「感情を定量化する」 ⇒「定量情報から感情を読み解く」
しばらく前にワードプレスで展開している私の本編サイトを大幅に転換し、現在のタイトルは「感情会計―善意と悪意の財務諸表論」となりました。
とはいってもサイトの理念は一貫していて、会社内における評価と給与について会社側と従業員側双方からの立ち回り方を考察するものです。
終身雇用だとか右肩上がりの処遇といった、景気の良い時代にはそれほど意識しなくても自然と解消できた「部下の感情」が、雇用情勢が一変してしまった現代では、どこかから的確に汲み取って適切に対処しないと離反や反抗を招き、職場崩壊が起きかねない状態になっています。
その“汲み取るべき感情”を捉えるカギになるのが、財務諸表の元になっている伝票データであり、その情報が詰まったデータベースであるという考え方は変わっておらず、焦点を「データベース」から「感情」に変更した形でリニューアルを試みています。
中小企業が好きだから
『感情会計』という言葉は『環境会計』をもじったものです。
環境会計というのはグローバル企業などが採用する、環境コストとその成果を公開するもので、いわば大企業ゆえの余力があってこそ可能なものです。
しかし私が応援する『中小企業』でそんなことをしている余裕はなく、ひとりの従業員の感情ひとつが事業運営に影響を与えかねない場合すらありますから、環境よりもまず感情を重視します。
部下の感情のハンドリングがマズい状態のまま放っておくことは得策ではありません。
職場において、ひとりの感情が伝播して全体を巻き込んでしまうことがあるので、その「ひとり」の扱い方には戦略性が求められます。
一方、従業員側でも当然、心地よい職場で快く務め続けていくためには、自身の経済事情と職場環境を総合的に考える戦略性が必要となります。
存在しない言葉で勝負する
私は『感情会計』という、これまで自分でも聞いたことがない言葉を使い始めました。
むろん実績もないため、試しにGoogle検索でこのサイトを探そうとしても、現時点では4ページ目にようやく表示される程度です。
検索文字と100%一致するタイトルのサイトなのですが、部分一致で引っかかった他のページのほうが上位になります。
ちなみに、私のサイトよりも検索上位のページをざっと見ていくと、概ね次の二つの情報が掲載されているようです。
・投資家の感情と投資判断
・経営者の感情と事業運営
どちらも企業の経済活動と密接な関わりがあるものですが、キャッシュフロークワドラント(ESBI)でいうところの従業員(employee)を対象に語りかけているページは見当たりません。
実体経済の在り様は、「従業員の感情」から
一般的に、投資家が判断の対象にするような事業を行う企業は、経営者だけでは成り立たない規模であると考えてよいでしょう。
そこには必ず従業員がいて、それらの人々が自身の人生の何十%かを注ぎ込んで日々の活動をすることにより、投資企業の業績が上下しているのが現実です。
企業は、定款や目論見書で事業を行えるわけではありません。
空拳を振っているかもしれませんが、あくまでも実体ありきの世界で活動していて、そこには働き手(従業員)がいます。
投資家からすれば、従業員は原価や販管費項目のひとつにすぎないかもしれませんが、だからこそ注目する企業が、費用をどのように管理しているかは重要です。
従業員をどう扱っているかによって変わるのは業績だけではありません。
信用や評判にも大きく影響します。
ことに、一個人が担当する領域が広まって、たとえば広報ページの文言を書いてアップする担当者などは、直に社会とつながっていて、故意や錯誤によって企業に重大なマイナスをもたらすリスクもあります。
これは従業員を厳しくしつけていれば絶対に起きないかといえばそうでもなく、会社への忠誠心があり、高い能力を備えた良心ある従業員でも、激務による体調不良で思わぬミスをすることがある。
あるいは職場のしがらみで精神的に疲労困憊し、目に入った情報を正しく認識できなかったり、忖度による配慮で余計なことをしてしまう可能性もある。
こういったことから、『感情会計』には、従業員を入れて考える必要があります。
というより、そこを最も大きなトピックとして取り扱う必要があるでしょう。
まとめ
企業の経済活動の裏には、いつでも従業員の感情が渦を巻いている。
その現実から目をそらすことは、たくさんの大事な事実に目をつぶることになります。
時の政府が潰したいほど大嫌いな中小企業ですが、私はその中小企業こそ、日本経済復興の柱になると信じています。
わけても中小企業の末端の前線・・・現場の人たちこそが、経済界に多様性をもたらし、山積する問題を解決し、輝く未来の創造者になるという前提で、サイトを充実させていきたいと思っています。
少しでもご興味を惹かれた方は、是非お立ち寄りください。