財務省(当時の大蔵省)が夜行性なので、各省の対応部署も夜中がピークの稼働となり、彼らの命令を受ける各局の会計担当は、日中がピークの他部署への対応もあるため24時間勤務になることを書きました。
(↓↓↓ 財務省でも下っ端は庶民派。消費税大好きな財務高級官僚は夜中にノーパンしゃぶしゃぶで夜行性発揮する(ふざけるな!)的なこと書いてます)
当時の私らにとっての憲法25条の感触
さて、終電ギリギリに帰ろうとしたら内線電話で呼び出され、午前0時過ぎに会計課予算係の担当I氏のもとへ赴いた私の話に戻る。
大蔵の作業通達という拷問みたいな作業依頼を、紙束で渡された私。
もはや終電に乗ることは諦めて「拷問⇒エクササイズ」と脳内変換する。
この切替こそ、こういうポジションを無難に乗り切るための処世術だからだ。
今はどうか知らないが、局の会計担当に就いた若手が、2年を待たずして異動するということは、そこである種の結論が出た感があった。
コイツの今後、決まったな、というような。
偉くなれないノンキャリアの世界でも、熾烈な競争が底流にある。
「晩年みじめにならないようにする競争」とでも言うべきものが。
それでもさすがに昨今の風潮で、無茶な勤務状況は改善されたのだろうか?
だからといって3交代制勤務用の増員なんて、まずありえない。公務員だし。
少なくとも正規職員の雇用増なんて、国民が納得しない。
いや、「国民の納得」こそ、最近の風潮では最も軽視してよい事柄であることは、政局に関する報道や国会中継を見ていれば明白だ
ならば、公務員を100万人や200万人増やす程度のことは、「いいね!」を押すのより易しい。
総務省は各省の増員要求に対し「必要性は認めますが、許可はできません」とか判で押したようなこと言わず、bot大臣をトップに据えて国会答弁はソイツに任せるものとし、各省すべての要求を通しちゃってください、ハイハイ。
ある閉ざされた夜の合庁で~until dawn 惨劇の始発前
I氏:「これよろしく」
私:「これって消費税がらみ? またえらい時間かかりそう」
I氏:「明日の午前中までね」
そうか。明日か。
それなら時間に余裕がある。
日付が変わったから言い方が変わるが、今日は会計検査の日で、朝からその対応のため会場に詰めなければならない。
だが「明日の午前中まで」なら、今日検査院が帰った後の時間をあてて、何とか終わらすことができそうだ。
だから今日は帰りたいなぁ…といっても、私の分際でタクシー券などそうそう使えるものではない。
せめて早めに就寝したい(といっても職場でだが)。
ちなみに局長室のカーペットは、執務室の安物とは寝心地がまるで違う。
執務室の床に横たわるのは、マジで倒れるときだけと決めている。
もちろん床で寝るようなことをしなくても、応接セットのソファもある。
当然、皆そこで寝たがるので競争率が高い(財務省ほど階級差別的要素はないが)。
しかし、ソファで寝ると柔らかすぎて変な体勢になるし、狭くて寝返りも打てないので体が痛くなる。
その点、大の字で寝られる床での直寝は、この状況下で身体を守る大事なサバイバル術だ。
この人たちはきっと、太陽の位置で時刻を判断してるに違いない
そんなことを考えていた私は、I氏の習性を忘れていた。
夜間がピークの彼にとっては、外が暗いか明るいかが時間の概念だったのだ。
I氏はここでチラリと時計を見る。
I氏:「あー違った。今日だ」
私:「!」
I氏:「今日の午前中ね」
私:「今日、会計検査なんだけど」
I氏:「だから午前中ね」
私:「・・・」
朝までにやれ、と言わないのは、こちらの事情を汲んでということらしい。
低階層公務員同士の忖度というのは、互いの実務を勘案する形で行われる。
名誉だのレガシーだのピンハネだのといった薄汚さなどは存在しない。
しかし、私が執務室へ戻って最初にすることは『徹夜作業』だということは決定した・・
Mくん。君は正しかった(いたずらか嫌がらせみたいだったけど)。
(↓↓↓ Mがした行為はこちらに書いてます)
この情報を明日の朝に聞かされ、通達を渡されていたら、かなりヤバかったのは確かだ。
まとめ
局の会計担当が1年のうち、健康で文化的な最低限度の生活を(ワンチャン)営む権利を有するのは「5月」と「11月」と言われる。
予算関係で財務省と密に接することが少ないのが、この両月だからだ。
しかしこの期間は、溜まりに溜まった「日中がピークの人への対応案件」のプレッシャーが強まる月という側面もあり、あくまでもワンチャンスにすぎない。
(ちなみに憲法25条【生存権】の条文に「ワンチャン」の文言は無く(←当たり前だ!)、これは、霞が関に命を預け、人知れず人生の裏道を歩かねばならぬ宿命を、自らに求めた隠密同心のような人間にのみ読み取ることができる、『行間の隠し文字』であることは言うまでもない)