【感情会計】善意と悪意のバランスシート

財務諸表から逆算で人心を読むテクニック

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至言に魅力あり!! 土井英司さん②

前回は、エリエス・ブック・コンサルタント代表の土井英司さんが語る「ブランドは“強み”と“らしさ”を掛けたもの」という言葉を紹介し、強みだけで勝負するとマーケティングに無駄を生み、おまけにネタ切れを起こして苦しくなると書きました。

db469buncho.hatenablog.com

 

もう一つの要素「らしさ」について語る前に、わずかに残る疑問を解消するため、一旦話を前回に戻して蒸し返してみたいと思います。

 

“強み”だけで勝負したら、必ずネタ切れになるのか?

 

経営コンサルタントとして有名であり、その活躍は企業レベルを飛び越え、外国では国の顧問まで務めて「世界のオオマエ」の名を知らしめた元マッキンゼー大前研一さんは、衛星放送が民間に開放されたとき、早々とその権利を買いました。

 

1年1億円、10年契約なので10億円を支払い、ビジネスカリキュラムの提供を始めたのです。

その後BBT(ビジネスブレークスルー)事業を本格的に開始し、日本にいながらのMBA取得を可能にした功績は計り知れません。

www.bbt757.com

それだけでなく、MBAアメリカの資格だから、授業は英語で学ばなければならない」という常識も打ち破った「日本語での授業」を実現させ、制度そのものを大転換する活躍ぶりで、他の追随を許さない展開を繰り広げました。

 

ちなみに、大前さんと同時期に衛星放送の権利を10億円で買った会社がいくつもあったそうですが、通販やアダルト系の事業を除けばほとんどが撤退となったそうです。

 

大前さん曰く「コンテンツのネタ切れ」を起こしたのが原因だということです。

 

衛星放送権が解禁された当初、自前のチャンネルを持つことは、いわば不動産の一等地を得るのと同じだということで、目ざとい企業は、この一等地が持つ価値に注目し、10億円はすぐに回収できると踏んだようです。

 

しかし、放っておいても放送を流し続けてくれるテレビ局に自社広告を載せるのと、自身で有料放送を準備するのとは、同じ「テレビ利用」であっても、その難易度は格段に違う。当たり前ですよね。

 

有料テレビ放送に集客し、利用してもらうためには、それなりのコンテンツが継続して提供できなければならない。

よほど練り上げた計画が用意されていないかぎり、ネタ切れは当然と言えます。

 

ほとんどの事業者が10億円の初期投資を回収できなかったのは、自身が期待したほど“強み”が「強くなかった」か、“強み”の掘り下げが弱かったかだったのではないかと思います。

 

そんなシビアな環境下で、ネタ切れを起こすどころか、次々に顧客の一歩も二歩も先のところへインフラを整備してグイグイ引っ張っていくコンテンツを生産し続けるのは、さすがに知の巨人・世界のオオマエです。

 

しかも、参謀と言って差し支えない知的領域の担当であると思うのですが、前線にガンガン出て行く。

 

張良韓信を兼ねたような強さであり、それだと権力者に警戒され粛清を受けそうですが、恐らくは陳平のような権謀術数にも長けていると思われ、知勇兼備として長期にわたり第一人者の地位を保つ。

 

そうなると次には司馬仲達が思い浮かんでしまうのですが、さすがに現代日本で帝国の委譲みたいなことは行われる筈もなく、大前さんは知の巨人として歴史に名を残す存在になることは確実です。


「三国志」の覇者 司馬仲達 (PHP文庫)

 

つまり「徹底的に強みで勝負してもコンテンツ切れを起こさない人」とは、例を挙げれば大前研一さんであり、このレベルまで自分の強みを磨き上げれば、得意技だけをひっさげて世の中を渡っていける。

 

そんな人いるだろうか?

 

いや、居ることは居るだろうが、そういう人が広告収入や、著作やタレント活動といった手段を目指してせっせとSNSに乗せるネタ探しなどするだろうか?

 

強みで勝負する人は、ネタなど考える前に行動している。

 

「強みをネタにした勝負」だけをよりどころにすると、“強み”より“ネタ”のところで破たんするような気がします。