感情会計-善意と悪意のバランスシート

財務諸表から逆算で人心を読むテクニック

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(39)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

総大将の死を前提とした策など、家臣にはやりづらいことです。

だから総大将自身がそれを口にしなければならない。

 

より一層、トップの孤独感が身に染みる瞬間でしょう。

それを全身に受けつつ、それでも口にしなければならない。

 

必ず「そのような不吉なことを仰せにならないで下さりませ」などという合いの手が入る。

それを抑えるのが面倒だが、逆に全員が押し黙ったままだと、それはそれで複雑な気持ちになる。

 

こういうとき、うまく場を仕切れる部下というのは、普通はまず居ないでしょう。

 

しかし、未来を知っている部外者である御厨は、武田家の家臣たちに比べて自由度が高い。

この状況での信玄の負担を減らすことが、比較的やりやすい立場です。

 

とはいえ、総大将の死を暗示した発言などは、やり方がマズければ不謹慎極まりないものとして忌避され、主君を仰ぎ見る家臣たちからどんなふうに見られるかわからない。

 

皆、喉まで手かかっているのだが、自分の口から言い出せないもどかしさがあり、フラストレーションが溜まっている状態ですから、噴出するきっかけを得たとき、それがどんな形をとるか?

 

多くは各人の感情とストレートにつながるのではないかと思います。

それも、『やり場のない感情』であることが考えられる。