【感情会計】善意と悪意のバランスシート

財務諸表から逆算で人心を読むテクニック

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好評で延長されるドラマ

斉藤由貴さんが主演し、結果的に大ヒットしてシリーズ化が実現したスケバン刑事(1985年作品)」は、あくまでも“結果的に大ヒット”だったようで、2作目となったスケバン刑事Ⅱ少女鉄仮面伝説(1985年作品)」がスタートしたときも、前作と同じく放映期間は6か月で企画されていたようです。

 

ヒットぶりが盤石となったことで1年間の作品に組み替えられたらしく、雑誌の記事か何かで目にしたことがありますが、最後の敵・信楽老の登場が当初予定から大幅に後ろにずれたという裏事情があったようです。

 

おそらく、2作目の企画段階から「ひょっとしたら現シリーズの人気が加速して、次の作品は“1年モノ”で行けるかもしれない」という期待があり、様子を見て6か月/1年のどちらにも対応できるよう準備されていたのではないかと思います。

 

とはいえ、脚本家としては嬉しいような苦しいような心境だったのではないでしょうか。

 

1年あるからといって風呂敷を広げすぎると「やっぱり6か月で終了します」と言われてしまったとき、徐々に盛り上げていく展開がすべて台無しになります。

 

早急に信楽老との対決に持ち込む必要があるため、展開中のエピソードに張ってある伏線を無視して、無理矢理に切り上げなければなりません。

 

また、それらのエピソードの途中に『謎の老人』の声やシルエットを差し込んで、最終決戦に向けた視聴者への煽りを入れつつ……みたいな演出もできず、悪くすれば『最後の強敵』が『ザコ敵』になりかねません。

 

視聴者が自発的に『強敵』のイメージを持つような演出をするのがプロの仕事でしょうから、「強敵であることをセリフで説明し、視聴者に理解してもらう」なんていうのは、きっとプライドが許さない。

 

2作目の主演をした南野陽子さんが、撮影の途中で脚本家に「今後の展開はどうなるんですか?」と質問したら激しく叱責され泣いてしまったと話していましたが、脚本家にすれば、そのナーバスな問題を興味本位や雑談的に軽く訊かれることは、傷口をつつかれるような痛みを伴うものだったのかもしれません。

 

ドラマを見ている視聴者とは違った意味で、毎回ハラハラしながら行方を見守っていたのでしょう。

 

大ヒットした2作目に続いてスタートした3作目のときには、その種の苦悩は無くなっていたためでしょうが、担当する脚本家の数が増えていたように記憶しています。

 

2作目を書いたメインの二人を中心とした数人によって書かれており、しかも初期には1話ごとに違う人が書いていた頃があったと思います。

 

これは、番組スタートは慎重に進め、その結果キャラクターがある程度定着し、本筋の制約をあまり受けないで進められる比較的初期の時期に、若手に経験を積ませようとしたのではないかと私は解釈しており、つまりそれが可能なだけの余裕ができたのではないかと思っています。

 

そうだ。

「若手に経験させるための脚本」で思いだした!

そういえば「ライアーゲーム」のドラマ版で……と、また長くなりそうなのでこのへんで終了します。