【感情会計】善意と悪意のバランスシート

財務諸表から逆算で人心を読むテクニック

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下町ロケットの忍成修吾さんの演技がまた見たい(完)

人気作品の「下町ロケット」ですが、難しい話をお茶の間で気軽にみられるドラマに仕立て上げなくてはならないという制約がある。

 

あちらこちらのワンシーンで、視聴者が理解できない展開が続くと「わかりづらい」「難しくて見てられない」などと叩かれ、実際に視聴者が離れてしまうかもしれない。

 

それを防止するためにはとにかく「わかり易さ」が肝心。

 

たとえ充分に感情移入ができなくとも、全編「?」「?」「?」という印象を残すよりも、話の筋を理解させるためのわかり易さを提供する必要がある(と私なら考える)。

 

演出に苦心した製作者の気持ちがとても伝わってきます(と、私は勝手に思っています)。

 

本来なら、時間の経過で徐々に飲み込めてくる心情を、あえてセリフで表現したり(土屋太鳳さんの「私のこと、見てて」とか)、視聴者共通の仮想敵にする「嫌味な奴」が、「暴力的な情緒不安定(戸次重幸さんの「お前ら」呼ばわりとか)」になっているなど、わかり易くはあるけれど、見ごたえとしては三上版のほうが私は好きです。

 

経理状況の検査で帝国重工をやり込めるシーンで、阿部さんがそれを廊下からのぞき込んで秘かにガッツポーズしているシーンなども溜飲は下がりますが、三上版の佃社長はそれほど露骨にしてやったりなリアクションは無く、経理検査の場に登場し、穏やかにやり込めます(つまり、阿部版の殿村さんのセリフは、佃社長がしゃべる……トノさん涙目)。

 

社長は公憤するが、敵と対する姿において、あまり俗なスタイルを見せない抑制ぶりに、佃社長の凄みを感じさせられた三上版(劇中に何度も激昂はしてましたが、『実直な技術者が社長業をやっている』という背景が強くアピールしてくる)が、私は好きです。

 

とはいえ、その後の活躍を次々と見せてくれる阿部版も、原作を知らない私の目の前に新世界を開いてくれる存在で、結局どちらも面白いわけですけれど……。

 

でもとにかく、今の私は三上版の忍成さんのあのシーンが見たいです。