いざ、怪人出現! ということになった。
ここで、普段は身につけていないベルトを巻くにあたり、①不可思議系と②完全物理系に分けてみます。
たとえば【クウガ】では、ベルトは古代遺跡から魔物(未確認生命体)とともに発掘されます。
不可思議演出を可能にする神秘の力 ”古代遺跡補正”
古代遺跡補正という言い方をしましたが、ここでいう「補正」の意味がわからない方はいないと信じます。
念のため一応追記すると、要するにご都合主義のことです。👈これ大事
古代の神秘の力によって、クウガのベルトは五代雄介の体内に収納されます。
オダギリジョーの細いウエストにベルトが内蔵されていたら、それこそ内臓のバランスが崩れてまともに生きられるとは思わないが、それを可能にする神秘の力(古代遺跡補正)。ここに我々は夢を感じます。
ということで、こういう変身ベルトは①不可思議系に分類します。
「①不可思議系」の詳説
ちなみに五代雄介は、コンビの一条刑事の友人である椿医師によってスキャンで体内を撮影されるシーンがあります。
このときにベルトの影がはっきり写っており、こういうシーンを見せることによって、現実遊離をしすぎない配慮が感じられる。(椿医師による診断は[EPISODE 5 距離]で見られます)
私は「内蔵への影響」とツッコみましたが、このベルトは体内では質量が存在しないらしく、実際には内蔵への影響はありません。
だからこそ変身のつど体内外へ出たり入ったりできるわけで、もしもクウガのベルトに質量があったら、五代雄介はドーナツ型の気円斬で生殺しをくらい続けている状態になる。クリリンもそんな意地悪はしないでしょう。
正確には五代雄介の体内に収まったベルトから全身に神経らしきものが通っていて、怪人に近い体組織になっているそうです。
この種の様々な ”補正” によってベルトが成形される仮面ライダーは、平成以降のシリーズの定番に近いといってよいでしょう。
『不可思議系亜種』も①不可思議系にします
【クウガ】と【アギト】、それから主人公ではありませんが【剣】に登場する相川始も変身のとき腰回りにベルトが「浮かび上がる」構造です。
それに比べると【剣】や【キバ】など、バックル部分は物理的存在だが、腰を巻く帯の部分は無から有が生み出されるというタイプも①不可思議系に分類します。
そう考えると、ベルト全体が物理的な用具として用意され、主人公が全巻き(?)する②完全物理系が少ないことがわかる。
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【龍騎】や【W】など、一見するとバックル部分から物理状の帯が腰に巻かれる描写のものもありますが、「完全物理」の名を冠するには『収納の概念』に逆らってはその資格を得られません。
変身解除した時にバックル部分しか手に持っていない主人公だと「帯はどうしたのか?」ということになり、そこで ”補正” に依存することになる。
「バックル」という装身具的なものではなく、ガチの「ベルト」こそが②完全物理系に分類されるもの、リアリティを最も愚直に体現できるものとします。
当然このスタイルだと変身時にまごつきが生じ、そこをうまく描かなければならない制約が生じます。しかしそこが楽しい。
では次回②完全物理系のベルトを巻くライダーのことを書いてみましょう。
私はベルトのリアリティという観点では、この②完全物理系のライダーが好きです。
<続く>