不本意ながら、京子の事情により小さなテーブルでの夕食を強いられた朝倉哲也。
Eコマースの事情により、面積は<幅1200×奥行600>で、これでは一般的な4人掛けテーブルを下回ってしまいます。
テーブル事情については前回の記事⇩⇩⇩をご覧ください。
絶対的な面積不足により、朝倉哲也の喰いっぷりもいまひとつな印象です。
ということで、今回はこの点を紐解いていきましょう。
「大藪作品で『鶏モモ4〜5本』はあり得ないだろ」と思った方へ
この晩の朝倉は「若鶏の股を四、五本」食した旨の描写があります。
朝倉は水割りにしたスコッチで喉を湿しながら、若鶏の股を四、五本胃に収めた。
さすがは大藪文学。
端的でシャープ、それでいてその光景や臨場感までを我々の脳裏に展開させ、一分のスキもないハードボイルドな男の存在を想起させる一文です。
でもこれでは朝倉哲也の喰いっぷりを愛する我々にとって、どうしても物足りなさを禁じ得ない。
鶏を喰らうパワーを感じないのです。
その理由の一つとして、彼が「鳥の丸焼き三羽」を食した11月22日夜の出来事が、あまりにも印象深いからではないでしょうか。
さらにいえばあの日は、そのわずか4時間前にホルモン焼き5人前を平らげています。⇩⇩⇩11月22日の食事シーンを検証した記事
こういったことを加味して考えたときに、ある一つの仮説が頭に浮かんでくるのは私だけじゃないはず。
その仮説とは・・
ハードボイルドに執筆していたことがうかがえる名シーンであった
大藪先生はこのシーンを「若鶏の股を四、五本」という文章で表現しましたが、実はこのくだりを書いている最中、大藪先生の万年筆の先から勢い余って飛んだインクが、誤って原稿用紙の「四」と「五」の中間に落下したのではないか?というのが、私の仮説です。
このときに朝倉が食した本当の分量は四五本・・つまり『45本』!
実はそうではないかと思うのです。(※個人の感想です😂)
受け取った原稿に目を通した編集者も
「ちょっとおかしいな。大藪先生が鶏モモを四、五本なんて(少なすぎる)・・」
と感じたとは思いますが、例によって数時間後には大量のボロニアを胃に送り込む描写があるので、トータルで判断してここは見逃してしまったのかもしれません。
じつに残念です。(※個人の感想です😂)
かくして、新たなミッションが発生していた
卓に積まれた45本のローストチキンとは、どんな見栄えなのか。
⇩⇩Excelの3D画像には丸焼きの絵しか無いので代用しました。
数も全然足りませんが、ガチで23個並べるとローストチキンに見えなくなってしまうので見栄えに配慮しました。
長方形のテーブルに乗せ切るには、上方から見たフォルムが、上図のように楕円に近い形になるようにしないと、わずかな振動で横からずり落ちてしまうでしょう。
しかし、こうやってテーブルをギリギリまで使い切る置き方をしたら、その他の食物・・たとえば京子が食べたボロニアソーセージを置くスペースが確保できないかもしれません。
京子が朝倉哲也の象徴『ボロニアソーセージ』に手を付けた疑惑についてはこちらの記事⇩⇩⇩で検証しています。
もしかすると、彼女は終始手持ちで食べていたのかも・・。
ただし、実は朝倉哲也が「山崩し」「イライラ棒」といった地味な小技の達人であることは、以前の記事で検証済みです。⇩⇩⇩
京子のボロニアスペースを確保するために、長方形のテーブルに、あえて真円に近い置き方で鶏モモ45本を積み上げ、かつそれを崩さないように超スピードで喰らい切った可能性も否定はできない。
いかがでしょう、この仮説は?
1冊で何度でも楽しめる朝倉哲也の活躍。
ぜひ一度読んでみてください・・というか、この記事を読んでいる方は、『蘇る金狼』の既読者だと思いますが・・