【感情会計】善意と悪意のバランスシート

財務諸表から逆算で人心を読むテクニック

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(14)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

御厨の作戦は、史実を知っているかどうかとは無関係に現実的で使える内容です。

 

彼はその現実的な作戦を述べるための“演出”として、未来(現代人の彼にとっては『歴史』)を知っていることを利用します。

 

謙信の川中島進出を的確に言い当てたことは、信玄をはじめ武田家の宿将たちには既知のことでもあり、御厨の予言になお疑いを持つ者がいたとはいえ、実績を背景にしていることからそれなりの信ぴょう性はあります。

 

少なくとも、提案として議題に乗せざるを得ないほどの、発言の重みはある。

軍師のポジションが活きるわけですね。

 

御厨は、言葉に出しては勘助を否定しませんが、敵の奇策に、当方も奇策で応酬すると言わんばかりの「啄木鳥戦法」などというギャンブルをせずともよいという空気を、軍議の場に醸し出そうと試みます。

 

この時点で山本勘助はまだ「啄木鳥戦法」を発案していませんが、もし彼がそれを言い出せば信玄が採用してしまう可能性が極めて高い。

 

御厨の狙いは、そうはならないように、という一点に絞られています。

 

もし不幸にしてそれが実施されたなら、すでに彼が友誼を取り結んでいる優秀な武将・武田信繁が戦死してしまうからです。

 

これほど逼迫した状況下での「歴史を語る行為」があるでしょうか。

歴史好きオジサン、聞いてますか?

あなたの大好きな歴史語り、こんな状況で役に立てられますか?

 

自信は?

 

無いなら黙ってて!