【感情会計】善意と悪意のバランスシート

財務諸表から逆算で人心を読むテクニック

スポンサードリンク

この脇役に魅力あり!! デスノートを彩る『L』

DEATH NOTE(デスノート週刊少年ジャンプ連載2003年12月-2006年5月)についてふれてみます。

 

カットハウスで順番待ちをしているときに、何となく読み始めました。

 

「ノートに名前を書かれた人間が死ぬ」という設定くらいしか知らなかったのですが、実際に読み始めると、明晰な登場人物たちによる頭脳戦が、互いに寄せては返す死や破滅の恐怖と絡み合いながら進行するストーリーに引き込まれ、結局レンタルしてまで全巻読み通しました。

 

私の感想は「とにかくLありき」です。 主人公の月(ライト)より、敵役のLの存在感が凄い。

Lの後輩のニアやメロでは、到底Lに及びません。

 

実際、ニアは「自分はLのような行動力が無く、メロは行動ばかりが走りすぎていてそれぞれ力不足。自分たち二人の強みをひとりで兼ね備えていたLにはかなわない」といった意味の自嘲を吐露しています。


DEATH NOTE モノクロ版 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

ニアは、キラと戦うための能力について、自分たちとLを比較していますが、私が言うLと二人の実力差はそれとは少し違っていて「作品を盛り上げるエンターテイメント性において、二人はLに全く及ばない」というものです。

 

作戦遂行だけに特化して、日本警察のキラ捜査本部とは渇いた関係に終始したニア・メロの二人とは違い、Lは捜査本部メンバーたちと深く接触したので前提が異なっていますが、それにしてもLには二人にはおそらく無かったであろう人間味があります。

 

髪の毛の先まで理論理屈で出来上がっているようなLでしたが、彼が稀に見せるライトの父への気づかいの言葉には、彼にとっては計算外ともいえる温かみを感じ、深い人間性さえ仄見える気がします。

 

また、ミサやライトとのコミカルなやり取りなども、基本的に気味の悪い彼に対する感情移入を促すものです。

 

さらに、ヨツバグループの役員たちに捕まってしまった松田が苦し紛れにかけた電話に出たLの指揮ぶりは、震えがくるほど堂にいっており「この男が指揮をとるかぎり、松田はきっと助かる」と捜査本部の全員が文句なく信じられるほど見事なリーダーシップの形が描かれていました。

私が特に好きなシーンのひとつです。

 

実際、その窮地を自然な形で次なる作戦の準備にすげ替えてしまう手並みは、「本来人間の頭の良さというのは、このように使うため与えられたギフトなのだ」と思えてしまった。

 

長い連載を支えるエンターテイメント性の持ち主として、彼の働きは実に素晴らしかった。 映画化された後、Lを主人公にしたスピンオフ作品が作られたのも、私が感じたようなLの魅力に入れ込んでしまった人が多いからでしょう。