ニッチな読書あそび
数多の読者の心をわしづかみにした司馬文学の文体。 会計学者の田中弘さんは司馬さんの作品がお好きで、ご自身の著作でもそのことに触れ、「司馬さんの『枯れた文章』に憧れていて、自分もあのような文が書けるようになりたい」と仰っていたことが、強く記憶…
「初期の新選組に派閥争いは無かった」という仮説で幾つかの記事を書き綴っています。 司馬さんの著作の影響で生まれた ”自分なりの司馬史観” に対するわずかな抵抗を試みているところです(笑) blog.dbmschool.net これまでの経緯 【司馬史観】による芹沢…
今回も新選組関連の仮説です。 資料から浮かび上がるわかりやすい疑問に突っ込んでみます。 「いや、それはこういうことだよ」 と、解説ができる方はぜひ教えていただきたいです。 会津藩役人への疑問 人数が合わないのは座敷童のせいか? 原典に当たってみ…
後世の我々は、新撰組の近藤勇がひとかどの人物であることを知っています。 しかし、幕府が徴募した浪士組が230名の一団となった中で、「江戸の試衛館」は全くの無名。 近藤勇は、土方や沖田、永倉に藤堂といった精鋭を何人も従える傑物だったわけですが、そ…
草創期の新選組に、近藤派と芹沢派の内輪揉めが起きる時間的余裕は無かった・・というのが「じつは派閥抗争はなかった」という私の仮説理由2つのうちの1個目でした。 blog.dbmschool.net なにせ肝心の芹沢鴨がたった半年間しか存在しなかったうえ、その期…
小人閑居して不善を為す、と言われます。 つまらぬ人間が暇を持て余すと良くないという教えですね。 たしかに、余暇を達者に過ごせる人は「出来た人間」という気がします。 一方、つまらぬかどうかはさておき、「組織」が暇を持て余すと、あまり良い方向に向…
格下の土方歳三に後れを取るなど考えられない。 まんまと切腹に追い込まれるなんて有り得なさそうな「新選組局長・新見錦」 blog.dbmschool.net 20台半ばの頃に読んだ『燃えよ剣』で展開された不思議な事件についての勝手な考察を続けます。 激アツ描写で疑…
前に書いた「新選組初代局長の新見錦(にいみにしき)について、気になることがある」に関するお話です。 (こちら⇩⇩の記事内で少しだけ触れています) blog.dbmschool.net あまり目立たない存在ですが、新見錦といえば、筆頭局長である芹沢鴨の同郷の同士だ…
『新撰組遺聞』について、前回はゲームの『龍が如く』とからめて、どちらかといえばゲームがメインのような印象の記事を書きましたが、今回は書籍の話をメインにまとめたいと思います。 一般人に向けた ”新選組本” の先駆け 為三郎さんの日常 奇跡の【八木邸…
『新撰組遺聞』 主に司馬遼太郎作品で培われた自らの新撰組知識が、小さく見えてしまう一冊です。 昭和3年のインタビューは、ダテじゃない。 リンク 新撰組隊士たちとじかに接した人の話は、さすがの司馬さんの取材力でも年代的に不可能です。 この作品に関…
「間温め(まぬくめ)」 この不思議な言葉の響き。 捉えられるようで捉えきれない、イメージ化が及ばない深みを感じます。 『竜馬がゆく』ではじめて見た言葉なのですが、単なる「暖房」とは一味違う気がするのです。 竜馬がゆく(六) (文春文庫) 単純に「…
自分の注意が上下や左右に散らされたところに、真ん中へズドンと撃ち込まれる一発。 この一撃の破壊力は凄い。 ということが言いたくて書いた、長い長い前置きが前回記事です。 blog.dbmschool.net ではいよいよ、私が「司馬さんの技術」と勝手に思っている…
司馬さんの小説で、登場人物の「キャラを立てる」ときに使われる数々の文章テクニック。 職場でのビジネスコミュニケーション文章に置き換えてあやかりたい。 前回までの記事で、そんなことを書いてきました。 blog.dbmschool.net 黒田官兵衛の生涯を描いた…
最近、司馬さん関係の記事をずいぶん書いているのですが、きっかけはこちらです。 blog.dbmschool.net 白蔵盈太さんが指摘した「歴史資料が少ない時代のほうが、司馬さんの『キャラ立て』の力が発揮され、その中でも『項羽と劉邦』は特に面白い」という絶賛…
黒田官兵衛と織田信長が初めて顔合わせした時のキーパーソンだった羽柴秀吉。 二つの小説でこのシーンを描いた司馬さんは、それぞれの作品で秀吉をどう書き分けたか? 前回、そんなテーマで記事を書きました。 blog.dbmschool.net ですが、『新史 太閤記』の…
