要件定義にノイズが入る例として、経営陣からの "圧" があります。
むろん、現場にとってはありがたくないタイプの圧力です。
システムとは直接的に関係ないかもしれませんが、たとえば業績を良く見せたい経営者が、経理担当者に圧をかけて決算作業を複雑化させるようなイメージに近いでしょうか。
「現場を気遣え」という社交辞令と要件定義の現実
上からの圧力のせいで業務が複雑になるといっても、例えばそれが会計決算の話だけであれば、経理部はともかくその他の現場への影響は少ない、またはほぼ無いと言えます。
しかし同じことを基幹システムを介してやられたら、影響は全社的なものになるでしょう。

特に顧客をはじめ、外部関係者との接点を担う現場はたまったものではない。
「当社の事情」なんて関係ない方々に「うちのルール」などは言い訳になりません。
部外者に押し付けられない自社ルールをゴリ押しすると要らぬ反発を生じ、良好だった関係に影を落とすこともあり得ます。
社内の不文律が接客を妨害する典型例と言ってよいでしょう。
これについてどう思うか?と、社内ルールを振り回す人に正面から質問したら
「そのとおりだ。接客業務に差し障るような内部ルールの改定は良くない。当然システムもその原則どおり、前線のメンバーを補助する機能にすべきだ」
と、誰もが正論を吐くでしょう。
経営陣も当然そう云うでしょうが、その文脈が違う(たぶん)

「社内ルールが要件定義に追加されたために、顧客接点の実務と乖離してしまうようでは困る」
には強く同意してくれるが、その前に存在する ”隠れたワンセンテンス”
「業績をよく見せたい経営陣の意向で」
は隠されたままです。
(いちおう ”圧” を ”意向” と言い換えてみた)
イデオロギーと現実(実務)のダブスタに苦しむ現場の声
経営陣などの上席役職者にとって「システムを整えよ」は実行部隊に丸投げできるアイテムのひとつ。
自身の手を砕くものではなく、出来栄えを評価する立場にある。
しかしそこに ”自分たちの意向” なんてリアル接点があらわになると、彼らも当事者になってしまう。
彼らに必要なのはあくまでも ”成果” であって、システム改編ごときのことなら元々自分は一切手を染めない次元の話なので、当然「ノーリスク・ハイリターン」が鉄則だ・・

というこのきな臭い流れ(思惑)を阻止することも、実は「システム改編」の大事な一要素だったりします。
<雑談は続く>








