次に『居候』に分類される主人公です
昭和のライダーたちになぞらえたような、謎の経済生活・・
このカテゴリーに入るライダーとして【クウガ】【ディケイド】【ウィザード】を挙げたいと思います。
平成ライダーに詳しい方なら「いや、まだ他にもいるぞ」と指摘されるでしょうが、ここでは最初から最後まで居候の地位を貫いた「居候の中の居候」ということで上の3名を選別しました。
しかし、実は今回ピックアップしたいのはまさに「いや、まだ他にもいるぞ」の ”他” のひとりである【アギト】です。
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”はたらく居候” の【アギト】
事故で記憶喪失になり入院していた津上翔一は、身柄を引き取ってくれた美杉教授宅で生活しています。
「働くなり、学校へ通うなりしてはどうかね?」と、学費を負担しても良いという破格の条件まで提示し、翔一の進路決定を促す美杉教授の好意を受けつつ、彼は話をはぐらかせてしまう。
いわばニート状態なわけです。
相手が自分の親ならともかく、赤の他人の家でその状態を継続すると意思表示していることになる・・
コイツなかなかやるな、、、津上翔一
居候の「人徳」
居候とは、他人の家に住み、衣食の世話になっているという意味らしい。
基本的に家主のためのアクティブな働きはしないというのが居候たる所以で、それをせずとも済んでしまうのは素晴らしい人徳の持ち主ということでしょう。
考えてみると、これはすごい才能であると思う。
お互いに負担を感じず居候を認め合える関係って、実は昔から「スゲェ!」って思っていた。
津上翔一は「家事手伝い」?
しかし実はこの津上翔一。
本人が好きだからとはいえ甲斐甲斐しく美杉教授宅の家事一切をこなしてしまうという一面を持っています。
特に料理が得意なようで、美杉一家(教授と息子の太一、姪っ子の風谷真魚)に毎日美味しい食事を提供するだけにとどまらず、庭の家庭菜園でたくさんの作物を上手に育てることにも秀でている。
つまり居候宅に対して、日常的にかなり貢献していることがうかがえます。
これだと、厳密な意味での居候とは言い難い気がする。
開業した津上翔一、、、いったいどうやって?
さらに津上翔一は、最終回では『アギト』というレストランの店主になっています。
開業資金とかどうしたのだろうか?
「アギト」は住宅街の中に位置する、わりとリッチな印象のレストランです。
店内の天井の高さなどを考えても ”邸宅” と呼ぶにふさわしい。
これが居抜き物件だったとしても、物件の確保から調度品の取り揃えだけで、すでにかなりの費用がかかっていそうです。
繰り返しますが店名は「アギト」ですから、これを決めたのはもちろん翔一でしょう。
仮に美杉教授が開業資金を負担したスポンサーだとして・・
教授は翔一がアギトであることを知らないですから、彼が「翔一くん、店の名前はやっぱり『アギト』が良いと思うんだがどうかね?」と言うことはありえないといってよい。
ということは店名決定権も翔一に与えたのでしょうか?
お金を出し、運営も任せるなら、せめてお店の名前くらいは自分が決めたいのではないかと思うけど・・
「アギト」という名前は鬼門筋
だいたい「アギト」という名称は、警視庁内で「アギト捕獲作戦」というプロジェクトが動いたほどの物騒な名前。
無論、その名は世間に対しては伏せられていたでしょうが、警視庁関係者がその名を見れば、忌まわしき記憶が蘇ってもおかしくない。
妙な噂も立ちかねないし、避けたほうが無難な名前ではある。
いや、人の良い美杉教授なら「翔一くんにすべて任せるよ」と言いかねないですね。
「夫婦で営むレストラン」を匂わせる展開
最終回の「レストランアギト」の出てくるシーンは1分にも満たないわずかな描写しかないので、店に関する詳細はほぼわからないのですが、たしか他の客の姿はなく、翔一以外のスタッフが居るのかどうかも定かではない。
住宅街の一軒家レベルなので店内はさほど広くないことから、ホールはひとりで間に合うかもしれないけれど、厨房はどうなのだろう?
ここで思い浮かぶのが、翔一がわずかに働いた「Mar」というレストランで知り合ったシェフ見習い・岡村加奈の存在です。
彼女は終盤で翔一と同じくアギトの力を宿してしまい、時折アギトの姿に変わってしまう自分に絶望して死のうとし、翔一に助けられます。
おそらくは失敗続きだった「Mar」はクビになったか、そうはならなくてもアギトショックで店を去って・・
・・で、けっきょく翔一とともに過ごしているのではないか?
という密やかなハッピーを、私は想像しています。
そして、二人の門出を祝う意味で、美杉教授は特大の好意を示したのではないかと。
翔一くん好きの真魚ちゃんが、彼が他の女性と共に過ごすことをあっさり受け入れているのは、加奈がアギトの運命を持ってしまったためと考えれば理解できる。
自分がアギトにはなれないことが、葦原涼を救ったときに確定している真魚だからこそ、ここは踏ん切りもついたと解釈できます。
・・アレ? いつの間にか「居候」の話題からずれているぞ。。
とにかく【アギト】の津上翔一は、当初から美杉家のためにせっせと家事をこなし、終盤は一人暮らしを始め、最後はレストランの店長になってしまうという、純粋な「居候」とは言い難い人物です。
このため、居候メンバーから外したというのが今回のお話でありました。