感情会計-善意と悪意のバランスシート

財務諸表から逆算で人心を読むテクニック

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(48)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

武田四天王といわれる名将4人をはじめ、歴史的に見ても武田信玄が従えた人材の層の厚さは定評があります。

 

そんな中、主人公・御厨太郎はあっさりと彼らの信頼と尊敬を勝ち取ってしまう。

徹底した現場主義で戦時・平時を問わず前線に姿をさらし、軍師といっても智謀だけでなく勇気をも兼ね備えている。

 

その証拠に、立てた作戦を現場で指揮するうえ、戦闘にも参加し、しかも強い。

それでいて強さを鼻にかけた嫌味も無く、およそ人を見下すことなどない。

なんと爽やかな男でしょう。

 

同じタイプの優秀な武将たちが親近感をおぼえて親しくなるのも当然と言えます。


逆撃 三方ケ原合戦 (C★NOVELS)

 

とはいえ、爽やかさだけでは済まないのが戦いの世界です。

 

「戦いは、きれいごとだけで出来るような甘いものじゃない」

切り捨てるべきは捨て、容れられない命乞いは無情に見捨てる。

 

目の前のひとりの命に惑わされて、全軍が崩壊しては元も子もない。

冷静に、あるいは冷酷に対処するのが戦場のならいである。

 

山縣昌景や馬場信房、あるいは内藤昌豊といったそうそうたるメンバーも、皆そうした戦場を駆ける強者です。

シビアな一面も、当然持ち合わせています。

 

しかし、戦場の冷酷さと平時の陰険さとは全くの別物です。

 

正攻法で叩いても死なない輩が組織にはいるもので、御厨がどれほど武田軍の強者の人気を集めても……いや、集めれば集めるほど、こうした輩の息の根を止める難易度が高くなります。