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(35)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

浜松城は簡単に取れたんだよ」

歴史オジサンが口で言うのは簡単なことです。

「俺ならあそこで信玄に浜松城を攻めるように助言してやるんだがなぁ。そうすりゃ一発だよ」

 

言うだけなら極めて簡単なことです。

 

しかし、その程度の甘っちょろさで助言しても説得力に欠け、提案は信用されず、採用もされないでしょう。

そうなると次のセリフは決まっています。

 

「言ってやったんだけどなぁ……。やらないんだよ。ダメな奴だよ、信玄は」

 

部下や関係部署に対しても、そんな仕事ぶりなのだろうなと思わざるを得ないほど浅い。

 

一方的な歴史話の開陳(説教)が、若者たちに受け入れられない理由は、相手が関心を持っている事柄や直面しているリスクへの想像力不足なことに加え、それを補うための調査を怠っているのが見え見えなこと。

 

要は相手への理解や関心が低く(というか無く)、結局は自分がしゃべりたいだけだということが、ばれているからでしょう。

 

それでは軍師は務まりません。

知恵者が簡単に考えを読まれていては、沽券にかかわる。 狙いを見透かされないことは第一の配慮ですが、仮に考えを読まれたなら、相手をはるかに上回る思考速度を見せつけ「とても敵わない」と思わせる力を持たねばなりません。

 

あえて考えを読ませて同一のスタートラインに立ち、圧倒的な速さと深さを見せつけるテクニックも存在します。

 

幽遊白書で、鞍馬が黄泉のナンバー2だった鯱を倒したときのくだりに代表される「切り札は先に見せるな。見せるならさらに奥の手を持て」は、決まったときに文句なく軍師ポジションを盤石なものにします。


逆撃 三方ケ原合戦 (C★NOVELS)

ブログタイトルは『武田家3部作』とまとめていますが、現在の話はこの作品に基づいて書いています。