無いでしょう。だいたいゲーム内の戦闘は短期決戦が常識です。
しかし、異様に短い持ち時間しか与えられていない彼の条件だと、戦いが始まるやいなやメガンテロックみたいにすぐに死んでしまい、戦闘終了時の経験値が得られず、成長度も極めて低い。
補助系で時間経過を遅くする能力(毒ダメージの遅延効果的な)のキャラクターでも居れば、その助力を得て強力なアタッカーになるとは思いますが、補助技発動までに要する時間も考えなければなりません。
アクティブモードで戦ったとすれば、ひょっとするとバトル終了までに1発しか打てない可能性もあります。
(飛び上がったままで戦闘終了時に居なかったFF4のカインみたいなことも・・)
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極度のコストダウンを強いられる本社からの経営資源提供
活動時間が短いことが魅力のウルトラマンではありますが、やはり実際の戦闘にあたっては無理がある。
既存設定値を元にバランスの良いレーダーチャートを作ってはみたものの、私の印象からすると、実態上、チャートは下記の赤実線の様相を呈すると思われます。
1点豪華主義ならぬ、『1点貧弱主義』です。 戦闘時間を犠牲にすることで、他の能力低下を防止してはいるものの、その状態での戦いは戦士に過度の負担をかけてしまう。
健全性無視の労働環境で、二代目支店長セブンが被った過酷な事実
「(3)サイズと活動時間の相関関係」でも書きましたが、ウルトラセブンの最終エピソードでは、ダメージの蓄積でモロボシダンはずっと苦しい思いをします。
熱が90度もあるほどの異常事態なのに、仲間にばれてはいけないので平静を装って激しい勤務に就く。
朦朧とする意識の中でミスを犯し、宇宙ステーションV3の隊長クラタに皆の面前で罵声を浴びせられたりと、精神的なダメージもはかり知れません。
そのうえ、戦闘では散々な苦労を強いられる。
敵のバンドンが強かったというよりも、体調不良により光線出力ゼロでの戦いを強いられた影響が大きい。
アイスラッガーという切断アイテムがなければゲームオーバーだったことは想像に難くありません。
身体を壊したという理由で地球を去ったウルトラ兄弟はセブンだけだと思います。
働き方の改革が叫ばれる現代で、この設定の物語は作れないでしょう。
身体を壊すほど無茶をするよりも、持続可能な範囲の働き方を模索し、実践していくべきです。
前回記事でいうところの、パラメータ用数値上限30の中で上手くやりくりし、異常に短い戦闘時間をもう少し改善すべきだと思います。