「【555(ファイズ)】は、私が初めてリアルタイムで視聴した平成ライダーである」ということを、最初に言っておきましょう。
(以降【ファイズ】で統一します)
昭和ライダーの知識しかなかった私に、パラダイムシフトが起きるほどの大きな衝撃を与えた問題作です。
S.H.フィギュアーツ(真骨彫製法)仮面ライダー555 仮面ライダーファイズ 約145mm PVC&ABS製 塗装済み可動フィギュア
言いたいことは山ほどあるけれど、今回はあくまでも「ベルトが全巻き」である点に絞って話を展開しましょう。
なに!? 変身ベルトが「外せる」だと!
主人公の乾巧(いぬい たくみ)は、せっせと変身ベルトを巻かなければ、ライダーになることができない。
これは逆説的に考えれば「仮面ライダーなのに、変身ベルトを外すことができる」ということでもある。
平成ライダーが『改造人間』ではないからこその新ルールです。
【ファイズ】初視聴は、たしか第19話あたり。
ラッキークローバーのジェイが完全に倒された回だったように思います。
雑魚敵を倒した直後にジェイが登場〜連戦、と目まぐるしいバトルで、初心者には極めてハードルが高い回でした。
昭和とはあまりにも違う展開やギミックに圧倒されながらも、気持ちの奥底でうっすら感じ続けていたのは、じつは「ベルトを外せるライダー」へのショックでした。
「変身できない制約」が緊迫感を演出する
ウルトラアイを失くして変身できないモロボシ・ダンの焦燥感や無力感が強く記憶に焼き付いていた私にとって「ベルトを持ってないときは変身できない」という設定の仮面ライダーは、それだけで感情移入が甚だしかった。
現代なら「スマホを持たずに外出した」に近いリアリティとでもいうべきか・・
これまでに考証した①不可思議系は ”補正” がかかるので、普段のベルトの保管/収納のことは、ほぼ考えなくても良い。
(”補正” についてはこちらの記事で説明しています)
しかし、【ファイズ】以外では唯一の②完全物理系である【カブト】は、さすがにそうはいかないはずなのに、変身ベルトの普段の保管方法については、ほぼ描写がない。
なぜかといえば、【カブト】ではベルトよりもむしろ、バックルに装着するゼクターがメインであるためでしょう。
ゆえにベルト収納用の入れ物といえば、ゼクトで保管していた特徴のない薄手のアタッシュケース程度。
それも、劇中ではファーストエピソードくらいにしか登場しない。
【カブト】は②完全物理系であるにも拘らず、意外にベルトが占める重要度の低さが表れている
それに【カブト】ではほかに、手首にベルトをはめるザビーとか、剣や銃にゼクターを装着するタイプのライダーがいるくらいなので、基本的にベルトの存在感は薄く、やはりゼクターの魅力を描くことに注力したのでは無いかと思われます。
SO-DO CHRONICLE 仮面ライダーカブト(5.仮面ライダーザビー【ボディ】 6.仮面ライダーザビー【アーマー】)
しかし
しかしですよ
【ファイズ】では、ベルトの扱いが全く違う。
ものすごく念入りにデザインされた、専用のアタッシュケースが存在する。
劇中、数え切れないほど登場するこのケース。とても格好良い。
それに「スマートブレイン(SMART BRAIN)」という、シリーズのカギを握る企業のロゴマークも、文字通りスマートでセンスが抜群。
一番くじ 仮面ライダーゼロワン NO.02 feat.レジェンド仮面ライダー E賞 ラバーコースター 仮面ライダー555(スマートブレイン) 単品
アタッシュケースを持ち運ぶシーンが度々登場するのですが、そこそこの重量もちゃんと感じられ、その点のリアリティもしっかりしている。
動作確認済 CSM ファイズギア ファイズギアボックス 豪華セット 仮面ライダー555 劇中仕様 プロップレプリカ 激レア 変身ベルト
【ファイズ】では基本的に主人公がこのスーツケースを持ち歩きます。
カイザに変身する草加雅人はサイドカー付きのバイクに乗っているため、アタッシュケースはサイドカーのシートに置いていますが、乾巧はオートバジンの後部座席にロープで固定して運搬している。
物理法則をここまで遵守する【ファイズ】
平成初作の【クウガ】から【アギト】【龍騎】と、異界の敵と戦うために異界の力を駆使したヒーローとは一転、企業が開発したデバイスで、暴走した進化系生物と戦うストーリーは、細部までリアリティ満載。
では次回は、変身にあたふたする様子に触れていこうと思います。