【感情会計】善意と悪意のバランスシート

財務諸表から逆算で人心を読むテクニック

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水戸黄門史上、最も空気の読めなかった男とは?(3)

玄竜は、老公たちとの幾度もの戦いの結果、遊撃的役割を果たす弥七のことも研究しています。

 

たとえ一行をまとめて捕らえたとしても、その中に弥七がいないかぎり、必ず駆けつけてきて計画を覆してしまう。

何よりもまず彼の存在を確認し、同行していないならば確実に足止めして近寄らせないことこそ、水戸老公抹殺の最大のポイントである、と。

 

偵察の結果、罠のある場所に向かった一行の中に、弥七の姿はない。

玄竜は、一行の始末を部下に任せて弥七の元へ向かいます。

 

そして、黄門様一行に危機が迫ったとき、弥七は遠く離れた林の中で、玄竜と一騎打ちの真剣勝負をすることになります。

 

互いに忍者として持てる秘術を尽くし、戦いは全くの互角。

 

飛び違い、駆け違い、火花を散らして激しくやり合いながら、玄竜は徐々に林を抜けていきます。

そして、最後に大きく跳躍した先は、すぐ横を流れる大きな川。

 

予想外の行動に驚き、戦いの構えを解いた弥七が川辺に走り出てみると、水に飛び込んだはずの玄竜は船に乗っています。

 

あらかじめ用意していた船が、部下の手によって既に漕き出しており、川岸に立つ弥七からは、もはや届かぬ位置まで移動しています。

 

立ち尽くす弥七に、高笑いと悪罵を浴びせる玄竜。

すべて、最初からの筋書きどおりです。

 

戦いながら刻限を計り、駆けつける時間を奪ったところで逃げに転じたわけです。

 

今からではもう間に合うまい。いくらお前でもな。

 

作戦は、見事なまでに決まりました。

 

悔しそうに玄竜をにらみ、唇をかみしめる弥七。

しかし彼はすぐに頭を切り替えて、老公の下へと全力で急行します。

 

しかしそんな弥七の必死の努力もむなしく、駆け出してすぐ、彼方の前方に爆煙が噴き上がるのが見えます。

 

そして耳をつんざく轟音・・。

全速力で駆けていた足も、力なく止まってしまいます。

 

呆然と彼方を見やり、立ち尽くす弥七・・

 

ここでこの回は終わるのです。

 

もはやこれを、我々が慣れ親しんだ「水戸黄門」と呼んでいいものか?

玄竜よ、お前は空気読まなすぎだ・・

 

とはいってもこれはまだ第5部。

まだまだ「定番の展開」なんて言えなかった頃でしょうから、まあ仕方ないか・・

 

しかしこれは、かれこれ30年以上前に一度見ただけの放映。

 

にもかかわらず、いまだに鮮やかに記憶に残るほど、とにかく秀逸なシリーズでした。本当に素晴らしい! 制作者の方々、ありがとうございました。