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フレドリック・ブラウン「宇宙の一匹狼」の味

人類が火星や金星に居住するようになっている時代。

 

何者かの奸計によって罪を着せられ逮捕された主人公クラッグの裁判は、オリバー判事によって行われ、オリバーのもうひとつの顔である政治家としての野心のために、クラッグは精神改良機にかかった『まっさらな善人』の偽装を持ち掛けられた。

 

元々札付きの犯罪者であるクラッグは、この申し出を受けることで、自らの悪事の代償として身にまとっていたあらゆる危険な過去を清算し、悪徳渦巻く社会に、善人の仮面をかぶった悪党として、新たな一歩を踏み出すことになる……。

 

実のところこの作品中、食事らしい食事のシーンというのは、無いと言っても過言ではありません。

 

ただし、特徴的な飲食として、劇中でクラッグが2回行う『痛飲』があります。

 

一切の食物を断って、一種類の酒を数昼夜にわたって飲み続ける。

クラッグが好んだ「ウォジー酒」なるものの正体は、今もってわからずじまいです。

 

1回目はオリバーの家で、2回目は火星で一番豪華なラックサーホテルのスイートルームで、野放図なまでに一人きりの酒宴をはる姿は、酒を飲まない私にとっては全くの異世界です。

 

ラックサーで彼が泊まった部屋にはバーが備え付けられているので、とにかく酒は飲み放題。

無くなったらフロントへの電話一本で、箱で部屋まで届けてくれます。

 

ゼイタクさんは、止めどきは自分で決めないと、有料サービスが延々と続いてしまう。

まさに贅沢な悩みです。

 

クラッグは2度の痛飲後、たっぷりした食事をとるという描写がありますが、具体的なメニューについては書かれていません。

 

わずかに、1度目はオリバー家の台所で自炊し、2度目はホテル近くの飲食店へ赴いたとの記述があるだけなので、その想像を膨らませるしかないのですが、この時に何を食べたのだろうかと考えると、なぜかワクワクしてきます。

 


宇宙の一匹狼 (創元SF文庫)

 

しかしこの記事を読んでも、この小説がどんな話なのかはさっぱり分かりませんね。