【感情会計】善意と悪意のバランスシート

財務諸表から逆算で人心を読むテクニック

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(31)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

反信長同盟に御厨太郎が一枚加わると、確実性が増す。

 

前回最後で書いたように、同盟に参画する各勢力にとって、自軍以外の勢力の内情や国許の状況といった各種の情報は、ある程度知ることはできても万遍なくということは難しい。

 

しかも、敵方である織田家のこと、徳川家のことは、当然交流が無いだけに情報が取りづらい。

 

それから、一応反信長同盟の盟主である将軍は、さかんに力を貸せといってよこすが、そもそも十分な武力を擁していない勢力であり、そういう意味では腰が据わっていないだけに、その真意は計りづらく軍事的な信用はおぼつかない。

 

むろん、戦いの当事者だけでなく、そのシンパや中立勢力の情報も重要です。

 

たとえばこの三方が原の戦いの頃、信玄の宿敵・上杉謙信はといえば、雪国を拠点とするため冬季の軍事行動は封じられていますが、歴史上のこの年の謙信の動きを知れば、雪解けにより上杉家が動き出す大よその見込みが立てられるでしょう。

 

この時期の謙信は一向一揆と激しく戦っており、後世に残る記録も多い。

タイムスリップ前にそれを調べておくことは、御厨にとっては容易なことです。

 

信長はこのとき謙信へ同盟を申し入れているので、上杉軍の行動予測は大変重要です。

 

また、武田家が秘していた信玄死去の情報を、早々に入手した大名もいました。

もちろんそうでない大名もおり、情報力に差が生じています。

 

機敏な大名をけん制する算段や、ちょっと鈍い大名を誘って勢力を拡大する方策などは、京都までの行軍中にやっておきたい。

 

豊富な持ち札を準備するために、浜松城奪取作戦は、是非とも信玄に了承してもらう必要があったのです。