もうかなり昔のドラマになりますね。
ふと思いだしたので書いてみます。
原作小説も読みましたが、やはりこの設定のドラマは面白かった。
しかし、感情移入が複雑で、ずっと変な感じで観ました。
ガッキーはもちろん可愛いくてずっと見ちゃいそうになるのですが
(これ、中身は舘さんだよな)
そう思うと少し引いてしまい、妙な距離感で見守ることになります。
逆に
(この中身はガッキーなんだよな)
そうは思っても外見が舘さんなのでやはり引いてしまっていました。
この生殺し感の中で際立ってくるのが、ストーリーです。
娘が憧れているサッカー部の先輩に素っ気なく(あるいは辛く)あたるパパ。
10代女子向けに開発された化粧品の販売企画現場で、同世代の感覚を活かした予想外の活躍をする娘。
娘の友人たちの青春模様の中へ割って入り、頼もしく思われたりするパパ。
女性部下からの熱烈なアプローチやママのやきもちなど、女ながらに女の世界を垣間見て戸惑う娘。
ベタな恋愛ものとは違い、生活現場のリアリティーが質量を保ったまま展開するため、キャラクターよりもストーリーへの感情移入がしやすい。
タイプは違うけれど、井上由美子さんの脚本みたいで私は好きです。
ストーリーが安定的にしっかり立っていると、脇を固める役者さんが前面に出てきて、多様さや多彩さを増す気がします。
このドラマでも、パパの部下のプロジェクトメンバーたちは、様々な過去を持ち、掃き溜めに回されたような問題児がほとんどで、周囲から蔑まれる屈辱を味わい続けます。
頼りないリーダーが、中身が女子高校生に変わったときからすべての歯車が変わり、バラバラでやる気のなかったメンバーに固い結束を呼び込み、澱んだ沼のような雰囲気を過去のものにしていく過程を、かなり丁寧に描いていると思います。
また、自宅にまで乗り込んでくる女性部下への対処、高校生の試験問題に手も足も出ずに追い込まれた追試、高校最後の試合に臨む憧れの先輩との関係など、父娘の前にはとにかく問題が山積みで、それらが群がって襲ってくる7日間です。
また観たくなってきました。
ちなみに、この番組で初めて「桃を皮ごとかじる」という食べ方を知りました。
当初は違和感だらけでしたが、今の私は当たり前のように皮ごと食べています。
明らかにこの番組の影響を受けているあたり、私の感情移入がいかに他愛ないかを物語っている気がします。