私が見ていた平成ライダーは【クウガ】から【ウィザード】までの13作
その中で、変身ベルトの描写が、普段のときでも全体の成形を保って表現されていたのはたったの2作品しかない。
それが【カブト】そして【555(ファイズ)】です。
ただしこの2作品の間にも、ベルトの描写には大きな隔たりがある。
せっかくの「②完全物理系」だが、主張が弱い【カブト】
【カブト】では、ヒロインのヒヨリが『自分の両親を殺したアイツが巻いていたベルト』に強い不信感を抱くという序盤の設定があります。
怪我をした天道総司が退院する際、ヒヨリがベルトを見つけてしまい、天道に代わって荷物を取りに来た加賀美を問い詰めるシーンがありますが、もしもその時にバックルだけしか無かったとしたら「そのベルト、お前のか?」というセリフが成立しづらい。
変身ベルトがれっきとした「バックル+帯」の形をしていることを描いてくれたのは良いのですが、残念ながらベルト自体の形状や機能性、あるいは扱いの煩わしさを描く意図は薄かった、と言わざるを得ないのが【カブト】です。
シリーズ全体を通してみても、戦闘前にガチャリとベルトをはめている印象は、私の頭に残っていません。
(片手で端っこを持ってビュンと振るアクションで腰に巻いたことはあったかもしれない)
昆虫型ゼクターのインパクトが強かったせいもありますが、ベルトはあまり目立たない。実際、かなりコンパクトでもあります。
スタイルの良さが違和感を引き立ててしまうジレンマ
出歩くとき、いつも手ぶらで歩いている天道総司。
彼が「荷物」を持って外を歩いている象徴的な場面といえば、第1話の ”豆腐を運ぶ天道” で、その時は作務衣を着ていますが、それ以外の外出時の服装はスタイリッシュな洋服。水嶋ヒロのスタイルの良さが際立つファッションです。
当然、変身ベルトを巻いたりはしておらず、そのまま雑誌に載ってもおかしくない格好ですので、いかにコンパクトなカブトのベルトとはいえ、あのスリムなパンツのポケットに入るサイズでは到底ない。
天道のパンツのポケットには、おそらく天道の親指しか入らないと思っています。
(いつもそのスタイルで歩いているイメージがある)
となれば彼はいったい、変身のときどこからベルトを出すのだろう?
②完全物理系であるにも拘らず、、というかだからこそ、その疑問を呈してしまう点で少し納得がいかないけれど、ベルト全見せで展開する挑戦的な作品として、平成ライダーの中では異彩を放っています。
なにより【カブト】は飯テロ番組である一面を備えている点も魅力です。
最近見つけた動画です。楽しいです。全部覚えてました!
次回、いよいよ大トリとなった【555(ファイズ)】について書いていこうと思います。