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(49)〜柘植久慶【逆撃】シリーズから『武田家3部作』

私がかつて関わった企業で、社長に代わって采配をとるはずの役員(当時30代後半の方)が、恐るべき存在だったことがある。

 

奮わない業績を親会社の役員会で責められると泣きべそをかくという技(なのか天然なのか)を使う。

その技ひとつでも相当なものだが、彼のバリエーションはすごかった。

 

提携企業との初回交渉はなぜか自分一人で臨み、とんでもない条件を受け入れておいて、2度目のときに「話を聞いてるだけでいいから」と言い含めて部下を連れ出し、会議の席上で「あとはこの○○が窓口になって担当しますから」というのは常套手段。

 

仕事が増えるほど損失の増える伏線を張り、その一方で要路にある有力役員に取り入って機嫌を取りつつ、「部下の働きが悪いから困る」とサブリミナルすることで、泣きべそ効果を高める(狙いだったのだろうか?)。

 

その他、資料の捏造技はもはやあいさつ代わり。

 

また、自宅で生まれた数匹の子犬を、誰に送り込むかの人選もしっかりと行い、役員宅へお届けに参上する約束の日は会社の存亡にかかわる重要な会議予定も断り、出席者全員に詰められても頑なに欠席を譲らなかった(「どうしても会議に出席できない」と主張するときも涙ぐんでいた)。


毛利元就 知将の戦略・戦術―――忍従の果て、ついに元就は決起した! (知的生きかた文庫)

そんな姿に幻惑され(というか「手のつけようがない」と呆れ)た役員から愚痴られたこともあります。

子犬を届けるために緊急重要会議を欠席したウラ事情は、その役員から聞かされました(めっちゃ投げやりに言ってたなぁ)。