言わずと知れた大人気の高校バスケット漫画「スラムダンク」の話です。
湘北高校初のインターハイ出場を間近に控え、メンバーは静岡県代表校へ1週間の合同合宿練習に向かいます。
安西監督は「初心者の桜木君ならわずか1週間でも大きく成長する可能性がある。中途半端なチーム練習より徹底的な個人練習を積むほうがチームにとっても大きなプラスになる」という考えにより、花道を合宿には参加させず、ひとり湘北高校の体育館でジャンプシュート2万本の特訓を行わせることにします。
花道は桜木軍団の4人(バスケ部員ではない)と一緒に1週間泊まり込みで、朝から晩まで安西監督と憧れの赤木晴子が見守る中、ひたすらシュート練習に打ち込むことになります。
本文タイトルの『試してほしい合宿メニュー』はシュート2万本のことではなく、劇中に1回だけ描かれている昼食のシーンのことです。
桜木軍団総勢5名は学校の食堂へやってくるのですが、全力でシュートに打ち込む花道は、とにかく腹ペコです。
長身の彼は少し身をかがめてカウンターから厨房をのぞき込むようにしながら、おばちゃんに以下の料理をオーダーします。
1.カツ丼大盛り
(花道はこれを「メシ」と表現しています。上に乗っているカツ煮は、彼にとってはふりかけ程度のインパクトなのでしょうか)
2.コロッケ(画あり。皿には3個乗っていて、他に生野菜が添えられていますが、コロッケ3個の面積は皿の半分にも満たず、コマが切れている部分にもっと何かが盛られていると思われます)
3.サンマ(画あり。1尾。他に大根おろし。まあ普通ですね)
4.ヤキソバ(画あり。あまりおいしそうに見えない。別のシーンで焼うどんを食べていますが、それもおいしそうではなかった。皿に乗っている麺類は描くのが難しいのでしょうか)
5.ホイコーロー(画なし。実はこれが一番見たかったのですが、残念)
6.ラーメン
(花道はこれを「ミソ汁のかわり」と表現しています)
7.牛乳
(別の話の扉絵で、牛乳を飲んでいる花道が描かれています。容器の片側を広げて飲むサイズの紙パックで、顔や手との比較からすると500ml以上であることは確かだと思います。この時おばちゃんに発注したのもきっとそうだったでしょう)
8.カツ丼おかわり
(なぜかカラの丼をカウンターに持って行っています。食堂だから注文すれば丼ごと出してくれると思うのですが、最初に「メシ」と表現していることから、我々がふだん家でやっている「ごはんお替り」と同じアクションをしてしまったのかもしれません)
さて、これらの皿が並んでいる状況ですが、いったいどのくらいのボリューム感でしょうか。
福しんや王将のカウンターでこれをやったら顰蹙ものですが、花道は食堂で食べているので当然テーブルを使っています。
とはいえ、彼の周囲にはこのとき腹ペコの桜木軍団4人がいます。
とくに太っちょの高宮は3人前くらい食べそうです。
花道と高宮の前には皿が集中して隣には誰も座れないでしょうから、5人で8人掛け以上のテーブルを占拠したことでしょう。
コップや付け合わせの小皿なども合わせると、8人掛けでも全面使い切ったのではないでしょうか。
まるで頼み過ぎたモヤさまの食事シーンみたいな様相を呈していたことは疑い有りませんが、後でスタッフが美味しくいただくようなことは、スラムダンクの世界では当然あり得ませんから、すべての料理は花道たちの腹に収まったのでしょう。
私は大食い選手権みたいなものは好きではありませんが、感謝したり楽しんだりしている食事のシーンは好きです。そのため、漫画や小説やドラマなどの中に、こうして心に残るシーンは実にたくさんありますので、いずれまた書くことになると思います。