FM東京のスカイロケットカンパニー2019年6月の「社員の歌」で使われた、ラッキーキリマンジャロの「風になる」が気になっています。
今ごろになって何を言っているのか? 今はもう10月だ!
私はそういう、“遅れてくるタイプ”です。
周りが夢中になって騒いでいるときには関心がなく、ブームが下火になって皆の熱がいい加減冷めた頃になって、変な角度からアプローチすることがよくあります。
この「風になる」は、軽快で切れの良い楽曲で、音を聞くだけで弾むような気持になるのはもちろんですが、歌詞が良い。
しかも、最初の3行だけで、曲の世界観全てを表現しきっているような見せ方が素晴らしい。
余計な荷物は置いとけ
どうせいらなくなるよ
君は風になる
人気コンサルタントの神田昌典さん曰く「現代のマーケティングで重要なのは、背後の物語を象徴する短いフレーズやネーミング」とのことです。
『物語を象徴する短いフレーズ』として、「風になる」の歌詞の最初の3行は、作り手の気持ちが凝縮した名文のような気がしてならない。
「余計な荷物は置いとけ」であり「置いておかないか?」という問いかけではなく、はっきりした命令です。
少々乱暴な物言いですが、これで一気にグッと引き込まれます。
何だ? 何を言う気だ? と。
「どうせいらなくなるよ」は、これから自分が先導する世界の予測ができていて、その世界では必ずこうなるという確信を持っている。
多少突き放した感もあり、ちょっと優しくもある。
どっちなんだろう? どう受け止めたらよいか?
「君は風になる」は、強気の先導だが突き放しているわけではなく、この先の行程での「君」のことをしっかり見越してくれている。
何よりも、『何かを変えてくれそう』な予感をさせる。
実は、後の歌詞はほとんど知らないけれど、この曲を楽しむにはそれだけでも十分ではないかと思います。
他の楽曲に関する知識もありませんが、作詞した人は歌詞創作だけでなくマーケティングセンスもあるかもしれません。
私は音楽に詳しくないので、どんなジャンルでどんな楽器を使い、どんな加工をしているのかといったことには全く知識がありませんが、この「風になる」は耳に心地よく癖になります。
Lucky Kilimanjaro「風になる」Official Music Video
そうだ。それからスカロケのリスナーも増えて欲しいので番組サイトのURLも貼っておきます。