【感情会計】善意と悪意のバランスシート

善と悪の差し引き感情=幸福度

(9)『本社の失敗戦略』によりシーボーズ案件で下手をうったウルトラマン

ランチェスター経営の竹田陽一先生は『戦略上に重大な欠陥を抱えている場合、それを戦術でカバーすることはできない』と言います。

 

現場で怒られたり責められたりする最下層の戦術担当者からすれば、言いたいことは山ほど有るところではあります。

 

しかしがなぜか、関係者全員が戦略担当者を糾弾しない不文律の中で、私たち勤め人は日々の生活を営んでいます。

 


ランチェスター弱者必勝の戦略 (サンマーク文庫)

 

今回はこの切り口から、株式会社M78が初進出した地球支店の労働現場の状況を考えてみましょう。

 

 

第一線の労働者は『戦略上のミス』を犯さない

『戦略上の欠陥』

それは戦略を担当する上層部の能力と責任の範囲にあるので、本来は現場の問題とは切り分けて考えるべきことです。

 

たしかに、戦略を展開した結果のフィードバックは現場から出てきますが、問題が起きた原因のすべてが現場だけに存在するケースはまれでしょう。

 

すべてを現場のせいにして、その問題解決を現場にさせることは、フェアじゃない。

 

仕事の「ツケ回し」がブラック職場を作り出す

問題が起きた現場の良くなかった点をフォーカスし「より一層引き締めて、彼らが同じミスを犯さないよう管理体制を強化する」など、戦術の未熟さが元凶であったかのごとく振る舞う幹部の姿は、実にたやすく想像できます。

 

実際に見たことがなくても想像が容易なのはなぜでしょう?

ちなみに私は何度も実見したことがあります。

しょっぱい戦略のツケが、なぜか自分の「業務」になる経験も何度もしています。

 

自分で支払うべき問題のツケを組織の末端に背負わせる姿がブラックに見えてしまうという因果関係の否定は難しい。

 

一作業員は『仕組上のミス』を犯さない

ここまでは「戦略」の話ですが、同じように、戦略を戦術に展開するときの『仕組』に欠陥を抱えていても、やはり会社はいつブラック化してもおかしくない。

 

ウルトラマンの戦いについても、それが言えると思います。

 

どんな相手かをよく確かめもせずに能力のパラメーターを決めてしまったツケが回って、過重労働を繰り返していたら体がもちません。

 

現に二代目支店長のセブンは体を壊したことが原因で、現場を去る羽目になりました。

体調を崩したセブンの過酷な労働状況については⇩⇩簡単ですがこちらでふれています。

blog.dbmschool.net

 

「仕組」が無策ゆえの長時間労働は、関係者にも多大な迷惑をかける

怪獣を倒し切れずに長い間暴れさせることになれば、地球人の被害は計り知れない。

 

例えばシーボーズのように、怪獣墓場に帰りたいだけの怪獣とは、基本的に戦う必要がない。

 

だから、高い光線出力を持つ本社指定の能力値パラメータを、ばか正直に守りながら登場しても意味がありません。


怪獣墓場

 

株式会社M78が、ウルトラマンに与える経営資源の総量をケチるなら、せめて「光線出力」をセーブさせて「飛行能力」と「身体の大きさ」へ能力値を振り替える権限を与えたうえで現場へ出す仕組を整備しておけば、1度の変身でカタが付いた可能性が高い。

 

結局、初期対応に失敗したウルトラマンのツケは科学特捜隊が負うことになります。

科特隊はシーボーズの始末をつけるために、ロケットを2基も用意する羽目になる。

最初のロケットは倒されてしまったからです。

 

科特隊の維持費やロケット代は、国費で賄われていると考えるのが自然です。

 

つまるところ「地球の平和を守る」という目標を謳い上げているはずの株式会社M78は、「自社の社員が地球で消費するエネルギー供給」という基本設計でミスを犯したために、とてつもない増税を地球に引き起こす結果を招いたともいえます。

 

おまけに、その責は自分たちではなく、現場に出している一支店長にあるように振る舞っているのはとんでもない間違いです。

 

守ってもらう立場のヤツが何を言う

もちろん「守ってもらってるのに文句を言うな」という考えもあります。

 

本来は地球人が自分たちで対処すべき問題だから、ウルトラマンに責任があるわけではないというわけです。

 

むしろ最初からウルトラマンに・・ひいては株式会社M78に責任はない、『自己責任だ』と。

 

ですが、「守ると言って守れていない現実」の尺度で考えたら「能力不足」という一面も拭えません。

 

実際問題、ハヤタは内心後悔したことでしょう。

 

初戦では試行錯誤したせいもあり、わりと長い時間シーボーズとワチャワチャもみ合っていたウルトラマン。


ベストネタシリーズ アンガールズ

 

いつジャンガジャンガで締めるのかと、笑うタイミングを計っていた地球人も多かったことでしょう。

 

それくらいのモタつきがあった。

 

黒塗りの社内文書が存在した疑惑

ひょっとすると、このときは本社には内緒で「活動時間のパラメータ」を多めにとってしまっていたのかもしれません。

 

つまり、自身の判断で「3分」という時間制限を変更してしまった。

 

もちろん、立ち上げ早々の支店ですから、イレギュラー案件の報告はこまめに、そしてすべて正直にしていたことが想像されます。

 

ウルトラマンの報告を受け取った幹部が、本社指定の設定を変更してしまった事実を隠蔽するために、ウルトラマンからの真摯な報告を自分で握ってしまった可能性のほうが高い。

 

たぶん、本社に開示請求すると、その部分は黒塗りされて出てくることでしょう。

 

ウルトラマンは、本社にこんな起案文書を提出したのではないだろうか?

 

「本件の遂行においては怪獣をロケットで追放するという業務の特殊性に鑑み、相応の活動時間を要するものと思料される。このため、能力値のいずれかを削減し代替するものとしたい。シーボーズに凶悪性は見受けられず、隠れたる策謀の兆し等はうかがえないことから、本件については特に【知能指数】の能力値を下げ、代わりに活動時間の延長を求めるものである」

 

この現場からの提案に許可を出した上席の決済跡が必ず確認できるはずですが、それが公開されることはない。なんとも腹立たしいかぎりです。

 

「知能指数1万」は聖域化せざるを得ない

つまり、シーボーズ戦で下げた能力値は「知能指数」ではないかと思う。ということはこのときのウルトラマンの知能指数は公表値の1万ではなかった疑いが強い。

 

もしも本来の能力を維持できていたら、彼ほどの人材ならもっと早く事柄の本質を見抜いて、最短で最良のオペレーションを展開していたことでしょう。

 

なんといってもあのスカイドンを地球外へ投棄したほどですから・・


空の贈り物

 

このことから、同様の失敗を起こさないために、ウルトラマンの知能指数1万設定は必須のものとしたほうが良いかもしれません。

 

そうなると、他の3要素のどれかをやりくりして、最も損失を防ぎつつ目的を達成することになっていくでしょう。

 

それもこれも、元はといえば本社戦略の失敗なのですが・・

(※この話はすべて想像の産物です☜わかっとるわ!)