前回までに『正業収入のあるライダー』『学生ライダー』『資産家ライダー』の面々を挙げてきました。
繰り返しますが私がこの一連のブログ記事の題材にしている平成ライダーは、初作【クウガ】から【ウィザード】までの14作品です。
このうち【龍騎】【響鬼】【カブト】【W】【フォーゼ】5作品の主人公たちはライダー活動とは別に、社会の中での一定の立ち位置…ありていに言えばアンケートの職業欄で定番の選択肢にチェックがつけられそうな主人公が配置されています。
唯一【カブト】の天道総司だけは微妙ですが、彼がキャッシュフロー・クワドラントでいうところの「投資家」で、はっきり言って経済的勝ち組のひとりであることは前回ふれたとおりですのでまあ良しとしましょう。
(天道総司についてふれた記事はこちらです⇩⇩)
ついでなので【カブト】に関する余談を・・
余談ですが、仮に天道総司がアンケートに回答するとして、その中にある職業欄をどう捉えるか?
選択肢の中の「働いていない」にチェックをつけることを、彼が受け入れるとは到底思えない。
”俺は世界中の誰よりも働いている。なんたって地球上のあらゆる生き物を守るのが俺の仕事だからな。
そう、人間からアメンボまでな”
と、アンケートを書きながらこの程度のことは言ってそうです。
天道総司への対面アンケートは、不用意に明石家さんまに話しかけるくらいヤバい
店頭でアンケートを取る店舗スタッフが、うっかり天道総司に声をかけてアンケート用紙とペンでも渡そうものなら、そのスタッフは大変な重労働を強いられそうな気がする。
おそらく天道は設問ごとにいちいち手を止めて店員に向かい、俺様コメントを喋り続けて閉店時間まで開放されることはないでしょう。
天道 総司 仮面ライダーカブト カードダス トレーディングカード 水嶋 ヒロ
安易に天道にアンケート記入を求めたスタッフの過ちは、新幹線で明石家さんまと隣り合った会社員男性が「うっかり」車の事を質問してしまった失敗に通じるものがあります。(たしか、くりぃむしちゅーの有田氏がさんちゃんの番組内で語ったエピソードだった記憶がある)
眠らな~い・・眠らせな~い(往年のJOCX-TV2風に)
ある日、一般のサラリーマンが新幹線に乗ると、なんと隣の座席にはあの明石家さんまが・・
ラッキー!と喜び、さんちゃん好きでもあった彼は、話しかけるきっかけとして、自身も大好きな車の話題を振ろうと思ったらしい。
(プライベートだからあまり話させても迷惑かな?)
と、そんな配慮も働いて、まずはさんちゃんが乗っている車のことを訊ねたわけだが、それは、安易に入れてはいけない明石家さんまのスイッチをONする行為だった・・
その男性は、上機嫌で喋り続けるさんちゃんに辟易することになります。
止まらない止まらない(別の車両から様子を見に来た有田氏が目にしたのは、この時の状況だったようです)
「(そんなに喋ってあなた)もうちょっと疲れたでしょうから(ホントは私がね)」
と話を切ろうとするも
「やぁやぁ全然大丈夫やで!ホイでなぁ!」
と秒殺で自分のターンに引き戻してトークを展開するさんちゃん
「私ちょっとこの後があるので寝ておこうと思うんでそろそろ・・」
「そうかぁ、そら大変やなぁ、そうそう ”大変” で思い出してんけどなぁ!・・・」
テレビで見るのと変わらないと言われる普段のさんちゃんを、身を以て体験することになった、じつは最初から仕事疲れの状態だった気の毒なサラリーマン・・
結局のところ彼は、眠るひまどころか一休みの瞬間さえ与えられず、最後はグッタリと憔悴して新幹線を降りていったそうです。
天道総司にアンケートを呼びかけることは、多分これに近いと思う。
劇中で、誰も聞いてないのに独り語りする天道と、完全に引いている周囲の面々が対象的に描かれるシーンは度々ありますが、これを真っ向から強引に制止できるのは妹の樹花ぐらいです。
天道総司にアンケート回答を求めてよいのは、樹花が同行しているときに限定したほうが良いでしょう。
過酷なギグワーカー『仮面ライダー』
さて、問題は残りの9作品でライダーを務めた主人公です。
ライダー業はその緊急性と重要性により、拘束力ナンバーワンといって差し支えないギグワークですが、残念ながらその過酷な労働に対する報酬が一切無いという悲惨な仕事です(唯一の正規雇用である【響鬼】以外は)
アルバイトの賃仕事の最中にライダー業の案件が発生した場合など、アルバイト先でよほどの理解がなければ、評価は下げられるわ給料は引かれるわで、およそロクなことはありません。
おまけに戦闘によるケガや所持品の破損で出費を強いられた日にはまさに泣きっ面に蜂。経済生活上でのメリットはまったくありません。
ゆるブラック時代の「副業の品格」: 複業パワフル父さん 上の空リストラ父さん ~夢中なやりがい稼業を掴む作法~
子供の頃には夢にまで見たであろう「仮面ライダーになる」が現実になったというのに、並み居る主人公の中でそのことを喜んでいるのは高校生である【フォーゼ】の如月弦太朗と、上に挙げた勝ち組の天道総司くらい。
あとの面々は社会人としての立ち回りの困難さを思うためか、皆一様に重く受け止めているようです。
<次回に続く>