【感情会計】善意と悪意のバランスシート

財務諸表から逆算で人心を読むテクニック

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セブンイレブンの「成長期前半」に加盟した元・三河屋さんの適時判断

これまで2回、セブンイレブンに関する記事を書いてきました。

私はセブンイレブンが好きで、特に古くからある「街の〇〇屋さん」が業態転換し、地元で頑張っている店舗はもっと好きです(私の同級生の家は米屋から転身し、今も続いています)。


タカラトミー トミカタウン ビルドシティ セブン−イレブン ビルドシティセブンイレブン

私が学生時代にアルバイトしていた店舗は、元々は地元の酒屋「三河屋さん」で、温かみのある老夫婦が経営し、商売は繁盛していました。

 

もう少しこのことを書いてみたいので、とりあえず自分の頭の中を整理するために、ダイジェスト的に2記事のまとめを書いたうえで、コンビニのライフサイクルについても少しだけふれてみます。

 

 

本部からの提供は得られない「地域に根付いた店舗ならではの強さ」

繁盛の1つの要因は、なんといってもセブン-イレブン・ジャパンがもたらしたフランチャイズシステムです。

 

本部から提供されるこの仕組みによって、三河屋さんは地元商店の経営者では得られないビジネスインフラを手中にしたからです。

 

しかし、もうひとつの要因は、セブン-イレブン・ジャパンが逆立ちしても得られない「店舗が持つ地域の栄養素」です。

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その地に根を生やし、地域住民との長年の交流から得た信頼や人付き合いは、フランチャイズ本部から得られるものではない。

 

たしかに顧客開拓や、多種多様な商品・サービスのラインナップは、本部のネームバリューや運営システムで準備ができます。

 

しかし、活きた事業を継続させていく店舗の生命力は、無機質なシステムからだけでは成立しないと思う。

そういった”力の根っこ”みたいなものは、この「地域の栄養素」をどれだけ豊かに持ち合わせているかで決まるということを書いたのが1回目の記事でした。

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顧客ー加盟店ー本部がそろって豊かになる条件

2回目に書いた記事では、セブンイレブンに加盟したことによる「オーナーの豊かさ」にスポットを当てています。

 

オーナーと従業員が別々な加盟店もあるでしょうが、私が働いていたお店はオーナー夫妻が店に出ていたので、言い換えれば「労働現場の豊かさや楽しさ」を意味しています。

 

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雇う側(オーナー)と雇われる側(店長やパート、アルバイト)が、共に充実感を得られる手段として「フランチャイズ加盟」が活かせている場合こそ、コンビニは良い状態で運営できるといった話を書きました。

 

そのためには、客層の広がりによる仕事の大変さをカバーするシステムが重要ですが、当時の、過度に背伸びしないビジネス展開をしていた頃のセブンイレブンでは、割とムリなくそれができていました。

 

現場の業務をカバーするはずのシステムが却って煩雑さを生み、習得や指導の困難さにしわ寄せが行ってしまう現在の状態とはステージが違うので、上層部に当時の延長で考えるセンスが少しでも残っていると、現場とのかい離を起こすでしょう。

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 客層 × 客質の相乗効果

これは2回目の記事で書いたことですが、あえて別記します。

 

 個人商店時代には縁のなかった客層が来店し始めるだけでも、商売的には大きなインパクトがあります。

 

しかし、コンビニに加盟した個人商店主が感じる絶対的な違和感は、「必要なものを買いに来る客」だけでなく「買いたいものを探しにくる客」が来店するようになることではないでしょうか。

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ふつうは酒屋には「お酒を買いに来る客」、米屋には「お米を買いにくる客」が来るでしょう。

だから、受け渡しが済んでそのまま帰るか、ひとしきり世間話をして帰るかの2択がメインのはずです。

 

しかし、そのどちらにも該当しない性質の客がやって来るようになるのは、個人商店出身のオーナーには、当初は慣れないことだったと思います。

しかも、目的が明確でない理由で来店し、何かを買ってくれる比率が非常に高いはず。

 

だからこそ、セブン-イレブン・ジャパンでは、とても厳しい陳列のルールがあり、発注を任されていた私も、担当する商品グループのことでよく注意されていました。

 

こういうのも、個人商店からフランチャイズ加盟した際に受けられる恩恵のひとつだと思います。

「浮遊客の扱い」という意味で、ビジネスを学びつつ、売上につなげることができるからです。

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「コンビニ参入」が一番輝いた時代

さて、地域性の強さと豊かな人間性を持つ三河屋さん夫婦にとって、客層と取扱商品の増加による店舗運営の負担増ていどは、長年培ってきた実力の範疇にありました。

 

こうして、フランチャイズ加盟による最大のメリットを享受することができました。

 

平たく言えばセブンイレブンは、加盟店である三河屋さんを儲けさせる仕組みとして出来上がっていたということができます。

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①新規客を獲得できるメリット

②獲得した客が継続利用できる品ぞろえや商品開発

 

コンビニ創成期の頃は、加盟した地元の個人商店が、このふたつを同時に享受でき、圧倒的な稼ぎを維持できたところが多かった。

だからこそ社会的なムーブメントを引き起こし、益々利用者が増えた。

 

事業ライフサイクルでいうところの「導入期」から「成長期」に入ったところあたりで加盟していた私の居た「元・三河屋」などは、たぶん一番良いタイミングだったのではないかと思います。

 

「輝いた時代」を現場で経験した世代が、本部で指揮を執っている時期は危ない(?)

翻って見るに、とうに成熟期を迎えたコンビニでは「新たにコンビニ利用する生活スタイルへ変貌した客」という消費者層は、もはやいない

 

既存顧客のニーズの掘り起こしがメインになってきているので、過去の成功体験は使えない

収益の成り立ちが違うので、もしもまだ上層部に当時の成功者が居て、その感性で今の事業展開を率いているようだと非常に危険です。

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これは私見ですが、ブラックな職場になってしまっている要因には、そのレトロな感覚が潜んでいる気がしてなりません。

 

「加盟店は豊かになっていってるんだから、『多少のムリ』は利くだろう」という甘い観測が、状況判断と意思決定に、わずかなりとも混ざっている気がして仕方がない・・