「複数の小説で、同じできごとが描かれる」という読書体験は、完全なフィクション作品では稀だと思いますが、歴史物では多々あります。 この場合、新たな史実上の異説でも出てこないかぎり、どの小説でも大筋は同じになることが予想されます。 もちろん作家…
ひさかたぶりに『播磨灘物語』を読み返しています。 黒田官兵衛が主人公の、全4巻の文庫本です。 新装版 播磨灘物語(2) (講談社文庫 し 1-27) 官兵衛がはじめて織田信長に謁見するシーンが読みたかったので、とりあえず第1巻は飛ばして2巻目を手掛けました。…
司馬遼太郎さんが『項羽と劉邦』で、主要な登場人物のキャラクターをどうやって「立てている」のか? 『項羽と劉邦』を絶賛する白蔵盈太さんが主張する、資料が少ない古代を舞台にした時にひときわ輝く司馬さんの「キャラを立てる」腕前。 blog.dbmschool.ne…
本題に入る前に、いちおう、『項羽と劉邦』の深堀り記事を連作している事情について書き留めておきます。 (余談)なんでこんな記事を書いているのか? 項羽の絶対的参謀【范増(はんぞう)】 乱暴者さえも一目置く智謀キャラ 名コンビ「項羽と范増」 陳平を…
前回記事の続きです。 司馬さんが陳平にツンデレしているという話ですが、ツンデレのお約束どおり、まずは「ツン」に徹している・・ blog.dbmschool.net では、陳平が初登場したくだりを、司馬さんがどう仕上げているかを見てみます。 『陳平の毒』の章は、…
司馬遼太郎さんは『項羽と劉邦』で、張良と同質の特長を持つ陳平を、どうやって差別化して表現したのか? 前回の陳平に関する記事で、この点を重視しました。 blog.dbmschool.net 秀吉を支えた高名な軍師、竹中半兵衛と黒田官兵衛の活躍を、古代中国の張良・…
何回か前の記事で、劉邦に仕えた主な臣下を将棋の駒に例えてみました。 張良と蕭何は「金」 韓信は「飛車」または「角」 陳平は「銀」または「桂馬」 blog.dbmschool.net こういう「当てはめもの」は、歴史好きには楽しいものですね。 一方、やはり何回か前…
司馬遼太郎さんの『項羽と劉邦』に登場する主要キャラクターの一人である陳平は、張良と並ぶ知将です。 功労者3傑に名の挙がらぬ豪華なベンチ要員 秀吉を補佐した「両兵衛」の一翼・黒田官兵衛は ”陳平キャラ” 張良と同じ試験科目でトップは取りづらい ほぼ…
前回、劉邦と張良の関係にラブコメ感を見出す記述をしましたが、実際に司馬遼太郎さんの『項羽と劉邦』での張良は、風貌や所作のたぐいが女性的に描かれることが多く、司馬さんはよほどそれを強調したかったのだなと思わされます。 blog.dbmschool.net そし…
張良は「経営企画」 蕭何は「総務」 韓信は「営業」 会社の役職に例えるとそんな評論の対象になりがちなのが『項羽と劉邦』に登場する劉邦陣営の有名な部下たちです。 では将棋の駒ならどうなる? 張良はもちろん「金」 陳平は・・「銀」かな? 韓信は言うま…
Yahooニュースの中に時々表示される「歴史物記事」 ガッカリする内容も多いのですが、ときどき興味深いものがあります。 rekishikaido.php.co.jp 今回のこれは、純然たる「歴史モノ」ではありません。 しかし、端的にまとまっていて切れ味が良く、何かと批判…
お気に入りの小説が映画化・ドラマ化された経験は何度もあります。 しかし、アニメ化された経験は1度しかありません。 これは少ないほうなのでしょうか? それとも、読んだ小説がアニメ化された経験があることのほうが珍しい? どちらにせよ私は1回だけ。 …
短編作品の悪役は、強くて外道なほど勝ったときのカタルシスが強い でも、敵がそんなに強いなら、物語を長く楽しみたいから長編を希望する 読者がその作品を愛すれば愛するほど生じてしまうアンビバレンス。 一方、作者にだってその手ごたえはあるでしょう。…
金曜日に三橋TVで動画見て、面白そうなので買いました。 これ⇩⇩です。『ザイム真理教』 近所の書店で売ってたので、繁華街のデッカイ書店に行かなくて済みました。 森永さんのことは以前ブログに書きましたが、この方、最初は専売公社にいたのですね。 オ…
ベッドシーンと暴力シーンは書かないのが星新一さんのポリシーだったようです。 私もそっち系が苦手なので、中学時代には星さんの作品に耽溺していました。 しかしそんな中、怖かったのが『なりそこない王子』 「星さんの裏切り?」とすら思えた話がいくつか…







