業務のスキルと人間関係スキルは別のもの・・
経験やスキルを認められてポジションアップした時の「部下との人間関係」で、初めて経験する”上の立場”に戸惑う人や、初めてではないが苦手な人が多く、ここで躓くケースが多いというテーマで記事を書いています。
今回は「部下を恐れる気持ち」は、実体がなくても成長する、という話です。
悩みの原因は「部下」じゃなく「部下との関係性」でもない
「部下を叱れない。上司として接する自信が無い」と悩んでいるはずの人が、実際にはそうでないことがあります。
本人が悩みの正体に気づいていないだけで、真実は「自分にOKが出せないこと」が、部下との関係に影を落とす原因であることも、結構多いと思うのです。
言ってしまえば、べつに部下を恐れているわけじゃなく、叱った(注意した)あとの我が身の処し方に自分なりの基準が無く、その結果「毎回揺れ動いてしまう不安定な自分の感覚」を怖がっている(が、そのことに気づけない)。
あなたを不安定な気持ちにできるのは、本来「あなた自身」しかいない
部下を叱った後の、自分の気持ちの整理が上手くできずにいる場合、結局のところ不安定なのは「部下とのコミュニケーション」ではないのですよね。
たしかにそれがきっかけにはなりましたが、それによって起きている心模様は、元々あなたの中にあったものが表層に浮かび上がってきただけです。
しかし、あなたも部下も、周囲で見ている同僚にとっても、分かり易いのは「いま目の前で起きている二人のやり取り」なので、そこに直結させて判断材料にしてしまう。
せめてあなただけには、そこで自分自身を俯瞰する落ち着きを保ってもらいたいのですが、これが非常に難しい。
地震で地面が揺れると気持ちが不安定になりますが、気持ちそのものが揺れてしまうと、落ち着いて物を考えることはきわめて困難でしょうし、その後に行う作業も手に付かなくなりがちです。
自分の弱さに一番厳しいのがあなた自身だからツラくなる
せいぜい2番目とか3番目でよくない?
部下に注意をした直後に、上司のあなたがミスを連発したら、内心の動揺がダダ漏れです。
勤務時間中の職場というシチュエーションにおいては、何とも格好のつかないことでしょう。
それを見透かされてしまうと「メンタルが弱い」「オドオドしてる」などというレッテルを貼られることがあります。
バカにされたりいじめの対象になるのでは・・という恐れを抱いても不思議ではありません。
そして、これら一連のコミュニケーションによる最終形は
「私は、〇〇さんが苦手。怖い」
と、いうすり込みと習慣化です。
いかがでしょう。
本当はそれが真実ではないにもかかわらず、これはもはや、あなたの精神をむしばむ、一人前の立派な『悩み』に成長したのではないでしょうか?