朝、家を出る直前「何の本を持っていこうか?」と考えた私の目に、ブックカバーをまとった一冊が何事かを訴えかけてきた。
哈!
いや、これは男塾塾生の戦闘中の掛け声だ。
ハッ!
思わず手に取ったのは、このところすっかりご無沙汰だった『蘇る金狼・野望篇』ではないか!
しかも333ページにダブルフェイス、、、じゃなかった、栞がはさんである。
HUNTER×HUNTER VIBRATION STARS クロロ・ルシルフル
本を閉じているのにいつでも「孤独なグルメ『蘇る金狼』」の記事のことを考えられたのは、きっと私が団長からスキルハントした念能力によるものなのだろう。
このところ平成ライダーにうつつを抜かしていたが、やっぱりこっちも進めておこう。
ハードボイルドはオシャレさん
というわけで物語の第18日目。
昭和41年11月26日、午後4時過ぎの朝倉哲也の姿を追っていきましょう。
横須賀を根城にする三浦組。
その組長の娘である三浦雪子から強奪したハンドバッグを、朝倉哲也は ”便壺” という現代の死語の世界へ「叩き込んだ」
朝倉くんはここで大藪春彦的世界観を象徴する一文、、、
ハンド・バッグが無くなったので、朝倉の作業服から不様なふくらみが消えた。
これを、我々の脳裏にも叩き込んだわけです。
ハンド・バッグを隠す朝倉哲也
もうお忘れの方も多いと思いますが、このとき朝倉くんが着ていたのは作業服です。
作業服といえば、様々な動きをする際の体の動きを想定し、少しゆったり目に作られているのが普通です。
昨今のおしゃれ事情を加味すれば、機能性を残しつつ見た目の良さにもこだわったデザインや縫製がなされているかもしれませんが、なにせこの物語は昭和41年が舞台。
とにかく機能性に特化し、装飾的デザインはほぼ考慮外だったであろう作業服が、雪子のハンドバッグをその内側に隠した程度で『無様(ぶざま)』とまで評されるほどの膨らみを作り得たのか?
朝倉哲也がよほど小柄な体格なら、作業服の内側に何かを抱え込んだらトルネコみたいなスタイルになるかもしれない。
しかし朝倉は普段できるだけ目立たぬように猫背で歩いていてさえ、人の群れの中で「耳から上だけ突き出す」ほどの長身で、さらに分厚い胸板を持ち、体重は77キロということです。
作業服を着た状態なら、ハンドバッグのひとつやふたつくらいフトコロに抱えたところで、見た目のインパクトに与える影響など、たかが知れているはず。
にも拘らず「無様な膨らみ」というほど立ち姿の様子が違ってしまったということは、雪子が持っていたハンドバッグがよほどデカかったということでしょうか?
ずっと顔を知らずにいた「知っているアイドル」
話は変わりますが「余計な事までやりましょう」というFMのラジオ番組があります。
私は番組開始当時から聴いていますが、それから3年ほどはMCである丹生明里さん(にぶちゃん)の顔をよく知らないまま聴き続けていました。
ラジオ族にありがちな行動です。
ベルク presents 日向坂46の余計な事までやりましょう
この番組は3人のMCが代わる代わる担当しているのですが、私は丹生ちゃんの声と喋りが好きで、この子の回ばかりリピートしていた。
その中で段階を追って人となりを理解してきたのですが、「カバンがダサい」というのも丹生ちゃんを彩るキャラクターのひとつらしく、その「ダサい理由」が、どうやら”カバンがデカい” ことに起因しているようなのです。
しかし、いくら丹生ちゃんが他のメンバーから「カバンがデカい」と評されるとはいえ、そこは平成を経て令和に至る現在、バッグのデザインも洗練されてきているはず。
初期の携帯電話が現在の大きさにサイズダウンしたが如く、機能性を担保しつつ見た目は軽薄短小を実現していると思います。
ということは、いくら丹生ちゃんのカバンがデカいとはいえ、もしもそれを手にして昭和41年にタイムリープしたら、かなり小ぶりなおしゃれサイズの高級品と認識されることでしょう。
一方、同じ昭和41年で、ヤクザの組長の娘の雪子は一般家庭の同年代の娘よりも金回りは良く、携えるバッグもお高いものを選んだことでしょう。
つまり令和の現代に比較してもさほどの遜色はなく、せいぜい「ちょっとデカイ、、、ゆえにダサい」といった程度の仕上がりではないかと思う。
そう。つまり「丹生ちゃんのカバン」である!
朝倉はなんと、あのかわいい丹生ちゃんのダサいカバンを、藤川球児並みの火の玉ストレートで、こともあろうにお手洗いに投げ入れたのである(急に柔らかくなる表現🌞)
デカいこと=ダサいこと、なのか?
こと大藪的世界観においては「そこに機能性があるかどうか?」が、優劣を色濃く左右する。
それならば、マチの広さをカバン選びの基準にしている丹生ちゃんは、機能性に価値を見出す感性を持っているという言い方もできる。
となれば、機能性を何より重視する大藪春彦的世界観には強烈に合致していて、カバンがデカいことはむしろ『蘇る金狼』の中でも誇るべき事象だと言うべきであって、決して無様などではない!!
そう苦言を呈したうえで、昨夜からの朝倉くんの行動とその描写を振り返りつつ、ハンドバッグの存在を「無様なふくらみ」と評したことへの異論を展開してみましょう。
なお、数か月前からようやくYouTubeで日向坂の動画を見るようになり、丹生ちゃんの顔も完全に見分けがつくようになったと思った途端、彼女は髪をバッサリと切り、再び群衆の中に姿をくらましてしまった。
声は超イントロでわかるんだがなぁ・・