国家公務員の12月賞与が”若干”下がったことがニュース記事になっているようです。
この話題は不景気になるとクローズアップされます。
好景気に、民間給与の上昇から置いて行かれることはニュースになりませんが、不景気に一定水準を保つことで国民の指弾を受けやすいのが公務員の特徴です。
私自身の経験から言えば、だからといって公務員給与を下げ過ぎてしまうと救いようのないブラックになるので、なんでもかんでも民間並みにすることには賛成はできません。
一方、その働き方を民間並みにすることにも賛成できません。
「ここは私が食い止める、君は先へ行け」by国民 to公僕
こんにちは。感情会計エモアカの四緑文鳥です。
プロフィールに書いてあるとおり、私は元国家公務員です。
過去記事で書きましたが、勤務実態はこんな調子でした。
ちょっとユーモラスな感じで書いていますが、こんなのがエンドレスに続くと考えたら、なかなかヘビーかもしれません。
ただ、私はこの状況をごく普通に受け入れていて、「人権無視だ!」みたいな印象を持ったことはありません(上記記事内では人権のことをギャグチックに書いてますが)。
難事や非常事態に強い「安全欲求が満たされた身分」の公僕
「簡単に言うけど、消費税の減税は大変なんだ!」
「GOTOに代わる経済対策なんて、簡単に作れるはずないだろう!」
「セーフティネットは全国規模に組んでいる。見直すのにどれだけの労力が要ると思ってるんだ!」
イヤ、だからあなた方がそれをするんだけど・・
コロナ禍は、疾病死と同時に経済死によって多数の国民の命が奪われる非常事態です。
自分自身が罹患しなくても、誰かの疾病死または経済死によって、自身も収入を失う経済死感染に見舞われる危険がある。
たとえばオフィスで誰かが感染したため自宅待機となり、給与が6割支給になるとか、特に非正規労働者ではゼロになることがある。
身に危険が迫っているのです。
生産性を発揮できない人が増えたら経済を回す力が弱くなる
アブラハム・マズローの欲求五段階説でいう「安全欲求」は、欲求の種類としては物質段階で低層のものです。
これを感じる人が少なければ少ないほど、平和な国であり、豊かな国だといえます。
安全欲求を感じながらクリエイティブな発想をしたり、高い付加価値を生んだりすることは困難・・というか、それができる人はほとんどいないでしょう。
「それどころじゃないから」です。
『新しい生活様式』とか、なに寝ぼけてんだ? と思う人も多いでしょう。
経済的感染は、旅行や飲食以外の業種も当たり前に受ける
クラスターが発生した場合、痛手を受けるのは飲食店や宿泊施設だけではない。
休日で旅行を楽しむということは、利用者はむしろ他の業種に勤めている可能性が高い。
クラスターに巻き込まれた人は、それぞれ自分の勤め先での出勤制限の対象になってしまうでしょう。
ということは、何らのテコ入れも受けていない宿泊・飲食以外の業種を経営している人からすれば、不公平感は二重になるのでは? と思います。
こんな経済刺激策、こんな生活救済策は、いい加減誰かが手を入れて抜本的に直してほしい。
しかし、安全欲求が高まるほど危険な状況に陥っている人は、とにかく目の前の現実に対処しなければ命脈が保てない。
有事の英雄の姿とは?
じゃ、誰がその国家規模の大がかりなリセットをするの?
もちろん、倒産や廃業の心配が無く、解雇や雇止めの恐怖に脅えることの無い人たちです。
安全が保障されている生活基盤の上に立ち、己の事業に邁進できる立場の人たちこそ、この難局でのヒーローになれるはずです。
未曽有の国難の中、国会を休みにした代償として、身を削り知恵を振り絞って得ているはずのポテンシャルを全開にすべき時です。
覚えた漫画のセリフを披露するときではない。
会議で、空気を読まずに流行りのジョークを言って「してやったり」という顔をしているバカ上司を見たときみたいに、ただただ求心力を失う行為にしか思えない・・
子供の「ヒーローのマネ」は概ねTPOをわきまえているが、オヤジの「ヒーローの引用」にはよほどのセンスが要るってことには、偉くなるほど無神経になるってことですかねぇ・・