私は昭和のライダーは子供時代に観ていましたが、大人になってから接した平成ライダーも、初作の『クウガ』に始まり、2012年から放映された『ウィザード』までは全部観ています。(そこで途切れてしまった理由があるのですが、今は割愛します)
各シリーズのストーリーや世界観も好きですが、もうひとつ言えば、仮面ライダーがバンダイや東映のマーケティング番組である側面にも、強い関心があります。
これは逆に、子供の頃はできなかった楽しみ方です。
サイフを開くのは大人
子どもに玩具を買うにしても、子どもと一緒に劇場に行くにしても、サイフを開く大人に対し、ある程度の納得感を提供しないと売上に結びつきづらくなる。
その証左というべきか、平成ライダーでは明らかに「大人のほうがのめり込む」というところまでのレベルが求められていることがわかりやすい。
イケメンライダーに子どもたちのお母さんが夢中になってしまうとかはその一例と言えるでしょう。
また『仮面ライダー響鬼』では、後半で制作陣の大幅交代が行われるまでは、オジサンたちの支持がとても強かったなんてのもよく分かる。
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『響鬼』の当初の造りは『少年たちと接する大人の作法』を描いているみたいで、”見守る感じ” が、見ていて心地よい。
表層(TV映像)じゃなく深層(舞台裏)を
放送されている表面的な押し出しだけに反応して「子供っぽい」とか「単純」と決めつけてしまうことのほうが、逆に子供っぽい発想だということを、前回記事では書きました。
「あり得ないこと」を現実世界に近づけるクリエイターの手腕に思いを馳せることが、特撮シリーズの醍醐味です。
- 確実に大人にも響く内容を常に要求されるシビアな戦略
- その実行部隊である制作現場
と、きわめて大人な仕事がなされているオフィスを見学するかのごとく、細部を感じ取る作業に勤しみながら視聴することになる。
すると、むしろ大人向け(?)のドラマより思考の幅が広がって面白い。
ということで、ちょっとその辺の ”細部の楽しみ方” なのですが・・
やはり、リアリティーの作り方に注目したい。
もともとあり得ない設定がベースなので、全部あり得ない展開でもいいのかもしれませんが、それだけだと大人が食いつきづらい。
時代がもっと下れば、リアリティの感覚が今とは違ってくる可能性が大いにありそうですが、少なくとも今はまだ、ある程度の年齢に達した世代には、一定のリアリティーが実装されていたほうがウケが良いと思う。
ということでその第1弾「変身ベルトっていつ腰に巻くの?」を、次回は書いてみたいと思います。