前回、「次回に続く」と終わったので早速その次回を展開しようと思っていたのですが、前の記事にナイスなコメントを頂いたのでご紹介しましょう。
珍しく他のブロガーさんのことを書いてみます
思い返せば悪魔の尻尾さんとの関わりは、この方のブログ記事の中で、ドカベンについてふれた部分に共感した私がコメントで絡んでいったのが最初だったと記憶しています。
現在、私が好き放題にドラマやマンガ、小説のことをマニアックに書いているのは、このときの「それを知る人がとことんハマる記事に特化するのも楽しいな」と感じた経験から来ています。
以前の私はまだ、万人ウケを気にしてマイルドな記事が多かったと思うのですが、そこからだんだん変化していきました。
いつもありがとうございます。
上記記事に書いていただいたコメント曰く、ヒーローになりたいのは、当初は純粋に格好いいからで、他者からの称賛を求めるのはある程度大人になってから。
その時の「格好いい」は必ずしも本当に格好いいとは言えないものなのではないかと、人生の時間経過に伴うヒーロー像の変化に言及してくださいました。
あるていど人の目を気にするようになるからこそ、称賛や承認を求めるようになり、そのあたりからヒーローの定義が変わってくるのかもしれません。
もっと大人になり、幼い子どもと一緒に特撮を見るようになると、同じヒーロー物の番組を見ているのに、互いにヒーローのリアル感が異なり、それでいて双方が楽しめてしまうという面白さは興味深い。
いっぽう番組の作り手は、実はそんな奥の深い作品を作り、その質を高めつつ、スポンサー収入やグッズ販売、イベントなどで経済的なインパクトをも作ってしまうのですから、やはり「特撮なんて子供だましだ」なんていう見方は出来ませんね。
平成ライダーに「陰徳」を組み合わせたきっかけ
ちなみに【陰徳ヒーロー】について書こうと思ったきっかけは、古い記憶ですが週刊少年ジャンプの連載漫画で、たしか『ピューと吹く!ジャガー』だったと思いますが、その中で出てきたワンフレーズです。
連載時のジャンプ本誌で読んだだけなので手元には無いのですが、たしかこんなシーンだったと思います。
モブキャラ(高校生)が自校の校門近くの茂みに姿を隠し、登校してくる学友たちを見ている。
いつもどおりの風景を見守りつつ、彼は、何気ない日常の素晴らしさを賛美する。
それもこれも、今が平和なおかげであり、自分はこの平和を愛し、これがずっと続けば良いと願っている。
だから彼は、今のこの平和を守りたい。
と、ここまでは良いのですが、ヒーロー願望を持つ彼は、自分がこの平和に貢献することが出来ないフラストレーションを抱えている。
平和が守られることを願う
↓
平和に貢献したい
↓
守っている実感を味わいたい
↓
実感を味わうための出来事が必要だ
↓
残念ながらそれは、平和だからこそ起きない
という具合に、このモブキャラの頭の中では、いつしか身勝手な自己実現の欲求がムクムクと湧き上がり、ついには最大のホンネが出る
「だから・・だから早く乱れろよ平和」
ここから完全なギャグ展開になっていくのですが、ヒーローに憧れる大人の不純さを皮肉っていて、ここを読んだときに声を出して笑ったことを覚えています。
私自身、純粋に ”なりきり遊び” をしてもおかしくない年齢の頃は特撮ヒーローにはまったく興味を持たなかった。
級友たちに数年遅れてウルトラマンにドハマりした、時代遅れの思春期デビューゆえに、特撮ヒーローに目覚めると同時に他人の目を気にする意識を持っていた。
承認欲求とヒーロー像がワンセットといって差し支えない形になり、小学生時代からすでに【陰徳ヒーロー】の在り方からは外れていました。
それゆえ、この『ピューと吹く!ジャガー』のモブキャラの心境がよくわかり、ことさらにおかしかったのだと思います。
陰徳ヒーローについてはそんな皮肉をベースに書いていきますので、よろしければもう少しお付き合いください。